肩の痛みを調べるわかりやすい『肩関節の徒手検査(テスト)法』まとめ
「肩の痛みはあるけど、病院へ行くほどかわからないから自分で原因を調べたい」
「病院で行われる肩の痛みを調べる徒手検査法が知りたい」
という方、 肩の痛みと言っても原因は様々です。
病院にいった場合には、原因を特定するために
- レントゲン
- MRI
- CT
- 徒手検査(理学検査)
などの検査をして構造的に問題がないのか検査をします。
それとあわせて先生がされる徒手検査がありますが、それに関しては特殊な機器が必要ありませんので自分ですることは可能です。
「 病院へ行ったほうがいいのかな?」
「病院の前に自分である程度の肩の状態がわかれば知りたい」
と心配な方、是非こちらの検査方法をお試しください 。
肩の疾患はあれこれたくさんありますが
肩が痛いっと一口に言っても病院でつけられる病名には、
- 肩関節周囲炎
- 上腕二頭筋長頭腱炎
- 肩関節インピンジメント症候群
- 動揺性肩関節
- 肩関節不安定性
- 肩峰下滑液包炎
- 肩腱板疎部損傷
- 肩関節腱板損傷
など、いっぱいあってひとつひとつ把握するのは大変です。
そこで、ここから紹介する検査をしてみて、疑わしい病態の絞り込みをしようということになります。比較的実践しやすいものが多いので、ポイントをきちんと押さえながら実践してみましょう。
ヤーガソンテスト
(Yergason test)
- 腕を身体につけた『気を付け!』の状態から肘を曲げます。
- 検査者が手を内側に回す(前腕 回内)のに対して、そのまま動かないように逆らって腕を外に回す力を出します(前腕 回外)
- 肩の前に痛みが出たときを陽性とします。
陽性:上腕二頭筋長頭腱炎
有痛弧徴候
(painful arc sign)
腕を自分でに横から挙げるときや、挙げた腕を下ろしてくるときの途中(60°~120°のあいだの範囲、写真で言う赤色のエリア付近)で痛みが生じると陽性とします。
これは、患者さん自身にただ動きをして話をうかがうだけですが立派な検査になります。
陽性:肩腱板損傷、肩峰下滑液包炎、肩関節周囲炎など
スピードテスト
(speed test)
- 手のひらを天井向きにして、腕を前に挙げます。
- 検査者は、腕を上から下におろすように押さえつけます。
- 押さえられる力に逆らって腕を挙げようとしたとき、肩の前に痛みが出たら陽性とします。
陽性:上腕二頭筋長頭腱炎 スポンサーリンク
ディンプル サイン
(dimple sign)
- 腕を下ろした状態で手の甲が前に向くようにします(肩関節 内旋)
- 検査者が、下方向に牽引するとき、
肩の前に 『えくぼ、凹み(dimple sign)』 が出現すると陽性とします。
別名、内旋位引き下げテストと言います。
陽性:腱板疎部損傷
サルカス サイン
(Sulcus sign)
- 腕を下ろした状態で手のひらが前に向くようにします(肩関節 外旋)
- 検査者が、下方向に牽引するとき、
肩の付け根のライン(肩峰下)に『溝のような凹み(sulcus sign)』が出現すると陽性とします。
別名、『外旋位引き下げテスト』と言います。
『内旋引き下げテスト』より、外旋位のこちらのテストの方が肩関節は安定している状態で引き下げます。よって、 この状態で凹みが出るようなら肩関節がゆるいと言えます。
『肩関節のゆるさ』についてのテスト法をもっと詳しく知りたい方はこちらをお読みください
「肩関節がゆるい人ってどんな人?動揺肩の原因や検査の方法を知ろう!」
陽性:動揺性肩関節症、肩関節不安定性
ニアー インピンジメント テスト
(Neer’s impingement test)
簡単に検査できることから、よく使われる検査法です。
- 検査者が肩甲骨を上から圧迫します。
- 手のひらを下に向けた状態(肩関節 内旋)で、
検査をする人が患者さんの腕を挙げます。
- 肩に痛みが出れば陽性とします。
陽性:肩関節インピンジメント症候群
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ホーキンス インピンジメント サイン
(Hawkins’s impingement sign)
- 腕を前に挙げ、肘を90°曲げます。
- 検査者が手が下に下がるように動かすと(肩関節 内旋)
- 肩に痛みが出ると陽性とします。
陽性:肩関節インピンジメント症候群
三森テスト
(Mimori test)
- 座った状態で、腕を横から水平に挙げ、肘を90°曲げます。
- 検査者が肩甲骨が動かないように固定します。
- 検査者が親指が前に来るように腕を回し(前腕 回内)
肩に痛みが出ることを確認します。 - 次に、小指が前に来るように腕を回し(前腕 回外)
肩の痛みがなくなることが確認できたら陽性とします。
陽性:上腕二頭筋長頭腱炎, SLAP損傷
オブライエン テスト
(O’brien test)
- 肘を伸ばした状態で腕を前に約90°挙げます。
腕は10°~15° 内側に寄せます。
- 小指を天井に向けるように腕を捻ります(肩関節 内旋)
- 検査者が腕を下に押さえるのに、逆らうように上に挙げようとするとき肩に痛み出れば陽性とします。
このテスト法は、厳密にはポジションの取り方で2つの方法に分けることができます。
①親指を下向け行う方法
(full internal rotation、thumb down (positive position with arm leverage))
②手のひらを上に向け行う方法
(full external rotation、palm up (negative position with arm leverage))
があります。
陽性:肩鎖関節障害、SLAP損傷
棘上筋テスト
(the supraspinatus test (SSP test))
- 『気を付け』の姿勢から腕を横方向(やや前方向:肩甲骨面(scapula plane))に腕を挙げます。
- 検査者は、腕を押し下げる力を加えます
- 筋力の左右差(筋力低下)がある場合を陽性とします。
※ このテスト法は筋力が落ちていないかを診るテストになります。痛みが出ることは結構ありますが、痛みが出るかみている検査ではありませんのでその場合は『陰性』とします。
陽性:棘上筋力低下、肩腱板損傷
1.エンプティ カン テスト
(empty can test)
- 親指を下にして腕を内捻りした状態になってもらいます。
- 検査する人が手を上から添えて下に向かって押さえつけて、それに耐えるようにして力を入れてもらいます。
- 痛みや筋力低下があれば陽性とします。
陽性:棘上筋力低下、肩腱板損傷
2.フル カン テスト
(full can test)
- 親指を下にして腕を外捻りした状態になってもらいます。
- 検査する人が手を上から添えて下に向かって押さえつけて、それに耐えるようにして力を入れてもらいます。
- 痛みや筋力低下があれば陽性とします。
陽性:棘上筋力低下、肩腱板損傷
この2つのテストのうち最初にした 『1、エンプティ カン テスト』 のほうが検査の意義は高いと言われています。
この名前は、構えが満タンになった缶を持っているのに似ている『フルカン』
空になった缶を持っている『エンプティカン』という動きから名づけられています。
棘下筋テスト
(infraspinatus test(ISP test))
- 『気をつけ』の姿勢から肘を90°曲げます。
- 手を外側に広げていくとき、検査者は内側に押さえつけます。
- 筋力が低下している場合を陽性とします。
陽性:棘下筋力低下、肩腱板損傷
ドロッピング サイン
(Dropping sign)
- 『棘下筋テスト(ISP test)』のポーズをとります。
- 検査者が、さらに両手を外側に開きます。
- その位置を保つようにしてもらいながら、検査者は手を離します。
- その位置を保てず腕が内側に移動してきたら陽性とします
陽性:棘下筋力低下、肩腱板損傷
腕落下徴候
(drop arm sign)
- 腕を真横に挙げます。
- その状態を保てなくて腕が落ちてきたら陽性とします。保てたら問題ありません。
陽性:肩腱板断裂
ベリープレステスト(belly press test)
-
- 手でお腹を押さえながら肘を前に出すようにします。
- 検査者が肘を後ろに押さえつけるときの筋力をみます
- 筋力が弱かったり、肘が後ろに下がってしまうと陽性とします。
- 手でお腹を押さえながら肘を前に出すようにします。
陽性:肩甲下筋力低下、肩腱板断裂
リフトオフテスト
(lift off test)
- 手を後ろにまわします。
- 手を身体の後ろに浮かせるようにします。
- 身体から手を離すことができなかったら陽性とします。
陽性:肩甲下筋力低下、肩腱板断裂
ベアハグテスト(bear hug test)
- 手を反対の肩の上におきます。
- 検査者が腕を上に持ち上げます。
- 肩の上に手をおいていられなかったら陽性とします。
陽性:肩甲下筋力低下、肩腱板断裂
おわりに
肩関節の検査方法は今回紹介したもの以外にもたくさんありますが主要なものはカバーできております。これらすべては簡単とはいいませんがやってみれば意外にできるものが多いです。
その際に1点だけ注意していただきたいことは
『優しく丁寧に行い、違和感などがあれば無理に続けない』
ことです。
これらでいろいろ疑わしい疾患がわかったから病態を把握したいと思われた方はこちらをお読みください。
「「肩・腕が痛い!」とき、知って安心の『肩の疾患』をまとめて紹介!」
疾患についてはおおよそわかったけど、自分で痛みを改善するためにできることを知りたい方はこちらをお読みください。
「肩の治療は、痛くない安全な「ネストラ式」簡単体操で効果的に改善!」
これらでみなさんの肩に関するお悩みの解消につながれば幸いです。
お身体に関するお悩み解消にお役に立てる情報が提供できていますと幸いです。
「自分の身体について直接相談したい」
「実際に自分にあったエクササイズを指導してほしい」
と思われた方は、こちらで直接診せていただくこともできます。
お問合せお待ちしております
私はバレー部です!私も部活で腕を壊して病院に行ったら、上腕二頭筋長頭腱炎と言われました。病院はまだ1回しか行ってなく、3ヶ月も痛い腕を我慢して部活をやっています。なんで病院行かないの?と疑問に思いますよね。部活の休みがないんです。顧問にまだ腕痛いです。とは言ってません。と言うより言えません。怒られるんです。今病院に行ってもまだ治療に間に合いますか?あと、テストが終わって、体育が水泳に入るんですけど、腕が痛くて泳げないと思うんですよ。水泳できますか?
コメントありがとうございます。
よく学生さんのスポーツ障害を診せていただきます。
スポーツを休止することや治療をするように説得しても
「ケガしていることを知られたらレギュラーから外されてしまう」
「部活に休みがないんです」
「痛くてスポーツができなくても見学するために行かなくてはいけないんです」
など、よく言われます。
だいたいのスポーツ障害は、スポーツをすることで起きています。
逆を言えばスポーツしなければだいたい治ります。(障害の内容によりますがたいていのものは1か月くらい)
『上腕二頭筋長頭腱炎』は、基本的に『安静』していれば治るものなので治療は十分間に合います。
その傷めた状態のままプレーし続けて『腱板損傷』などが起きてしまうことの方が心配です。
水泳も多分ですが痛いと思います。
顧問が言っても無駄なら、早く親や担任の先生に相談しましょう!
それでもだめなら病院に『診断書』を書いてもらって学校に提出することです。
そこまですれば、だいたいちゃんとスポーツを休むことができます。
早く行動することが最善だと思いますよ。
スピードテストでは陰性でしたが、
腕を「気を付け」から棘上筋テストを試しました。
左右の筋力の差はありませんでしたが、
片方の肩に痛みがでました。(三角筋中央辺り)
痛みが出た場合は棘上筋テストでは
陰性と記述していますが、
痛みが出た場合は何処の不具合を考えられますか?
(痛みが出た肩を強く押しても痛みはないです)
投稿ありがとうございます。わかる範囲でお答えさせていただきます。
棘上筋テストは筋力低下をみるテストというのが一般的ですが、『筋力低下』が出るよりも『痛み』がでることの方が実際は多いように感じます。
その場合には、『棘上筋』の不具合を考えられてはいかがでしょうか?
スピードテストで陰性ということは『上腕二頭筋』は問題なさそうということでしょうね。
三角筋中央あたりと表現されるあたりに『棘上筋』は着いてます。
大結節という場所を再度押してみて確認してみてください。しっかり肩の骨にあたるところまで押せたら痛みがみつかるかもしれません。
こんにちは。
ママさんバレーを10年近くしています。昨年の大会中に右肩を痛めました。多分滑り込んだ時に腕が体の下に入り込んでしまったのが原因だと思います。その後1ヶ月間、病院には行きませんでした。何もしない時は痛みはなくバレーをしているふとした瞬間に痛みを感じるだけでした。病院では亜脱臼と診断されました。その後、MRIでも異常なしでリハビリに通うようになりましたが痛みが消えず、今では日常でも不便さを感じます。洋服の脱ぎ着や乗り物でもつり革を持っていて揺れた瞬間とても痛いです。何より腕を背中に回して上に持ち上がりません。バレーは半年休んでいますが治りません。病院もリハビリも今は行っておりません。もう一度しっかり病院へ行った方がいいのでしょうか?
投稿ありがとうございます。
お話をうかがった限りでは、
・構造的に問題がなく(MRIで何もなかった)
・期間がかなり経っている
ことからいわゆる『四十肩』の状態と考えても良いのかもしれません。
そして、背中に手を回す動作(結帯)が一番問題が起こりやすく、治るのも一番遅いものだということは知っておいてください。
そこが良くならないから改善していないと焦ってはいけません。
そして、手前みそながらそのような肩の状態の方にまずしてみていただきたいエクササイズをこちらで紹介しております。
http://ne-stra.jp/1538.html
一度ご覧いただいて実践してみてください。
病院は絶対行ったほうがいいという理由は見当たらないですね。
何か解消したい問題があって病院へ行く必要があると判断されるならいかれてもよいかもしれませんね。
1年程前に肩が痛いので病院に行ったら50肩と言われ痛み止めの薬を飲んでいましたが一向に治らないので放っていましたら肩の関節が動かすたびにポキッと音がして痛くてたまりません。骨に以上があるんでしようか。?
当サイトにコメントいただきましてありがとうございます。
肩がポキっと音がするとのことですが、骨に問題があるとき動かすとゴリゴリこすれるような音(圧轢音)がしたりすることはあります。
ただ、ポキッというのは、変形がなくてもいう方がいらっしゃるのでそれだけでは何とも言えません。
心配が続くようであれば病院で診ていただくのが良いかと思います。
元々、パソコンの使いすぎで3年前に右肩が痛くなり、理学療法をし、そのままになっていました。今年になって、旅行中にスーツケースを右手で引きずって歩いており、右肩が再度痛くなり、レントゲンを撮ったところ、腱が狭くってなっていることがわかりました。その後、理学療法を数週間しましたが痛みはとれず、このサイトの有痛弧徴候(painful arc sign)で陽性でした。リフトオフテスト(lift off test)では、そもそも右手は背中に回せません(左手は問題なく背中上部まで動かせます)。ベアハグテスト(bear hug test)も陽性です。腕を良く使うダンスをしているため、しばしダンス練習は休んでおりますが、再開しても大丈夫でしょうか?マッサージも大丈夫ですか?注射治療をした方がいいでしょうか?何を辞めて、何を続けてよいのかがわかりませんのでアドバイスいただきたく。いまは炎症止を飲み、湿布をはって、あまり右腕を使わないようにしてみていますが、筋力が落ちているきがしています。軽いしびれもあります。
当サイトをご覧いただきありがとうございます。
腱が狭くなっているというよりかは『肩峰-骨頭間距離』が狭くなっている状態かと思われます。
背中に手が回るのというのは、回復の最終段階までいかないとできません。
有痛弧徴候(painful arc sign)がとれたりしたあとでないとできるようになりません。
それができないことは現状では、ある程度仕方ないと思っていただければと思います。
ダンスは内容がわかりませんが、できないのではないでしょうか?あまりお勧めできません。
マッサージ等はしてもらっても良いと思います。ただ、注射は何の注射なのでしょうか?
そのあたりについては担当医師かリハビリスタッフに尋ねられる方が病態をわかっておられるので適切ではないかと考えます。
筋肉が落ちるのは動かせていませんので多少は仕方ありません。
ただ、痛みがとれてちゃんと訓練すれば戻りますのでそこまで慌てなくてもよいでしょう!
肩の痛みをじっくりみながら、無理をせず徐々に運動療法を進めていかれることをお勧めます。
アドバイスありがとうございました。マッサージで少し動きを取り戻しました。国外在住のため、MRIは注射治療が効かなかったときのみのようで、今日、初めて Kenalog とLidocaineを混ぜた注射をしました。診断は Impingement Syndome で生まれつき骨の構造上なりやすいType II subacromialとのこと。注射が効かなければ手術と言われましたが、手術の成功率はどのぐらいでしょうか?もしご存知でしたらお知らせいただけますと助かります。
文献で調べさせてもらったものを引用させていただきますと、
・局所麻酔注射で60%は症状が軽快する
→今回はKenalog(ステロイド)とLidocaine(局所麻酔)をされているのでこれでも軽快が期待されると考えられます。
・subacromial Impingement typeⅡ(肩峰の形態がカーブ型、比較的インピンジメントが発生しやすい)と言われているようです。
→診断有効性が50%、若年者で75%、腱板断裂で20%程度。
→40%に診断誤り、42%に不満足な手術手技があり、診断・手術とも正しかったのは18%。(Ogilvie 1990)
→手術術後満足度は、37~80%(Lilette 1992)
→手術決定する前に、今一度、症状改善のための保存療法(注射・リハビリテーション)を行うべきである(信原克哉 肩その機能と臨床 2012/12/10)
→手術成績は良好であるが、12%は腱断裂(stageⅢ)に移行した(Hyvonen 1998)
はっきりとした記述はないものの、最近は手術手技の向上などがあり比較的良好だという記述はみられました。
しかし、日本の肩の権威と言われる信原先生の最新版での引用文献が以上のように思ったより古く、他にも新しい文献が現状手持ちでありませんでした。
申し訳ございません。
現状を察するに、腱板断裂の有無が不明でstageがわからない状態ではなんとも言えませんので、注射後、症状軽快しなければMRIにて確定診断→手術の検討となるのではないでしょうか?
私としましては、どちらにしてもまずは運動療法をされてはいかがかと考えます。
もしよろしければこちらを参考にしてください。インピンジメントで改善されることはあります。
http://ne-stra.jp/1538.html
細かいご情報ありがとうございます。とても助かります。日本でも医療が受けられますので、様子をみながら、日本でも治療を考えてみるかもしれません。早速、体操、参考にいたします。
先日書き込ませていただきましたTSです。スポーツドクターに診ていただいており、レントゲン撮影、そこでインピンジメント症候群、また元々の骨格からくるType IIではないかと言われておりました。理学療法と注射(1回のみ)、経口の抗炎症剤、マッサージを続けておりましたが、注射で40%程度回復しましたが、完治までいかず、肩専門の外科医に回されました。MRIを期待しておりましたが、とっていただけず、今度の医師の診断は肩関節周囲炎で、理学療法士に戻されました。インピンジメント症候群と肩関節周囲炎は同時に起こりうるものなのでしょうか?外科医は次回もスポーツドクターではなく外科医の方に会いに来るように言っております。国外なため、MRIが高価なため、なかなかとっていただけない現状もあり、帰国時に日本でMRIを撮った方がよいかとも思っております。アドバイスいただければ幸いです。
当サイトをご覧いただきありがとうございます。
まずは40%とはいえ症状改善されてよかったですね。
肩関節周囲炎は、簡単に言えばいわゆる五十肩を病名にしたようなもので
「肩関節に問題が起きているのは肩周辺に特定は難しいだろうけど炎症があるからだ」
みたいな解釈をされるといいと思います。
そのため、インピンジメント症候群という構造的な状態による肩関節の炎症と考えれば両者は成立しうるものだと考えます。
そして、
スポーツドクター→スポーツによって起こりやすいインピンジメント症候群
外科医→一般の人に多い肩関節周囲炎
と自分の分野に近い病名がついているとの解釈もできなくはないかもしれません。
両者とも曖昧な要素が多くて確定診断が非常に難しいので、このようにドクターによって意見が分かれてしまうなんてこともあると思います。
ただ、どちらにおいても基本的な治療に大差がないはずですから、そのまま治療されるのもひとつでしょう。
それより、ここまで来たから病態把握をしないと気が済まないと思われるようであれば、日本での診察・MRI検査(必ずしてくれるかはわかりませんが強く希望すればしてくれる可能性が高い)をされて納得されたらいいのではないでしょうか?
今年の2月の初めに肩腱板断裂で、関節鏡下手術をし、約5週間入院で装具固定しました。退院後リハビリに7ヵ月通いましたが、痛みは変わらず
通うのをやめました。個人差はあるでしょうが、痛みがなくなるのはどれ位かかるのでしょうか。
当サイトをごらんいただきありがとうございます。
痛みがどの時点と比べて変わっていないと感じられているのか、もしくはまったく何も変わっていないのか
そのあたりやその背景もわかりませんので何とも言えません
通常そのくらいの期間リハビリすれば何かしらの改善はみられるものです。
それはまずリハビリされた病院になぜ変わらないのか?これは一般的なのか?改善される見通しはあるのか?
見解を聞かれてみることが先決ではないかと考えます。
はじめまして
バドミントン部に所属しています
先日羽を打った際に肩がぐるんとまわったような感じがして、直後から肩を上げようとすると痛みが出るようになりました。
ラケットを持ってゆっくり素振りをするのも痛みのせいでままならず、日常生活の動きでも肩の痛みが気になります。
上記の方法で、有痛弧徴候とスピードテスト、ホーキンスインピンジメントサインで肩の痛みが出ました。
この場合痛めたのは筋肉でしょうか?筋でしょうか?また、病院へ行くべきかも迷っています。アドバイスお願いします。
当サイトをごらんいただきありがとうございます。
お話しいただいている範囲であれば、筋肉(腱板)を疑っておかれたらいいかと思います。
ただ、重篤な状態になっていることは考えにくく、そのような痛みの場合はほとんど自然に治っていくものですから様子を見られてはいかがでしょうか?
たとえ病院に行っても、確定診断にはMRIまで撮らないといけないし撮ってもなにもない可能性があるくらいの状態と推測します。
1~2週間無理せず様子みて少しずつ痛みがひいてくればそれでいいでしょうし、それでもまったく痛みが変わらなければ病院に念のため行ってみるのもありかもしれませんね。
はじめまして。水泳をしております。多忙により6か月くらい練習を休み、最近再開いたしました。右腕をまっすぐ前から上にあげてさらに後方に移動する際に痛みが生じます。まっすぐ上に伸ばした一から、右に15度くらいまでの範囲で、そこから後ろに移動させようとすると痛みが生じます。このため、頭の後ろから水をかき集めるような動作、例えばバタフライのキャッチや、平泳ぎのひとかきひとけりで水を集める動作などができない状況です。右手をまっすぐ上方に伸ばした状態では何も問題はなく、その腕を後方に動かすことにより痛みが生じます。繰り返しになりますが、まっすぐ上方から右15度の範囲内だけでそれより腕を下げれば、両腕を広げて胸を突き出しても全く問題はありません。しばらく運動していなかったので、運動していれば自然と治ると思いたいのですが、やはり不安なためネットで調べてみたところこちらにたどり着きました。何かアドバイスをいただけたら幸いです。よろしくお願いいたします。
当サイトをごらんいただきありがとうございます。
お話の範囲では、状態がものすごく悪いというわけではなさそうかと思います。水をかく動作時など負荷がかかるときを中心に痛みが出るようなのでそうかと推測しました。
痛みの詳細がわからないので何とも言えませんが、整形外科疾患を疑うというよりは肩甲骨の動き(後傾)が悪くなってその分肩関節に負担がかかっているかと思われます。
具体的に動きを言葉で説明しづらいため詳述は避けますが、肩甲骨をすくめたり下げたりをまずしっかり動かしてほぐして見られてはいかがでしょうか?
たぶん動かしづらさが現状ではあると考えられます。
一般の方であれば、普通に運動するというのでは肩甲骨がうまく運動させることができません。
そこで、別メニューでしっかり肩甲骨だけを意識して動かしてやる必要があると考えます。一度お試しくださいませ。
はじめまして、40代で毎週日曜日ソフトボールをしています。中学〜大学まで部活、サークルで野球をしており、30歳位から前述のソフトボールをしております。
数年前から肩に違和感があり、ここ最近は投げるたびに激痛が走ります。日常生活には全く支障無く、試合前にはストレッチ、試合後には氷で冷やす等してますが、全く改善されません。
上記のテストでは、三森テストで陽性反応が出ました。
どのような治療をすれば、思い切り投げれるようになるでしょうか?ご教示頂ければ幸いです。
当サイトをごらんいただきありがとうございます。
三森テストは、関節唇損傷を診るテストになります。
ストレッチはされているとのことですが、コンディショニングにあたるものは他にされておられないかもしれませんね。
ここでお伝えできることは、たぶんそれだけ経過が長いのであれば今までと同じ対応だけで好転することがあまり期待できません
・投球フォームを見直す
・肩周りのバランスを整える
・病院・治療院などを受診する
など行動を起こすことが必要だと思います。
当サイトとしてましては、コンディショニングにつながる体操をこちらで紹介していますので、実践してみられることをお勧めさせていただきます。
http://ne-stra.jp/1538.html
先週バレーボールをしていて、肩が痛み、
肩より上に手が上がらなくなりました。
1週間たち、手はあがるようになりましたが、
腕の上げ方によっては三角筋の前側(力こぶの上あたり)
が痛みます。
三森テストでは①の状態でかなりの痛みがします。
有痛弧徴候では腕を水平にまで上げると痛みます。
この一週間に整形外科に行きMRIとレントゲンをとりましたが、異常がないらしく、
疲労、肩の使いすぎ、筋肉痛と診断されました。
ほんとに筋肉痛でしょうか?
安静にする以外に治療法は無いでしょうか?
また、治るのでしょうか?
当サイトをご覧いただきありがとうございます
まず構造的に問題がないことが確認できているのでそこまで不安になられなくてもよいと考えます。
肩の前面に痛みがでるというのは肩の痛みではよくある症状で、1週間で改善をみせているところからもそのままの自然経過でもよくなることが予想されます。
たんなる筋肉痛とまでは言いませんが、なにか重大な疾患というわけではなく、肩まわりの機能障害と考えておかれたらよいと思います。
初めまして。こんにちわ。
50代で、特に普段、スポーツをしているわけでもなく、ぶつけたり、重いものを持った記憶もないのですが、
ここ何日か二の腕が雨戸がシャッターになっておりますので、それを持ち上げると痛みを伴うので、調べてみていたところ、こちらのサイトにたどり着きました。
私はスピードテストで二の腕に痛みを感じました。
病院に行くか考えており、何かを受診したらよいか調べていましたところ、タバコも吸いますので、肺がんの可能性もあるようなことが書いてありまして、何かアドバイスを頂ければと思い、コメントを残させて頂きました。
何かご教示頂けばと思いコメントを残させて頂きました。
宜しくお願い致します。
当サイトをご覧いただきありがとうございます
今の感じであればいわゆる五十肩をまず疑うべきでしょうから、病院に行かれるのであればまずは整形外科だと考えます。
肺がんにつきましては、もちろんその可能性は否定できません。
しかし、テレビやネットですぐにその可能性を大々的に指摘するものですから頻繁にあるかのように捉えられるかもしれませんが滅多にそういう人がいないと言えるくらいもともとその可能性自体非常に低いもので、動かしたときだけで痛いというのであれば更にその可能性は低いのであまり悩まれずに受診されてみたらよいと考えます。
もし、肺がんが疑わしいならそこで医師が詳しく検査されるか他科への紹介などの対処をしてくれることでしょう。
はじめまして。こんばんは。
エレンベッカー肩関節検査法という本には、肩の関節唇のテストの背臥位で行われるClunk testでのテスト陽性に、偽の引っかかりという記載がされているのですが、これはどのような意味で記載されているか考えられる要因を教えていただきたいのですが、差支えなければ教えていただけないでしょうか。
当サイトをご覧いただきありがとうございます
私がこの本を読んでおりませんし著者ではありませんのであくまで推測の域を出ませんが私なりに解釈を書かせていただきます。
Clunk testにおいて、疼痛・ひっかかりが陽性所見だと思います。
陽性であれば関節唇損傷によるひっかかりを示唆するものと考えていくところですが、この本の著者は検査をして陽性であったとしてもそのひっかかりの要因が必ずしも損傷した関節唇によるものとは言いきれないと考えているようです。
陽性=関節唇損傷とみても結果として関節唇の損傷がみられないような場合が考えられる(比較的起こりやすいものと考えている)偽陽性にあたるようなものについての可能性を言っているのではないでしょうか?
ご返信ありがとうございます。わかりやすい説明をありがとうございます。
背臥位で行われるClunk test、座位で行われるCrank testの2種類があり、
背臥位で行われるClunk testは腕を150~160°挙上して、肩甲骨の関節窩に圧迫しながら、時計回り、反時計回りに分回し運動を行う。
テスト陽性がクリック、疼痛、偽の引っ掛かりで関節唇断裂・関節唇剥離の疑い。
座位で行われるcrank testは腕を160°挙上し、関節窩に骨頭を圧迫しながら外旋・内旋を行う。
テスト陽性がクリック、疼痛、引っかかりで関節唇断裂の疑いと記載されているのですが
座位のCrank testは引っかかりにも関わらず、背臥位のClank testでは偽の引っかかりということは、座位の時と背臥位の時では重力などの関係で引っかかる部位が変わってくるのでしょうか。また、関節唇以外に引っかかるとしたらどこ部位が引っかかるかの考えを教えていただきたいです。
私が勉強した教材(整形外科学体系)がyamada様と違いますので検査法の違いについての理解が違うかもしれません。
私が勉強したこの似たように見える2つの検査法の差異については、
・clunk test→上腕骨頭を前方に押し出した状態で回旋の操作を加える
・crank test→上腕骨頭から関節窩へ軸圧を加えた状態で回旋の操作を加える
ことが主であるととらえております。
検査時の体位については、crank testでは坐位と指定されている記述が基本になりますが、clunk testでは体位について記述がないものもあり明確ではありません。
私の理解では、軸圧を加えるとき重力下で行うほうが圧が逃げずに加えられるため坐位で行うのが原則となるのではないかと考えています。(臥位では、圧をかけても体幹の側方移動などの代償動作が生じやすく圧迫時に重力を味方につけたほうが精度が高くできると考えます。)
ここで、徒手検査全般において言えることですが、本や著者によって同じ検査名なのに検査方法や陽性所見、疑う疾患名が微妙に違うことはよくあります。
私は勉強するときにいくつかの検査法の本を参照しましたが、その経験では本によって結構違うと感じていましたので、その細部にはこだわらずその検査が
・どのような刺激によって
・何に負荷をかけるのか
・何を見極めたいのか
その原理となる理屈を理解するように努めておりました。
私の理解ではこの2法は関節唇へのストレスの方向が違うわけでそのストレスがうまくかかるために体位を決定しているのではないか?自分が行うときにはその目的にかなうようにすればやり方の微妙な差異についてはそこがズレないならどっちでもいいんだな、みたいな考え方でやってます。
詳細を突き詰めていかれる探求心は素晴らしいと思い、私もそのような気持ちを忘れずいたいと気持ちが引き締められる想いです。
ですが、今回の差についての私の最終的な見解は『偽の』の記述は頭の中でスルーします。
それには、検査の不確かさもありますが、徒手検査は陽性率の問題もあってひとつの検査のみで判断せずいくつか組み合わせて自分の検査の精度を高めていくものだからです。
もし、関節唇への検査をしたければ僕は両方しますし、怪しいなとなればさらに他の関節唇の検査から肩全般の徒手検査まで必要に応じてやります。
それでダブルチェック、トリプルチェックを重ねてからの総合判断に結局なりますからこの微妙な記述については結局最終判断時には『臨床上』あまり問題にならなくなると考えております。
一治療家である私のお答えできる範囲はここまでになってしまいます。疑問にうまくお答えしきれていないようで申し訳ありません。
もし、それ以上に気になるようであれば、
・学校などでこれらを教えている立場にある専門家
・本の出版社や著者
に問い合わせしてみるのがよいのではないかと考えます。