野球やスポーツで肩が痛い!よくわかるインピンジメント症候群とは?

インピンジメント症候群アイキャッチ「野球で投球するとき肩が痛いんですがインピンジメント症候群ですか?」

「肩のインピンジメント症候群の原因ってはっきりと診断されるのですか?」

など、野球をする人の中では比較的有名な疾患に 『インピンジメント症候群』という疾患があります。

この疾患は名前のとおり


  • →肩に起きる
  • インピンジメント(impingement)
    →衝突、ひっかかる
  • 症候群
    →いろいろな症状の集まり

というところからまとめると、 『肩の何かがぶつかることでおきる問題をまとめたもの』 です。

何がどう衝突しているのかはいろいろあって実際『インピンジメント症候群』は、症候群と名前にあるようにひとつの状態だけを指しているものではありません。

みなさんが肩関節の痛みなどでインピンジメント症候群を考えるときにまず知っておいていただきたい内容をなるべくわかりやすく紹介していきたいと思います。

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肩関節のインピンジメント症候群の分類ごとの状態は?

『肩関節インピンジメント症候群』は、野球を中心とした(他には、テニス・バレーボール・バスケットボールなど)腕を頭上に振りかぶるスポーツに多く発症するといわれています。

インピンジメントの種類は大きく分けて

  1. 肩峰(けんぽう)下インピンジメント
    (subacromial impingement)
  2. 烏口(うこう)下インピンジメント
    (subcoracoid impingement)
  3. インターナルインピンジメント
    (internal impingement)
  4. 前上方インピンジメント
    ( pulley lesion)

の4つに分けられます。

大きくインピンジメントの『起きる場所』で分けると

  • 関節ので起きる  
    肩峰下インピンジメント
    烏口下インピンジメント
  • 関節ので起きる
    インターナルインピンジメント(後上方インピンジメント)
    前上方インピンジメント(プーリーリージョン)

となりますので、このように4つあるものをざっくり分けてから理解を進めていただくとわかりやすいかもしれません。

インピンジメント症候群

ここからは具体的にみていきますが、まずは関節の外でおきる『肩インピンジメント症候群』からみていきましょう!

 

関節の外でおきる比較的有名な方のインピンジメント

  • 『肩峰下インピンジメント』
  • 『烏口下インピンジメント』

は、関節の外で挟み込み(インピンジメント)がおきます。

そのおきる背景はだいたい共通していますが、実際挟み込みのおきる場所に違いがあります。

インピンジメントの原因

挟み込み(インピンジメント)のおきる原因は、挙げるときりがないくらいあるようです。

それを大きく分けると、

  • 身体のつくりに問題がある(構造的な原因)
  • 身体のはたらきに問題がある(機能的な原因)

になります。順番に確認していきましょう!

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骨や筋肉など構造的な問題があるってことは画像で確認できるってこと

肩関節を作っている

  • 『鎖骨』
  • 『肩甲骨』
  • 『上腕骨』

などの骨自体の形が変わってしまっていることで腱板を挟み込みやすくなってしまう状態がまずあります。

肩まわり骨

それには、

  • 肩まわり(肩峰・肩鎖関節や大結節)の形状(変形や骨棘)
  • 烏口肩峰靱帯の肥厚
  • 肩峰下滑液包の石灰沈着や炎症

などがあります。

腱板を繰り返し挟み込み(インピンジメント)続けることで腱板が傷つき『炎症』を起こします。(腱板炎

それが更に続くことで、

  • 腱板の機能不全
  • 腱板が断裂

します。

すると、腱板が『腕の骨(上腕骨)』を肩関節に引き寄せていた力が失われます。それによって、『腕の骨(上腕骨)』が上の方にあがってしまいます。(上腕骨頭の上方化)

これが更に挟み込み(インピンジメント)させていくことになります。

インピンジメント症候群の図2

レントゲンやMRIなどではわからない機能的な問題

肩関節の正常な運動ができない何かしらの事情が起きたせいで、肩関節の狭い隙間が更にせまくなって挟み込み(インピンジメント)を起こす場合もあります。

  •  拘縮(こうしゅく)
    骨頭の運動が障害され肩関節の組織が固まってしまったせいで、腕の骨の動きがうまくできなくなってしまったことで起きます。
    特に肩の後下方の組織に起きやすいといわれています
  • 肩甲骨の動きが不足
    腕の骨連動している肩甲骨の動きがうまく作られないで腕だけで挙げてしまうかたちになってしまう

などがあります。

こうなると、『肩インピンジメント症候群』は、肩だけの問題だけじゃなくなって全身にまで及んでくる と言われる理由がわかります。

どのインピンジメントでも、『構造的』『機能的』な原因は同じようにあってそれがインピンジメントされる場所や状況が違うことで大きく4つに分けられます。

代表的な『肩峰下インピンジメント』から順番にみていきましょう!

肩峰下インピンジメント

肩甲骨にある『肩峰(けんぽう)』の下で起きる挟み込み(インピンジメント)を言います。

『腕の骨』には、『棘上筋(きょくじょうきん)』という筋肉が付いていて筋肉の付いているところが腕を挙げるとき、『肩峰』と『烏口突起(うこうとっき)』の間を通過します。

その部分でインピンジメント(圧迫やぶつかり・挟み込み)が起きます。

インピンジメント症候群の図

烏口下インピンジメント

これは、『肩峰下インピンジメント』ほど有名ではありませんが、 投球でいうとボールを放り投げきったとき(フォロースルー期:follow-through phase)の状態(肩関節 屈曲+内旋)に起きやすいと言われています。

投球動作

  • 『烏口突起の下』
  • 『腕の骨の出っ張り(小結節)』

の間で『肩甲下筋(けんこうかきん)腱』が挟み込まれる(インピンジメント)ことを言います。『烏口下滑液包(うこうかかつえきほう)』という潤滑させるための袋も関係あるといわれています。

 

関節の中でおきるインピンジメント

 関節の中でおきるインピンジメントには、

  • 前上方インピンジメント(プーリーリージョン)
  • 後上方インピンジメント(インターナルインピンジメント)

の二つがあるといわれています。『後上方インピンジメント』からみていきましょう!

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後方インピンジメント

投球動作など(腕を挙げて肩の関節を外に向かってねじる:肩関節 外転+外旋)は、

コッキング期1

『棘上筋(きょくじょうきん)』 『棘下筋(きょくかきん)』 などの『腱板』が肩関節内の受け皿(臼蓋の後方)側に乗り上げるかたちで傷つきます。

これが起きる原因は、

  • 腱板損傷・断裂
    肩の腱板が傷んでいたり、完全に断裂してしまっていたりする場合
  • 関節唇損傷
    上方関節唇損傷(SLAP損傷:superior labrum anterior and posterior lesion)など
  • 動揺肩(どうようかた)
    肩関節がゆるいといわれるものです。
  • 肩の前の軟部組織が傷んでいる

などさまざまで、投球動作で腕を振り上げたときに腕が後ろに行きすぎ(過外旋)ないように抑えきれないことで起きます。

ただ、この『過外旋』は、野球をしている人なら程度の差はあってもだいたい誰にでもみられます。

  1. 投球の後ろに振りかぶってから(コッキング期:cocking phase)
  2. 腕を前に投げていく(加速期:acceleration)

この間に『過外旋』が起きやすいです。

『インターナルインピンジメント(後方インピンジメント)』になる要因が『野球』の投球動作にはあると考えられます。

前上方インピンジメント

腕を挙げて内に捻る動きの時(肩関節 屈曲+内旋)に『肩甲下筋腱付着部』や『上腕二頭筋長頭腱』
が関節の前上縁に衝突する状態を言います。

 

インピンジメント症候群の診断

インピンジメント症候群は、『原因』や『症状』などがさまざまで

  • 痛みや症状がどのような動作でどこに出るのか?
  • 全身の筋力や柔軟性などの機能評価で問題はないか?
  • レントゲン・CT・MRIなどの画像で構造的な問題はあるのか?

などを総合的に判断することでやっと確定診断することになります。

それによって対処は変わることもありますが、基本的にはどのインピンジメントであったとしても、肩関節を中心とした全身のバランスを診ていくことになります。

他の『肩の疾患』についても知っておきたいと思われた方はこちらをご覧ください!

「肩・腕が痛い!」とき、知って安心の『肩の疾患』をまとめて紹介!

「野球やスポーツで肩が痛い!よくわかるインピンジメント症候群とは?」を最後までお読みいただきありがとうございます。

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6 Responses to “野球やスポーツで肩が痛い!よくわかるインピンジメント症候群とは?”

  1. たか より:

    質問なんですが、烏口下インピンジメントと前上方インピンジメントが両方とも、肩関節の屈曲、内旋となっているのですが、これの違いは関節の外と内で起こるかだけなのでしょうか?なぜ、肩関節の屈曲、内旋で肩関節の外と内両方とも受傷するのでしょうか?

    • tomokazu より:

      当サイトをご覧いただきありがとうございます

      おっしゃる通りインピンジメントの起こる場所が『関節内』なのか『関節外』で分類されているようです。
      肩関節の屈曲・内旋という同肢位と捉えられていますが、人体の動きはロボットと違って同じ屈曲・内旋と言ってもその2つの動きだけで作られてはいません。
      実際には、屈曲と内旋の角度の割合や、他の内転・外転の角度などは個人差があり、それによって負担がかかる場所も変わります。

      そのために損傷する場所が変わるということが当然起こりうる、と理解していただければよいと考えます。

  2. とし より:

    バドミントンでスマッシュやハイクリアー等のショットを打つ時に、右肩後ろ側に激痛が走ります。やり始めが特に痛くて、その後徐々に痛みは軽くなっていきます。ラケットを持って素振りする時は痛くありません。

    テークバック時に肘が肩よりやや後方に引かれ、腕を振り出しインパクトの瞬間に激痛が走ります。

    これもインビンジメント症候群なのでしょうか?

    • tomokazu より:

      当サイトをご覧いただきありがとうございます

      病態の推察には、検査等が必要になりますが、文面からは『インピンジメント症候群』の方で多くみられる症状の出方をされているのではないかと感じます。

  3. 嘉明 より:

    左肩腱板炎症と診断され二週間ノースローを言われました。
    4月から高校で初めて硬式を始めたので不安です。
    何かアドバイスをお願い致します。

    • tomokazu より:

      当サイトをご覧いただきありがとうございます

      その原因が、練習過多なのかフォームの問題が大きいのかなどによってやるべきことは少し変わるでしょうが、
      1、とにかく肩は安静、痛み・違和感のあることはしない
      2、肩甲骨・体幹など、肩の運動に関わるところの運動協調性をあげるためのトレーニング
      が原因がなんであれ、まずすべきことにあたると考えます。

      当サイトで紹介させていただいている肩の痛みに対する体操であれば今でもできると思いますのでやってみられてはいかがでしょうか?
      地味ですが、投手の方でも効果は非常によく出るものです。
      http://ne-stra.jp/1538.html

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