肩インピンジメント症候群の治療は筋トレやストレッチのセルフケアを
「肩関節インピンジメント症候群にどんな治療(リハビリ)をするの?」
「セルフケアで肩関節インピンジメント症候群を改善できる?」
スポーツをされている方が日常生活では何も問題ないのにスポーツをするときに痛みが出て思うようにパフォーマンスが発揮できないとお悩みです。
病院に行っても日常生活に支障がないことや特別なリハビリがないことからあまりきちんと診てもらえなかったり、リハビリできなかったりされることが多いです。
痛みはあってストレッチとは自分でしているけど良くならないのに、病院でも大したことしてもらえないと思われた方、『肩関節インピンジメント症候群』の治療で大切なことは
『いかにセルフケア(コンディショニング)できるか?』
にかかっているということをご存知でしょうか?
治療を受けることも大切ですが、
- 筋肉のバランス・柔軟性
- スポーツ動作のフォーム改善
など、自分でいろいろケアしていくことが治療で大切なところになります。他人任せではうまく良くなってくれません。
セルフケア方法については、調べればいろいろと紹介されていますがそれを読んで実践するだけでも効果がうまく出ません。
今回は、セルフケア方法の紹介とうまく効果を得るための実践のときのコツを紹介します。
ちょっとした意識が効果の出方を変えるストレッチから
まずは、肩まわりの組織を伸ばして柔軟性を養っていきます。今までやったことのあるものもあるかもしれませんが、それでもポイントをきちんと確認しながら初心にかえっておこなうことをお勧めします。
クロスボディストレッチ(Cross body stretch)
よくある『肩のストレッチ』というやつです。 これで、肩関節の後ろ側の組織をストレッチしていきます。
肩の後ろの筋肉をストレッチすることが目的ですが、ただ腕を引っ張る意識で行ってしまうと大きな動きの割にきちんと目的にしている筋肉が伸びてくれません。
肩甲骨が外側に向かって大きく動くことで、肩甲骨と背骨の間の筋肉が強く伸ばされますがここを伸ばすのは目的ではありません。
うまくストレッチするためのコツは、 『お互いの肩甲骨を内側に引き寄せ合う意識』 を持ちながらおこないます
腕を引っ張っている動きは小さくなって見た目上派手さはなくなりますが効果は逆に効果はしっかりでます。
目的としている肩関節の三角筋後部線維あたりにストレッチ感が感じられるようになるでしょう!
目標回数 20秒×2~3回
スリーパーストレッチ(Sleeper stretch )
これも肩の後ろ側の組織をストレッチする方法です。
プロレスとかでみる『スリーパーホールド』に動きが似ているところからこの名がついた、と勝手に推測しています
勢いよくやると肩関節が痛くなることもありますので優しく行いましょう。
目標回数 20秒×2~3回
棘下筋ストレッチ
手の甲を腰に当てます。このときの肩は約45°を目安にしましょう
反対の手で腕を後ろから前に引っ張るようにします。このとき背中が丸くならないように背筋をきちんと伸ばしておきます。
目標回数 20秒×2~3回
広背筋ストレッチ
広背筋を伸ばすのが主目的ですが、他にも縮んでいる胸(胸郭)や腹(側腹部)を広げる効果も期待できます。
それによって、呼吸がしやすくなったり、背筋が伸び姿勢がよくなったりします。
- まくらかクッションなどを用意します
- 伸ばしたい側と反対側の脇腹にクッションをあてて横に寝ます
- バンザイの状態から伸ばす側の手首をつかみ弓なりに反ります
リラックスしてストレッチができることが利点ですが『骨盤に付く筋肉の付き目がしっかり固定されていない』こと0で効果を減少させてしまいます。
効果をしっかり出すために座って行う方法を紹介します。
- 正座をします
- お尻を広背筋を伸ばす側にずらして『横座り』になります
- 両腕を天井に向け伸ばし、広背筋を伸ばす側の手首を反対の腕でつかみます
- 身体を弓なりに伸ばしたい筋肉と反対側に傾けていきます
しっかり骨盤が体重で固定されているので筋肉の伸びが得られやすいです。
目標回数 20秒×2~3回
小胸筋ストレッチ
腕の付け根から胸にかけての『小胸筋』をストレッチします。普段から肩のケアとして肩・首・背中などはストレッチしますが、小胸筋・大胸筋など胸の筋肉はあまりされませんが非常に重要な筋肉になります。
- 腕を肩の高さに挙げ肘を直角に曲げます
- 腕を壁や柱に当てて伸ばす側の足を一歩前に出します
- 身体を前進させるようにします
このようにするだけでも十分伸びますが、 目線や反対の腕の位置を工夫する方法や
手にクッションやまくらを持って行うと更にストレッチ効果が高まります。
目標回数 20秒×2~3回 スポンサーリンク
筋トレは地味なのをじっくり意識しておこなうこと
肩のインナーマッスルと呼ばれる筋肉群を中心にトレーニングしていきます。
『インナーマッスル(回旋筋腱板、ローテーターカフ)』とは、
- 棘上筋(きょくじょうきん)
- 棘下筋(きょくかきん)
- 小円筋(しょうえんきん)
- 肩甲下筋(けんこうかきん)
という肩の奥にある筋肉をまとめて言います。順番に各筋肉群を鍛える方法を紹介していきます。
棘上筋(supraspinatus)
鍛える筋肉は、下の写真にあるように肩甲骨から腕にかけてついている小さな筋肉ですが、肩の運動には大切な働きをしてくれている筋肉です。
- 横に30°、斜め前に30°ほどの位置に腕を挙げます
- 反対の腕で肘上あたりをつかみます
- 腕を更に上に挙げようとするのを引き止めるようにして抵抗を加えます
- 5秒間力を入れた状態を保ちます
目標回数 20回×2~3セット
棘下筋(infraspinatus)
- あおむけに寝ます
- タオルやクッションを頭の横に置きます
- 腕を肩の高さにし、肘は直角に曲げて腕をタオルの上に置きます
- タオルを潰すように床に向かって押します
- 5秒間力を入れた状態を保ちます
目標回数 20回×2~3セット
小円筋(teres minor )
- 腕を肩の高さの前に挙げ、肘を90°曲げます
- 反対の腕で手首の下あたりをつかみます
- こぶしを上に挙げようとするのを引き止めるようにして抵抗を加えます
- 5秒間力を入れた状態を保ちます
目標回数 20回×2~3セット スポンサーリンク
肩甲下筋 (subscapularis)
これは、肩甲骨の身体の内側についている筋肉でなかなかイメージしにくい筋肉ですがぼんやりとでもイメージしながらトレーニングしましょう。
- 腕を外側にねじり、肘と身体の間にタオルを挟み込みます
- 肘が身体に近づくようにタオルを潰していきます
- 5秒間力を入れた状態を保ちます
目標回数 20回×2~3セット
おわりに
『肩関節インピンジメント症候群』のリハビリでは、筋力と柔軟性のバランスをしっかりとることが重要になります。
そこで、目的となる筋肉をうまく伸ばしたり鍛えたりすることは簡単なようで意外とコツが必要です。
今回は筋トレを身の回りのものを使って簡単に使える方法を紹介しましたが、一般的にはゴムチューブなどを使って行います。
その方法を知りたい方はこちらをお読みください。
「肩のインナーマッスルの効果をしっかり出せるセラバンドでの鍛え方!」
肩まわりの筋肉バランスを整えることで改善効果を高めたいと思われた方は、こちらもあわせて実践していただければ効果が高まります。
「五十肩の治療は、痛くない安全な「ネストラ式」簡単体操で効果的に改善!」
無理はしないで痛みも極力避けて注意事項を確認の上実践してください。
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