『肩インピンジメント症候群』リハビリで診断・評価する徒手検査とは

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インピンジメントアイキャッチ「肩が痛みで病院に行ったらインピンジメント症候群って言われた」

「インピンジメント症候群の治療や評価ってどうされるの?」

など、肩関節のスポーツ障害で起こりやすいインピンジメント症候群の病態を把握するのはかなり難しいです。

『肩関節インピンジメント症候群』は、決まった原因で起きるわけではなく『四十肩』や『腱板損傷』のような日常生活に支障をきたすものではないものでなく、 

「野球でボールを投げるときだけ痛くて普段の生活は問題ないんです。」 

などのスポーツのときだけ症状がで出ることが多いです。

さらに、

  • いろいろな動きをして痛みや症状を確認する『理学検査』
  • レントゲン・MRI・CTなどの画像所見

など検査をしてもはっきりしにくいのが『インピンジメント症候群』の病態を把握することを難しくしています。

しっかり診ていくためにはひとつひとつの検査をきっちりしていくことが大切になりますので、今回はインピンジメント症候群を診断するにあたっての評価や徒手検査などについて紹介していきます。

 

話を聞いて、触ってみてその兆候がないかを確認するところから始める

インピンジメント症候群は、探偵がさがしものをしているかのようにひとつひとつの情報を集めて整理していくことが大切になってきます。

そこで、まずは話を聞く『問診』と身体を触っておかしいところがないか診る『触診』を確認します。

 問診

  • 肩が痛むのはどの場所なのか?
  • どの動作のときに起きるのか?
  • 日常生活への支障があるか?
  • どのくらいの頻度でおきるのか?
  • いつから起きているのか?
  • 今まで肩を傷めたことはないのか?
  • 練習量や内容に変化はあったのか?

などを詳しく聞いて状態を把握していきます。こういったことから、他の肩の痛みと違うかどうかなどをみていきます。

 触診

  • 肩を動かす時に「ゴリゴリ」するのを触っていて感じたりするか?
  • 特定の筋肉が固くなっていないか?
  • 押して痛みが強く出る場所はないか?
  • 肩の筋肉が痩せているところはないか?(特に棘下筋:きょくかきん)
  • 肩の高さ・内巻き
  • 後ろからみたとき肩甲骨が天使の羽のように浮き出ていたりしないか(winging)
  • 肩甲骨と背骨の距離(scapula spine distance)

実際にはこれらはセラピストなどが診ますがあれこれ診るポイントはあるんだということを知っておいていただければと思います。

肩関節の理学検査

肩関節にどのような問題が起きているかを特定の動きをして確認していく検査です。

ここで大切になってくるのは、

  • 肩関節がゆるいか?(動揺肩)
  • 肩関節が固まってしまっているか?(拘縮:こうしゅく)
  • インピンジメントが起きるか?
  • 肩甲骨の機能は正常に働いているか?

を特に検査する必要があります。では、順番に肩関節の検査方法を紹介していきます。

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肩がゆるいかを確かめる

肩関節がゆるいと、正常でない肩関節の動きが起きてインピンジメントを引き起こす原因になることがあります。

この『ゆるさ』って肩関節がぬけた(脱臼した)経験のある人などであれば自覚している人もいますが、案外自覚がない人がたくさんいらっしゃいますので、しっかり調べてみることで知ることができます。

肩関節がゆるいかどうかを確かめるための検査の中で特によくされるものを紹介します。

サルカス サイン(Sulcus sign)

  1. 腕を下ろした状態で手のひらが前に向くようにします(肩関節 外旋)肩検査4
  2. 検査者が、下方向に牽引するとき、 肩の付け根のライン(肩峰下)に『溝のような凹み(sulcus sign)』が出現すると陽性とします。

別名、外旋位引き下げテストと言います。

『内旋引き下げテスト』より、こちらのテストの方が肩関節は安定している状態でしています。
この状態で引き下げて窪みが出るようなら肩関節がゆるいと言えます。

『肩関節のゆるさ』について他のテスト法などを詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください

肩関節がゆるい人ってどんな人?動揺肩の原因や検査の方法を知ろう!

 

肩関節が固まっているかを確かめる

肩関節が固まっている(拘縮:こうしゅく)と、正常でない肩関節の動きが起きます。

「肩関節が固まっている」
というと、『四十肩』などでおきる肩の動きの固さを想像する方がいるかもしれませんがそんなわかりやすいものではありません。

インピンジメント症候群では、スポーツはできないことはないんだけど、関節の特定の動きだけ制限されてしまっているような状態を指します。

例)野球では『肩関節の内旋』という動きが制限されていることがその動きをしたときにやっとわかる程度あります。
それがインピンジメントを引き起こす原因になることがあります。

  • セカンドポジション(2nd position)での内旋肩検査13
    野球をしている人の多くが反対の『外旋』という動きが大きくなってこの『内旋』という動きがいかなくなってしまっています
  • サードポジション(3rd position)での内旋肩検査14
    こちらも同じく制限が起きていることが多いです。
  • 結帯(けったい)動作での内旋肩検査15
    帯を結ぶ動作に似ていることからこのように表現される動きになります。
    他の動きと同じく『内旋』の動きと、肩甲骨の『下方回旋』の動きも悪くなっているため、制限が出やすくなります

これらは、 必ず反対の肩の動き(可動域)と比較することを忘れずに診ましょう!

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肩のインピンジメントが起きるか確かめる

インピンジメントをスポーツ動作の中で詳しく調べることは難しいので、一時的にインピンジメントしそうな肩関節の動きを作ってインピンジメントをおこすかどうか確認しようというものです。

スポーツをしない中年以降の一般の肩関節の固い人は、これをするときインピンジメントと関係なく痛みがでることもあります。

ニアー インピンジメント テスト(Neer’s impingement test)

簡単に検査できることから、よく使われる検査法です。

  1. 検査者が肩甲骨を上から圧迫します。
    肩の痛みテスト4まとめ-二アー1
  2. 手のひらを下に向けた状態(肩関節 内旋)で、腕を挙げます。
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  3. 肩に痛みが出れば陽性とします。

陽性:肩関節インピンジメント症候群

ホーキンス インピンジメント サイン(Hawkins’s impingement sign)

  1. 腕を前に挙げ、肘を90°曲げます。
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  2. 検査者が手が下に下がるように動かすと(肩関節 内旋)
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  3. 肩に痛みが出ると陽性とします。

陽性:肩関節インピンジメント症候群

肩まわりの評価はできました。 後半は、

  • 『肩甲骨』の機能の評価
  • 『身体』機能の評価

などを行っていきます。

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