四十肩(五十肩)とは?原因や症状など基本から治る過程や期間まで

お気に入り記事登録

四十肩とはアイキャッチ「四十肩は治療しなくてほっといても治るってまわりに言われるけど本当ですか?」

「利き腕はよく使う分四十肩になりやすいんですよね?」

「四十肩と五十肩の違いって痛めた時の年齢の差?」

など、ケガではなくて肩が痛くなって動かしにくくなったときに『四十肩(五十肩)』を連想する人が結構いらっしゃるようです。

名前はよく知られている『四十肩(五十肩)』ですけど、何が原因で起こっているのか?どうやって治っていくのか?などよくわからないことが多いのではないでしょうか?

今回は『四十肩(五十肩)』をわかりやすく紹介していきたいと思います。

 

四十肩と五十肩って言い方が違うだけ?

世間では『四十肩・五十肩』どちらの言い方もされます。一般的にはその傷めた人の年齢の近い方の言い方を使っているようです。

実際に『五十肩(frozen shoulder,adhesivecapsulitis)』とは、 

『40歳代以降に好発し、”肩の痛み”や”腕が挙がらない”などの症状が起きる、はっきりとした原因のない症候群、四十肩とも言う』

と定義されているようです。

その言葉は日本では古く、『俚諺集覧(りげんしゅうらん)』(1797年:寛政9年、太田全斎著。国語辞典)の中にすでに出てきて
俚諺集覧
『凡、人五十歳ばかりのとき、手腕骨節痛むことあり、程過ぐれば薬せずして愈るものなり、俗にこれを五十腕とも五十肩ともいふ。又長命病といふ。』

と記され、古くから言われている俗称です。

このような文献(医学書や専門書)で言われるのは四十肩の方ではなく『五十肩』の方を使いますので比較的な正式なのは五十肩なのかもしれません。

ただし、一般の方は、五十肩より『四十肩』の方がよく使われてネット検索の結果が多いのも『四十肩』なので知名度は四十肩の方が高いかもしれませんが、言っている意味はまったく同じことですのでどちらを使ってもかまわないでしょう。

 

肩の痛みはかなり多くの方が悩んでいる

『厚生労働省の国民生活基礎調査』によると、腰痛 ・肩こり が上位2位にあがってきます。

%e8%82%a9%e3%81%93%e3%82%8a%e7%b5%b1%e8%a8%8825%e5%b9%b4_%e5%a5%b3%e6%80%a7%ef%bc%92
こちらの表は女性の統計ですが、男性の場合も順位はあまり変わりません。

ところが、別の40歳以上に限って身体の痛みについて調査した結果では、

  • 腰痛(31.5%)
  • 膝痛(24.7%)
  • 肩痛(16.7%)

と3番目に多い結果でした。

こうなったのは、

  • 『肩こり』は生活しにくくはなりますが、腰痛や肩の痛みは生活動作(立ったり、座ったり、洗濯ものを干したり、重い荷物を持ったり)に支障をきたしやすい。
  • 『肩痛』は40歳以上の方に多く出てくること

でこのような順位になったんでしょう。

個人的には全部経験したことがありますがどれもつらいものですが肩の方が直接的な不便を感じやすいように思います。

  • 膝痛
    生活の間”まんべんなく”というか”ずーっと”
    「痛いなぁ、動きにくいなぁ・・」
    と不便や痛みを感じます。
  • 肩痛
    ものを取ろうとしたり、髪の毛をセットするときなど生活のポイントポイントで
    「痛っ、痛っ!」
    と鋭い痛みがやってきます。

四十肩とは1

スポンサーリンク

 

五十肩はほんとうに50歳に起こりやすいのか?

名前に年齢がつくことから起きやすいも同じような年齢だと考えてもよいと思います。
30歳代ではほぼそのような方はいませんが、 40歳代から急にそのような方が多くなって60歳代でピークを迎えそれ以降の年齢では減少していきます。

膝痛・腰痛は、歳を重ねるにしたがってどんどん増えていくものですが、『肩痛』は減る傾向がみられます。

歳を重ねていくにしたがって、肩を大きく動かすことは減りますが膝や腰は、歩いたり・屈んだり・炊事・掃除など、ほんとに生活の基本動作で使わざるを得ないので痛みをを感じる機会が変わらないためではないかと考えています。

 

男女でなりやすさに差は?

全体的に女性の方が多いと言われています。実際、接する患者さんの割合の印象では圧倒的に女性が多いです。

 

よく使う利き手がなりやすいと思いますが・・

「四十肩(五十肩)は、使い傷みが原因で起きているんだから間違いなく利き手に起きるでしょ?」

と思われるかもしれませんが実際は 利き手と逆側、右利きに多い人のは左肩に多いです。

実際の患者さんとの話では利き手が四十肩になると

「確かによく使っているからなぁ」

なんてすぐに納得されますが、利き手と逆の場合は

「あんまり使っていないのになぜなるのかなぁ」

と首をかしげる方が多いです。ここは思っていることと違うんです。

基本的には片側の肩におこりますが2割くらいの方は両肩に起こります。これは 糖尿病のような内科疾患(全身性の疾患)患者さんには起こりやすくなります。

 

どんな仕事の人がなりやすい?

「よく使っているところが傷むだろう」

実際、日々重いものを運んだりしていた肉体労働の仕事をされていた方の背骨のレントゲンをみると、あちこちに傷み(変形)が出ていたりします。

同じように四十肩(五十肩)の方はどうかというとまったく逆です。

『肉体労働者(身体をよく使う仕事)』より
デスクワーク(事務・VDT作業( パソコン作業やそれに似た作業)など)』
の方が『四十肩(五十肩)』になりやすいです。

このことから

  • 普段使わない『利き手と逆側の肩』に起こりやすく
  •  肩を含めた身体をたくさん動かさない仕事に起きやすい
  • 肩関節の柔軟性の低い人に起きやすい

ことからも四十肩(五十肩)は、一般的な酷使をして関節を傷めるケースとは違って、肩をあまり使わないことが原因になっているんだろうなと推測しています。

よって四十肩(五十肩)になりたくない方は

  • 普段から運動をすること
  • 肩まわりを大きく動かすような体操・ストレッチをすること

が非常に有効なのがわかります。

スポンサーリンク

 

2年もすれば勝手に治るって聞いたけど

「放っておいたら治る」と一般的には言われ、医療現場でも「2年以内に症状がよくなる」と言われています。

実際、2年以上の長期間の調査をした報告によれば、
「40~50%が程度に差はあれど何かしらの症状(運動制限・痛み)などが残っている」
と言われています。

ここから考えると

  • 寝ようとしても疼いて寝られない
  • 痛みで目が覚め、起きて動かさなくても鈍い痛みを感じていた
  • どう動かしても激痛だった
  • 腕が全く挙げられなくて、服を着る(上着を羽織る、ブラジャーを着ける)にも髪をセットするにも苦労した

など、最初感じた症状が強烈で日常生活の支障も多く困って記憶が強くあるものです。

それが、だいたい2年も経てば痛みや運動制限が残ってはいても日常生活は問題なく過ごすことができるようになっていきます。

そうなったら、人に話すときには
「治った」
という表現になって、そこから一般には
「放っておけば治る」
というイメージとになったのではないかと考えます。

 

どのように治っていくの?その経過は

四十肩(五十肩)は、最初はじっとしていても痛みますし、特に最初に辛いのが『夜間痛』という

  • 寝ているときにジンジン疼いたり
  • 突然の痛みで目が覚めたり
  • 寝返りをするたびにするたびに痛かったり

眠りを邪魔する激痛に襲われます。

夜間痛は四十肩(五十肩)の特徴でもあってしかも最大のつらさで、

  • 夜間痛で毎日が眠れず辛い
  • ほっといて治ると思っていたけど痛みが(1~2か月)長引いている

が病院に来られる方の動機として多いです。

それもだいたい1か月程度まででましになってきます。

その後は、
「じっとしていたら痛くないけど肩を動かすときに痛い」
という風に痛みが変わってきます。

最初はどう動かしても痛いのですが、徐々にそれはましになっていきます。 その肩の動きのよくなる順番がおおよそ決まっています。

それを知っておけば自分がどのくらい良くなっているのかを確認することができます。

ゴールのみえない山登りと、自分の位置とゴールへの距離がおおよそわかる山登りならどちらが楽か想像していただければわかりますよね?

では、いったん悪くなった肩がどのようによくなっていくかみていきましょう!

当サイトの記事をお読みいただきありがとうございます。
お身体に関するお悩み解消にお役に立てる情報が提供できていますと幸いです。

「自分の身体について直接相談したい」
「実際に自分にあったエクササイズを指導してほしい」
と思われた方は、こちらで直接診せていただくこともできます。

momentum 姿勢バランス研究所

お問合せお待ちしております

固定ページ: 1 2

    

10 Responses to “四十肩(五十肩)とは?原因や症状など基本から治る過程や期間まで”

  1. 母の子 より:

    母が今相当辛そうなので、是非色々と教えてあげようと思います。

    • tomokazu より:

      当サイトをごらんいただきましてありがとうございます。

      是非教えてあげてください。
      お母さんも心配されるお子さんの気持ちをうれしく思われることでしょう!
      そして、自分がどういう状況かわかるだけでも不安が減って気持ちが楽になります。

      もし、体操をする気持ちの余裕があるようであれば当サイトで紹介している体操を実践してみてください。

      夜間痛がない時期くらいから痛みが出ないように注意しながらやれば始められますし、うまくいけばかなり症状は改善します。

  2. 初子 より:

    52歳です
    2週間前から両肩が痛み 右肩前の方が痛みひどいです
    左肩も痛みますが 右ほどではありません
    可動域は痛いながらも動かせますが 肩を回すと ゴリゴリ音がします(不気味です)
    夜傷みで起きることもないです
    ただ いっぺんに両肩が痛くなったので 辛いです
    動かさずに安静が良いのか
    痛くても動かして運動した方が良いのか 悩んでいます
    どうが ご教授願います

    腰痛もあります
    肩痛に関して病院には行っていません

    • tomokazu より:

      当サイトをご覧いただきありがとうございます。

      2週間経っていて『夜間痛』がなく、肩も動かせなくはないということであれば、運動はしていただけると考えます。

      ただし、挙げたら痛い肩を挙げるのではなく、痛くない動きからコツコツ始めていくのが大切です。

      http://ne-stra.jp/1538.html

      ただ、両肩が痛いのでこちらをされる前に、腰痛もお持ちなので

      http://ne-stra.jp/2730.html/2

      の体操をやってみてください。
      脊柱管狭窄症でなくても一般的な腰痛・肩の痛みでも使える種目になっています。

  3. としばあちゃん より:

    2015年12月初旬に肩を骨折してプレート手術をしました。
    年末頃には雑巾リハビリで90度近くまで動く様になっていましたがその頃から肩の中で90度で違和感があり
    110度位で同じように違和感を感じる様になって
    その頃から24時間の痛みが増して夜は痛みで寝られない日々が3ヶ月

    その間ドクターには訴えましたが鎮痛剤とレントゲンのみ

    痛みが増してから流石におかしいと気が付いたみたいで
    それも私がMRIで見てほしいとお願いしました。

    因みに年明けに症状を訴え2月も訴え3ヶ月後も痛みが治まらないので薬を替えてようやく痛みは楽になって3ヶ月めに寝られました。
    MRIで検査で
    腱ばん損傷がありましたが
    痛みに堪えてふりこ運動やPTのリハビリなどさんざん動かして現在に至っしまったので
    PTは今さらだからこのまま同じようにしていくしかない。

    痛み止めで動かせる様になり今は150度ほど上がり横は90度を越える様になりましたが肩の中でゴリポリゴリポリと音と違和感ごあります。
    気にしないでも良いのか悩んでいます。
    歳は67歳でジムに通い運動大好きおばあちゃんでした。
    でも こちらで様子がわかり良かったです。
    ありがたいです。

    • tomokazu より:

      当サイトをごらんいただきありがとうございます。

      個人的にはそこまで痛みに悩まされたり苦労はされたと思いますが、手術をされてそこまで可動域が回復されているのであればまず日常生活の不便がだいぶましになられているでしょうしひとまず評価できる状態になられているのではないでしょうか?
      そして、当サイトが不安解消のお役に立てたようでうれしく思います。

  4. 匿名 より:

    43歳‥ 腕は上がるのに背中に手が回りません。下着のホックが出来ないので娘や旦那にお願いしています。

    旦那には運動不足と言われます。

    • tomokazu より:

      当サイトをご覧いただきありがとうございます

      今までできていてそれができなくなっているということだと思いますが
      ・できなくなる前に肩が痛くなったようなことがあった
      ・反対側の手はまわるけど片側だけまわらない
      などであれば運動不足よりは四十肩などを考えるべきではないかと思います。

  5. mai より:

    37歳です。
    先月から左肩が痛くなり、四十肩になってしまったかと、ショックを受けていました。しかし、昨日から右肩も痛くなりました。左肩より相当痛みはあります。知識が無いので心配になり色々調べていた際に、こちらのサイトに出会いました。
    状態にあわせた色々な運動法がある事を知り、早速試してみました。
    毎日続けて少しでも早く改善するようにしたいと思います。
    こんなに痛くてどうしようと不安でいっぱいでしたが、希望を持つことができました。ありがとうございました。

    • tomokazu より:

      当サイトをご覧いただきありがとうございます

      痛いのを無理してもよくありませんし、即時の効果を期待するのもよくありません

      ただ、コツコツすれば効果は出てくるものですので焦らず取り組んで下さい

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ