痛めた覚えはないのに腕や肩の前側が痛いのは腱の炎症が原因かも!?

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肩関節に何かしら問題を抱えている方で
「肩の前(腕の前側)が痛い」
と多くの方がおっしゃられます。

肩を捻ったりぶつけたりはっきりとした原因があることは少なくて、いつの間にか動かす時に違和感が出てきて、それがどんどんひどくなってきたというような痛みの出方をするケースが多いです。

この肩の前が痛くなる原因には、五十肩(四十肩)、肩関節周囲炎や腱板損傷などがあって肩の前のところに炎症が起こっていることがよくあります。

それらの病態と一緒に起こってしまいがちなものに『上腕二頭筋長頭腱炎』という力こぶの筋肉の腱が肩の前を通るところで炎症が起こっているものがあります。

そこで、今回はこの『上腕二頭筋長頭腱炎』について

  • なぜそんなに肩の前は傷めやすいのか?
  • 自分の肩に上腕二頭筋長頭腱炎が起こっているか調べる方法は?
  • 傷めたときにどのように対処したらいいのか?

などをわかりやすく紹介していきたいと思います。 

 

上腕二頭筋長頭腱炎とは力こぶを作る筋肉の炎症

『上腕二頭筋長頭腱炎』は、肘を曲げたときのいわゆる『力こぶ』の筋肉に炎症が起こっている状態を言います。

物を持ち挙げたりするときに使う上腕二頭筋は、肘を曲げる動きを作る筋肉ですが、肩甲骨から腕についている筋肉なので『肩関節を動かすサポート』の作用もあります。

この筋肉は、力こぶのところから肩関節に向かって上がっていくと細いすじ(腱)になって滑車のように腕の骨の溝に引っかかって肩甲骨までいきます。

この滑車っぽくなっている部分はカーブを作っているため、細い筋が擦れるストレスを受けやすい弱い部分で、負担を受けるとすぐに傷んで炎症を起こしてしまいます。

年配の方であれば、加齢に伴って弱くなってしまった腱がいつの間にか切れてしまっていることもあるくらい構造的に弱いところなのです。 

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肩の前の痛みで上腕二頭筋長頭腱炎が起こっているかどうか自分で調べる検査方法

肩の前が痛い場合には、おおよそ起こっていると思ってもいい上腕二頭筋長頭腱炎ですが、本当に起こっているのかをチェックする方法を紹介していきます。

基本は、検査者の人にやってもらうものですが、自分でやれなくはありませんので一人でチェックできるようにアレンジしております。

1.痛みの場所を確認する

肩の前が痛い場合には、ほとんどの場合ここが痛いとおっしゃっていると考えて間違いありませんが念のため場所を確認します。

少し近くて痛みが出ることのある場所に

  • 少し肩の外側
  • 肩の前だけと内側、胸寄り

がありますので、そこではなく、いわゆる肩のど真ん中のところかどうか確認しておきましょう。 

2.スピードテスト( Speed test )

手のひらを上に向けた状態で腕を前に出します。

そこから反対の手で下に押し下げる力を入れてその腕が落ちないようにします。

これで、肩の前に痛みが出たら陽性とします。 

3.ヤーガソンテスト(Yergason test)

腕をピタッと身体にくっつけて肘を曲げて小さく前にならえのポーズをとります。

反対の手で手をつかんでおいて手のひらを天井向けるように動かすのにあわせてそれを邪魔する力をいれます。

これで、肩の前に痛みが出たら陽性とします。

比較的ヤーガソンテストの方が、陽性が出にくいですが、両方やってみて痛みが出るようなら上腕二頭筋長頭腱炎だと思っていいでしょう。 

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上腕二頭筋長頭腱炎に対する治療やセルフケアのポイント

上腕二頭筋長頭腱炎だったとして、治療は基本的に特別なことはしません。

病院であれば、安静を指示するか痛み止めや湿布を処方する程度でおかれることでしょう。

そして、肩に負担がかからないように安静に過ごすのを基本とします。

セルフケアをするときのポイントについては

  • 肩関節がスムースに動かせる筋肉バランスにする 
    肩関節に負担がかかる状態から少しでもまわりの筋肉のバランスをとって負担を減らすようにすること
  • 特に肩甲骨の動きを改善できるようにする 
    上腕二頭筋が肩甲骨に付着していることからも肩甲骨の状態・動きを改善できるようにアプローチすると効果が出やすい

を意識して行うとよいでしょう。 

肩関節の負担を減らすような体操などセルフケアをしたいと思われた方はこちらをお読みください。

肩痛は、痛くない安全な「ネストラ式」簡単体操で効果的に改善!

 

上腕二頭筋長頭腱炎と診断されることはなくても他の疾患とセットで起こっている

今回は紹介しました『上腕二頭筋長頭腱炎』は、診断されることはあまりありませんが、他に肩の前が痛いと言って病院を受診したときに診断されがちな

  • 五十肩(四十肩)
  • 肩関節周囲炎
  • 腱板損傷

などの診断名であっても、上腕二頭筋長頭腱炎が一緒に起こっていてより肩が痛くなっているようなこともありますので、病名は違うけどな・・って思った方も自分に当てはまるかみて対処していただければと思います。 

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