腰椎すべり症の腰痛症状を改善し、腰の安定性を高める運動療法とは
「腰椎すべり症の運動療法を知ってやってみたい」
「腰椎すべり症と診断されたけどたいした治療をしてもらっていない」
という方、腰の骨がずれていると診断されて腰痛もあるのは早くなんとかしたいと思わていることでしょう。
実際にすべり症と診断された方の中には症状が腰痛しかなくて、病院では
「腹筋とか鍛えて腰をしっかり支えられるようにしましょうね」
とかアドバイスされる程度でたいした治療をしてもらえないままの方がたくさんいらっしゃいます。
腰椎すべり症の治療として運動療法は大切ですが、きちんと指導を受けることがない方が多いのが現状です。
そこで、今回はおうちでもすぐ始められる腰椎すべり症のリハビリとしての体操を紹介していきたいと思います。
腰椎すべり症の病態を確認しておきたいと思われた方はこちらをお読みください。
「『腰椎すべり症』とは?原因や症状を知り、適切なリハビリで症状改善!」
腰椎すべり症治療に大切な運動療法の役割
腰椎すべり症の治療は、日常生活に支障をきたすような強い症状でない場合は基本的にはその起こっている症状を和らげる『対症療法』が中心になります。
それとあわせて、腰の骨を支えるシステムが壊れてますので、腰の安定感が悪くなっていますので、腹筋・背筋などの強化なのでサポートするような『固定療法や運動療法』が大切になってきます。
対症療法には
- 薬物療法
痛み止めの飲み薬などで痛みや神経痛などを和らげることを目的に服用していきます。 - ブロック注射
痛みや炎症を鎮めることを目的に注射を行います。 - 物理療法
電気治療や牽引治療など、腰まわりの循環改善や筋肉のリラクゼーションなどを目的におこないます - 手技療法
マッサージやストレッチ・マニュピレーションなどがおこなわれます
などがあって、それぞれを行って症状を改善させていきます。そして、弱くなっている腰まわりをサポートするものとして
- 固定療法
コルセットや装具を着けて、腰を支え負担を減らしていきます - 運動療法
腹筋・背筋を鍛えて腰まわりをサポートさせたり、運動によって体力を養ったり循環改善を促したりします。
があり、特にご自身の努力で改善が見込める『運動療法』になる体操を紹介していきます。
運動療法で腰に負担がかかりにくい身体づくりを
腰椎すべり症では、腰痛の症状に悩まされている方が多いですが中には、
- 間歇性跛行(かんけつせいはこう)
歩いていると痛みやしびれで歩けなくなって、少し座って休んだりするとあた歩けるようになる - 下肢痛
足がしびれたり、痛みが出たりするいわゆる神経痛
などの神経の障害によって、動くのが億劫になってしまう方が多いです。
それを無理やり我慢して運動をしないといけない!とまではありませんが、筋力が落ちるのは症状の悪化につながる心配がありますのでできる範囲の運動はしていただきたいです。
少しでも症状改善に役立つ運動をしたいと思われた方にリハビリとして家でもできる簡単な 『腰椎すべり症に対する運動療法』 を紹介していきます。
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『腰椎すべり症』に対する運動療法
運動療法の目的には、
- 前にすべった腰の骨を支える腹筋(腹圧)を強化する
- 腰の骨がすべることで起きる『腰椎前彎』改善させる
ことがあります。そのために自分でできるエクササイズを紹介します。
1、ドローイン
まずは、腹筋を鍛えます。
腹筋と一口に言っても
- 腹直筋
- 外腹斜筋
- 内腹斜筋
- 腹横筋
- 腸腰筋(深部腹筋群と言われることもある)
とあります。このうち『ローカルマッスル』と呼ばれる『腹横筋』を中心に鍛えます。
ローカルマッスルは、
- 体幹を安定させる
- 運動をするときに先行収縮して運動の準備をする
いわゆる身体を支える『縁の下の力持ち』さんです。ドローインについてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
「お腹を凹ませるドローインはダイエットや腰痛改善に効果絶大!」
- 仰向けで膝を三角に立てます。
- 両手をおなかの上に乗せます。
- 背伸びをするように上に伸びながらおなかを凹ませます。
- 乗せた手は押さえつけるのではなく、お腹が凹んでいることを確認します。
目標回数 5秒×10回 3~5セット
2、ドローイン+ペルビックカール
ドローインができてきましたら次に、『腰の反り(腰椎 前彎)』をとるために次の動きを練習します。
- ドローインをします。
- お尻と足の付け根あたりを天井方向に少し持ち上げます。
- さらにおなかを凹ませ、腰骨全体をぴったり床にくっつけます。
- もう一度背伸びをします。
慣れた人は、『ドローイン+ペルビックカール』からはじめていただいても結構です。
目標回数 5秒×10回 3~5セット
3、アッパーバックエクステンション
『腰が反っている(腰椎 前彎)』状態をより強くしている要因に、 『背中の丸み(猫背)』 があります。
一見関係なさそうにみえる『猫背』を改善することで、『腰の反り』を解消していく体操を紹介します。
- 丸みのあるクッションや枕、バスタオルをくるんだもの(あればストレッチポール)を用意します。
- 自分の背中の一番丸いところにあてるようにして仰向きで寝ます。
このとき膝は必ず三角に立てておいてください
- この状態で『2、ドローイン+後傾』をします。
アレンジとして『バンザイ』をしていただくと効果が高まります。
しかし、慣れていない場合、逆に『腰が反って』しまい逆効果になることもありますので注意して行うようにしましょう!
目標回数 30秒×3~5回
4、アブドミナルアーチ
次はうつぶせになって行う体操です。 この体操は、強度と難度が少し高くなりますので注意して行ってください。
- 『腹横筋』による腹部圧迫の更なるトレーニング
- 背筋の強化で『猫背』を改善
という目的で行います。
- うつぶせになります
- ドローインを行います。
すると、床についていたお腹が持ち上げられて隙間が空いてきます。 - みぞおちを床につけ、腕・頭を床から浮かせます。
目標回数 5秒×10回 1~2セット スポンサーリンク
5、腸腰筋ストレッチ+後傾
『腰が反る』状態に関係する筋肉に 『腸腰筋(ちょうようきん)』 があります。この筋肉を効率良くストレッチすることで『反り腰』を改善させましょう!
- 膝立ちになります。
- 片足を前に出します。
- 背伸びをします。
- 骨盤を後傾させます。
- 後ろ側の足の付け根の前の筋肉が伸びていることを確認します。
目標回数 20~30秒×2~4回
これも慣れるまでは結構、筋力・体力が必要です。 そこで、寝ながら行う方法も紹介します。
ベッドか、それに替わる段差が必要になりますのである方はその場所を活用してください。
- ベッドの端に寝ます。
- 反対の膝を両手で抱え込みます。
- 足をベッドから垂らします。
反対の足を抱え込まず伸ばしたまま行う人が多いですが、これはしてはいけません。
腰が反ってしまい、せっかくの体操なのに後で 「腰が痛い・・」 とならないように注意しておこなってください。
目標回数 30秒×2~4回
おわりに
『腰椎変性すべり症』は、すべっているだけで問題というわけではありません。すべってずれたことで神経などにストレスを与えてしまうことで問題が起こります。
すべっている状態はいくら運動療法をしても変えられませんが、神経へのストレスを軽減できるような腰まわりの安定性を養ったりすることは可能です。
放っておくと、筋力は落ちてより支えがなくなることで症状がひどくなることはあっても、良くなってくれることはなかなか期待できません。
ご自身の『生活の質(QOL:quality of life)』を下げないようにするための有効なリハビリとして『運動療法』は外せません。
症状が辛いときに気が進まないかもしれませんが、ひとつでもふたつでも構いませんのでご自分のペースでできるところから何か運動を始めてみられることをお勧めします。
お身体に関するお悩み解消にお役に立てる情報が提供できていますと幸いです。
「自分の身体について直接相談したい」
「実際に自分にあったエクササイズを指導してほしい」
と思われた方は、こちらで直接診せていただくこともできます。
お問合せお待ちしております
腰椎すべり症と、股関節痛があります。運動(ジムや、長時間のダンス)しているときは、ほとんど痛みはありません。座ったあと痛くなります。
ただ、電車や、食事中の座った姿勢では痛くならないのです。会社で、パソコンに向かった(10分以上)あとに立ち上がったときも痛く、そのあと痛みが1時間くらい続きます。パソコンに向かうときにだけ、ベルトやコルセットを着用したいと考えています。どのような、コルセットが適当でしょうか。ご助言をくださると助かります。
当サイトをご覧いただきありがとうございます
運動後やパソコン後には痛みがあるけど、電車などで座っているときは大丈夫だとのことですがその痛みは股関節なのか腰なのかがわかりませんが、コルセットを着用されるのであれば一般的なタイプ(タイプが多少変わっても効果にはさほど差はみられないでしょう)でよいと考えます。