あなたのストレートネックは本当は自分で治せる『もどき』かも!?
最近、首こりや肩こりの方と話していると必ずといっていいほど
「私の肩こりの原因はストレートネックだからって言われた」
というような話があります。
その『ストレートネック』だとご自分で言われていた人は
- 病院のお医者さん
- 街の治療院のセラピスト
- その方のお友達
など様々な人の口からそうだと言われたようです。
実際に 『ストレートネック=まっすぐな首』 の方は、
「骨の問題だから治らないんじゃないの?」
と不安になられるかもしれませんが、そんなことはありません。
ほとんどの場合はただそういわれているだけで改善可能な『もどき』の状態で適切に対処していくことで自分でストレートネックやそれに伴う症状を治すことは可能です。
今回は、ストレートネックの原因や症状などから自分で治す方法までを紹介していきます。
ストレートネックとはどんな状態?
首の骨は、7つあってそれが積み木のように重なっています。その上に頭がバランスよく乗っている状態です。
この首の骨は横からみると、まっすぐ積み重なっているわけではなくて 『前に向かってCの字にカーブを描いている』 のが普通です。
このカーブは背骨全体でみると、前に後ろにクネクネカーブをしていますが、
これがあることで
- 身体を曲げたり伸ばしたり、捻ったりなどのいろいろな動きができる
- バネのように重力による負担を吸収している
などなくてはなりません。
このカーブが少なくなって、棒状に近づいてしまう状態を 『ストレートネック』 と言います。
このストレートネックになってしまうと
- 首の動きが悪くなる
- 衝撃をそのまま受けて負担を受けてしまう
などが起こってしまい、それによる
- 首こり・肩こり
- 頭痛・神経痛
- 自律神経バランスの乱れ
など、様々な身体の問題を引き起こしてしまいます。
ほとんどの人はストレートネックもどき?
このストレートネックですが、大きく分けて
- 生まれ持った骨格の個性によってある
脊柱のカーブが全体的に少なく、横からみたときにも棒のようにまっすぐなっている(棒状姿勢)方などです - 姿勢の乱れや加齢にあわせて起こる
生まれ持った骨格などの個性で起こったものではなく、もともとカーブはあったのに生活習慣の乱れなどで首に負担をかけ続けることで、カーブが徐々に失われていった結果としてある方
があります。成人以降に肩こりがひどくなってきてストレートネックと言われた人のほとんどがこの後者の『ストレートネックもどき』にあたります。
まわりの筋肉のバランスを整えることでそれらの症状は十分に改善していくことができます。
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首の下にクッションや枕を挟んで寝てはいけない!?
ストレートネックだと言われた方は
「首の骨のカーブが少なくなっているんだから、そのカーブを作るようにしたらいいんだ」
と思って、寝るときに首の後ろにクッションを入れたりして無理やりカーブを作ろうとされるかもしれません。
それでうまいこと症状が軽減する方はいいのですが、
「首の下に物を入れたら寝苦しいから続けられない・・」
など、うまくいかない方がたくさんいらっしゃいます。
それは、 『首の骨がまっすぐになる負担の原因のところにきちんとアプローチできていない』 からでしょう。
そういう方は、首の下にものを入れることについては
- 他のアプローチと並行しておこなう
- 他のアプローチから先にして、後々におこなう
などのひと工夫が必要となりますのであまり首の下にクッションをいれることだけにこだわらなくていいでしょう。
猫背を解消してからすこしずつしましょう
『ストレートネック』の方は、首のカーブだけ気になって仕方ないかもしれません。
しかし、首のカーブに問題があるということは 『直接つながっている背骨全体に問題がある』 ということです。
そこで、『ストレートネック』を根本的に解消しようとおもった場合には、少なくとも
『首に最も近い背中、猫背の問題』
を先にか同時にかアプローチすることが大切です。
『ストレートネック』の方であれば、自分が気になっている猫背のことを言われて今ドキッとされたのではありませんか?
そこをきちっと解消していくことが基本になります。
自分でできる猫背や猫背による肩こり・首こりなどを解消する方法についてまずは肩・首まわりの筋肉を簡単にゆるめてほぐすためにはこちら
「なで肩タイプの胸郭出口症候群の肩こりを自分で改善する方法とは」
猫背やそれに伴う背中のこりを体操でしっかりほぐすためにはこちら
「背中のこりの正しいほぐし方!頑固な肩こり・猫背も一緒に解消!!」
をお読みください。
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ストレートネックを解消するための体操
では、順番に実際の体操を行っていきましょう!
どんな体操でも言えることですが、 『無理をせず痛みや違和感のないように行っていく』 ことをしっかり確認しながら行ってください。
というのも、首まわりは他の部分に比べてよりデリケートな部分なので乱暴におこなったり、やり過ぎたりするとせっかくの体操が台無しになります。
そのようなことがないように優しくおこなっていただければと思います。
1.チンタック(仰向け段差)
『ストレートネックもどき』の方にほぼ共通していることは、
『頭が前に出ている』
ということです。
この前に出ている頭を下げていきたいのですが、いきなり最初から
- 顎を引いたり
- 頭を無理に下げようとしたり
しても、首まわりの筋肉のコリが邪魔してうまくいきませんし、余計な力みが出てしまいます。
そこで、今回紹介するような寝ながら少しずつ練習する方法を紹介しますのでこちらから実践していってください。
- タオルや雑誌で厚みを作った上に仰向けで寝ます。
タオルの縁が首と頭のつなぎ目に来るようにしてください。
位置があまりわからない方は、自分が思ったより少し下の位置から練習すると安全です。 - 膝を三角に立てて、お腹に手を乗せておきましょう。
- お腹を凹ませて、背筋を頭の上方向に伸びながらタオルの縁の位置当たりの身体は天井方向に押し上げられるイメージを作ります。
このとき、顎が上がっていたらやり方が間違っています。
- 5秒ほど体勢を維持して緩めます。
目標回数 5~10回×3セット
下に敷くタオルなどの厚みは、慣れに応じて上げていってください。
また、『ストレッチポール』などを使っても行うことができますが、高さが最初からありますので注意しておこなってください
2.壁付き体操
頭が後ろに下がるのを邪魔する筋肉が緩んで、動きが少し作りやすくなりましたら立った状態で姿勢を作りながら、さらに改善を進めていきましょう。
- 壁の前に立ちます。
身体の後ろ面を壁につけますが、踵は数cm壁から離しておきましょう。
- お尻、背中、肩、後頭部を壁につけて、
お腹を壁方向に凹ませ、身体全体は天井に向かって伸びあがります。
- 10~20秒その体勢を保ちます。
目標回数 3~5回×3セット
3.コブラのポーズ
次に更に猫背を解消しながら、頭をしっかり引き戻せるようにする体操を行います。
これをしっかりしておいてから最後の体操に向かってください。
- うつ伏せから両肘をついて身体を起こします。
- 床について両腕を手前に引き寄せる力を出しながら、身体は反対に鎖骨が前に出ていくようにします。
すると、自然に頭が後ろにひけてきます。 - 5~10秒程度、その体勢を保ちます。
目標回数 3~5回×3セット
4.首捻じり伸展
最後に、首を反らせる動きをしながら首の骨を反る方向に動かしていきます。
これをいきなりやったり、無理にやると問題がおこりますので、事前に準備をきちんとすることと、実際行ってみて違和感・痛みが出る場合はまだこれをする段階にありませんので、他のものをコツコツ続けてできるようになる時期を待ってください。
- 椅子に座ります。
身体を少し前に押し出してから背伸びをします。 - 首だけを反らせないで、身体の反りの延長線上にくる程度に軽く首を反らせます。
- 1回ずつ左右にゆっくりと首をまわしてから身体を正面に戻します。
目標回数 3~5回×1~3セット
おわりに
『ストレートネック』という言葉の認知が高まりどこでも耳にするようになったとはいえ、そのほとんどが
- 仮の、もどきの
もともとカーブが少なかったわけではない - 改善が可能な
不良姿勢や筋肉のバランスの乱れによってなってしまっている
のため、諦める必要はまったくありません。
改善する努力をきちんとしていけば、十分に改善の可能な『ストレートネック』の方ばかりです。
そこで、首にいきなり枕を敷くような極端なアプローチをすると逆に調子を崩す人がたくさん出ています。
まっすぐな首が問題なのは確かですが、その原因には猫背などの不良姿勢があります。
それらから確実にアプローチしていくことが安全で確実なストレートネックの治療となりますし、
- 肩こり
- 首こり
などの症状はけっこう早くに改善されていきますので無理せずできることから実践してみてください
お身体に関するお悩み解消にお役に立てる情報が提供できていますと幸いです。
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