足がしびれの原因が腰の神経痛か足にあるのか自分でチェックする方法とは
腰に問題があるかを確認する検査
足に問題があってその原因が腰にないとすれば当然腰はなんともありません。
しかし、足のしびれなどの症状の原因が腰にあるとすれば、腰に何かしらの問題が起こっているのを確認することができます。
そこで、『腰(腰神経)』にストレスをかけて
- 足やすねにしびれが出たり
- 腰から足にかけてビリッと電気が走るような痛み(放散痛)
が出るかで、『腰(腰神経)』に問題がないか確認する検査があります。
一般的には、検査者にしてもらうものですが自分である程度まではやることができます。
そこで、ここでは自分ひとりでする方法を紹介しますのでやってみましょう!
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1.ケンプ テスト(kemp test)
これは、比較的どなたでも行うことが可能な検査になります。
ただ、腰痛をお持ちの方は無理にすると腰痛が出てしまうこともありますので慎重におこなうように注意してください。
- まっすぐ立ちます。
足は腰幅程度を目安に安定感のある立ち方で立ちましょう。
- 腰を後ろに反らせ(後屈)、
片側に身体を傾け(側屈)、
傾けた側から身体を後ろに捻じります(回旋)。
その状態で60秒を目安にじっと保ちます。
腰が痛かったりこの体勢が辛い場合には無理をしないように気をつけて行ってください。 - お尻から足にかけてしびれや電気が走るような痛みが走ったら陽性とします。
- 反対側も同様に行ってみましょう。
2.SLR テスト(Straight Leg Raising test)
こちらは、検査者が行うのが一般的ですが自分でもコツさえわかれば行うことは可能です。
ただし、『腰椎椎間板ヘルニア』など本当に腰に問題があった場合は症状が強く出たりしますのでこちらも慎重に無理せずおこなってください。
- 仰向けに寝ます。
- 足を少し上に挙げ両手で太ももの裏側を抱え込みます。
- 膝があまり曲がらないように注意しながら足を引き寄せます。
- 腰から足に電気が走るような痛みが出たら(放散痛)陽性とします。
- 筋肉が突っ張って痛いというのは筋肉が硬いだけなので、陽性にはなりません。
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3.FNS テスト(Femoral nerve stretch test)
こちらは本来はうつぶせになって行うものです。
うつ伏せでもできますがよりひとりでのやりやすさを考えたときにこちらでは横向けで行う方法を紹介することにします。
- 横向けに寝ます。
- 上の足を手でつかみます。
- そのまま身体全体が弓なりに反るように腕で足を引っ張ります。
- 腰から足に電気が走るような痛みが出たら(放散痛)陽性とします。
- 筋肉が突っ張って痛いというのは筋肉が硬いだけなので、陽性にはなりません。
4.膝蓋腱反射(patella tendon reflex)
こちらは、昔から言われる『脚気(かっけ)』の検査というやつで、膝下の腱を硬いものでコンコンと叩くと足がひとりでにピコンピコン跳ね上がるというものです。
神経が正常であればそのように叩けば跳ね上がる反応がありますが、神経に障害があった場合は
- いくら叩いても跳ね上がらない
- 少し叩くだけでビクンビクン過剰に跳ね上がる
など反応に変化が起こります。
基本的に、腰の神経に問題があった場合には、『いくら叩いても跳ね上がらない』という反応が弱くなるのがみられます。
- 椅子かベッドに座ります。
足がブランとなって床に着かないところであれば座る場所はどこでも構いません。
もし、どうしても足が床に着いてしまうような場所しかない場合には、足を深く組んで行うこともできます。 - スマホやタブレットなどの縁を使って膝下の腱を叩きます。
- 何回叩いても反対側は跳ね上がるのに、しびれている側は跳ね上がらない場合には、陽性とします。
5.アキレス腱反射(Achilles tendon reflex )
先ほどの膝蓋腱反射と内容はほとんど同じで、叩く場所が変わるだけです。
- 椅子かベッドに座ります。
こちらは、足が床に着く高さでも構いません。 - 検査したい足を反対側の脚の上に乗せます。
- 足先を軽く膝の方に引き(足関節 背屈)、アキレス腱を少しピンと張ります。
- アキレス腱を叩きます。
- 何回叩いても反対側は跳ね上がるのに、しびれている側は跳ね上がらない場合には、陽性とします。
これら反射に関しては必ず
『左右行って、反対との差をみて判断すること』
を注意して行ってください。
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力の入りにくさで首の問題を確認する
腰の『神経』に問題が起こっていると、うまく指令が届かなくなっていますので筋肉の力が発揮できない(筋力低下)を起こすことがよくあります。
それらを確認するため、各部分の力の入り具合を左右で比較してみてください。
利き脚の差などはもともと左右であると思いますが、それを考えたとしても明らかに力が入らない場合は腰を疑うことができます。
1.腿挙げ
まずは太ももを持ち挙げる動きに問題ないかみてみましょう。
- 椅子かベッドに座ります。
- 両手で膝の少し上の太ももを押さえます。
- 太ももを挙げようとするのを上から腕で押さえつけたときの太ももを挙げようとする力の入り具合を左右で比較します。
- 明らかに差があって力が入りにくい場合は、筋力低下あり(陽性)とします。
2.膝の曲げ伸ばし
次は、膝の曲げ伸ばしをしてみましょう!
最初は膝を伸ばす動きからみていきます。
- 体育座り(三角座り)になります。
- 両手で片脚の膝を抱え込みましたら、そこから膝を伸ばそうと力を入れます。
- 膝を伸ばそうとするのを抱え込んだ腕で抵抗したときの太ももの力の入り具合を左右で比較します。
- 明らかに差があって力が入りにくい場合は、筋力低下あり(陽性)とします。
次に膝を曲げる力をみてみましょう。
- ベッドか階段などで段差のあるところに座ります。
- 片足をその縁から少し下ろして踵をひっかけます。
そこから踵を手前に引き寄せるように力をいれます。
このとき、身体が動かないように注意しましょう。 - 太ももの裏側の力の入り具合を左右で比較します。
- 明らかに差があって力が入りにくい場合は、筋力低下あり(陽性)とします。
3.つま先立ちとかかと立ち
次は、自分で簡単にみるために通常の検査よりかなりざっくりとした見方になります。
ただ、それでも今回知りたい筋力の問題があるのかないのかは探ることができます。
- 手すりや壁などなどで手をおける場所で立ちます。
- 両足でつま先立ちをとかかと立ちを交互に10回ずつします。
- ふくらはぎやすねの筋肉の力の入り具合をみます。
- 明らかに筋力に問題があれば、安定した動きができません。
それで問題に気づけますのでその時には、筋力低下あり(陽性)とします。
歩きにくい、フラフラする
「最近歩いているときの安定感が悪くなってヨタヨタ歩いてしまう」
「スリッパを履いているとすぐに脱げてしまう」
などの歩いているときの問題が筋力低下やしびれによる感覚の問題で起こってくることがあります。
症状としてはしっかり確認しておく必要はありますが、他の原因でも起こりますのでこれだけで腰の神経からとは言い切れませんが問題があるんだとは言えません。
最終的に見極めるためには
これまで症状や検査などをみていって
「すごい当てはまることがたくさんある!私の足のしびれは腰からきたものだったんだな」
と思われる方も多いと思います。
今までで紹介したものが当てはまれば、腰が原因で起こっている可能性は非常に高いと思っていただいてもいいと思います。ただし、結局はそれは確実とはなかなか言えません。
それは、医療従事者が検査をしてもなかなか断定しきれないくらいのテーマをみていますので断定はちょっとできないんですね。
もっとその精度を高めるためには
- 腰以外の足や膝あたりにある神経の問題が原因でしびれが起きる疾患の検査を行ってこれに当てはまらないことを確認する(除外診断)
- 病院で画像診断を受ける(確定診断にはMRIが必要でしょう)
などを行う必要があります。
おわりに
『しびれ』の原因がわかっても大半の場合は、病院ではほとんどものは特別な治療をしてくれるわけではありません。
ということは、現状と何もかわらないといえば変わりません。
しかし、
「足がしびれているけど、腰まわりの負担を減らしたりケアをすることが大切なんだ」
ということがわかるだけで
- 漠然としていた不安の霧がはれてすっきりする
- 悪化させない努力やケアする効果的な方法の方向性が見える
といういい点はみなさんに得られると思います。
少しでも安心して、対処するにも適切な場所にできるお手伝いができたなら幸いです。
「腰まわりをセルフケアする方法が知りたい!」
と思われた方はこちらもあわせてお読みいただければと思います。
「腰痛解消にストレッチは危険!?肩こりも一緒に解消する腰痛体操とは」
お身体に関するお悩み解消にお役に立てる情報が提供できていますと幸いです。
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