出産後の腰痛やお尻の痛みを自分で解消できるかんたん体操とは
『出産』は、10か月もの間おなかに赤ちゃんがいる状態で一緒に過ごす非常に精神的にも肉体的にも大変な時期ですが、その一大事が終わると、ほっと息を着く間もなく赤ちゃんとの楽しくもあり大変な時間が始まります。
断続的な睡眠による『慢性的な寝不足』を抱えながら授乳や赤ちゃんの世話をしていきますが、母体は出産を終えて時間をかけて今までの状態に戻っていきます。
この『出産後』すぐから6~8週間程度の時期を
『産褥期(さんじょくき)』
と言います。
昔、年配の方とお話ししていると
「最近の若い子は出産の後すぐ動き回るようだけどそんなのダメよ!1か月はさらしを巻いておとなしく寝とかないと」
と熱弁されたことを今でも思い出します。
昔からの知恵で、出産で心身ともに弱っている『産褥期』の女性は、赤ちゃんはもちろん大事だけど自分の身体をゆっくり休ませることも大切だということを教えてくれているのでしょうね。
その『産褥期』には
- 産褥熱
出産時の子宮・産道などの細菌感染が起こって高熱を発する。これは産後10日以内に起こるものを言います。 - 後陣痛
大きくなった子宮が元の大きさに戻っていくのに伴う痛み - 腰痛
出産時に開いた骨盤が元に戻っていく時に出る痛み
などのいろいろな問題が起こりやすく、その苦しみを乗り越えていかなければなりません。
これらのいろいろある『産褥期』の苦しみを乗り越えて『産後の肥立ち』を迎えるころにはおおよそ落ち着いていきますが、中にはなかなか痛みが治まらずにお悩みの方もいらっしゃいます。
今回は、その『産褥期』の痛みでは、
「赤ちゃんがいるから病院や整体に行くのも一苦労。
自分でできる腰痛解消の方法があればそれでなんとかしたい!」
と思われることでしょう。
実際、診せていただいた方も育児の睡眠不足でつられておられたり、赤ちゃんを預けているからなるべく早く帰りたいと言われる方ばかりでした。
それくらい、たいへんな状況だからこそ自分でケアすることが可能な 『産後の腰痛』を中心とした出産にかかわる腰痛 を是非知っていただければと思います。
出産の前後に襲う腰痛とは
妊娠してから出産までの間には、赤ちゃんがお腹の中で育つに従ってその重さは増していきます。
すると、
- 身体が重くなって何をするにも億劫になって運動不足になる
- 赤ちゃんの重さが前にかかって腰が反る
などから、『妊娠』してから腰痛に悩まされる方も多いと思います。
これは男性の私には一生実感できないものかと思っていましたが、『妊娠体験グッズ』なるものがあるのをテレビで見ましたので、機会を見つけて着用してみたいと思います.
出産をしてから1度大きく開いた骨盤が閉じていきますがその時にきちっとうまく閉じきらずに『腰痛』が出たり授乳や抱っこの姿勢での負担でも腰痛が起こります。
出産前後の腰痛の特徴は
これら、『出産』前後に起こる腰痛の特徴としては
- 腰が反るストレスによるもの
妊娠期では赤ちゃんがお腹にいますし、産後は抱っこで腰を突き出すような格好になります。
反りすぎで痛みが出ていますので、動作としては反る動作に痛みが出やすいです。 - 仙腸関節性(せんちょうかんせつせい)腰痛
腰痛とは言いますが、痛いのは感覚としてはお尻と言ってもいいような腰よりやや低い位置になります。
があります。ここでは、簡単に『仙腸関節性腰痛』について紹介しておきます。
スポンサーリンク
仙腸関節性腰痛の特徴
『仙腸関節(せんちょうかんせつ)』とは、
- 仙骨
- 腸骨
という骨盤を構成する骨をつなぐ関節のことを言います。
『仙腸関節』は他の関節に比べて大きな動きはありませんが、身体の中心に近いところにある大切な関節です。
ここが出産時に大きく動いて開きます。そして、産後に閉じて元に戻っていくのですがこの時にうまく元に戻り切らずに安定性を欠いているときに動かそうとすると『痛み』が出ます。
『仙腸関節』についてもっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
「腰痛の原因になる骨盤のゆがみと関連の深い『仙腸関節』とは?」
そして、この『仙腸関節』が産後に痛いという方の症状としては
- 1点が痛い
仙腸関節のある左右どちらかの指で1点を指し示せそうな狭い範囲の痛みが起こります(ワンフィンガーサイン)
- 開排痛
出産のときと同じような動きになりますが、膝を開く動きをすると痛みが起こります。
(パトリックテスト 陽性)
などがあります。
出産・産後に関わる腰痛を解消するための方法
これらの腰痛を予防・解消するためにできる対策はいくつかありますので順に紹介していきたいと思います。
1、膝下に何かものを敷く
これは、出産前後共通して行える対策になります。
膝の下に、バスタオルやクッションなどはさむものはなんでも構いませんので敷いて、
『股関節・膝関節がまっすぐではなくて少し曲がる』
ようにしてみましょう!
特に、腰が反っていることによっておこる腰痛には負担を減らすことができるので簡単で効果的な対処方法です。
2、コルセット、骨盤ベルト
これは、産後に限った対策になりますが、出産を機に緩んだ『仙腸関節』が固まってないことが原因で起こる腰痛では、関節がグラグラと動く非常に不安定な状態になりますので『骨盤に安定性をあたえてあげる』のが効果的です。
個人的にはさらしがお勧めですが、
- さらしをそもそも持っていない
- 巻き方がわからない、毎回毎回巻くのが大変
などとかなりハードルが高いため、
- コルセット(腰痛ベルト)
- 骨盤ベルト
などを使用されることをおすすめします。これであれば、市販でも入手が簡単で着脱も楽チンなので現実的と考えます。
スポンサーリンク
3、腰痛体操
出産に関わる時期にあれこれ難しい体操をするのは嫌だと思いますので、簡単で効果的な厳選体操を2つだけ紹介します。
それを繰り返すだけで特に産後の『仙腸関節性腰痛』は楽になりますので是非実践してみてください
ドローイン+ペルビックカール
- 仰向けに寝て膝を三角に立てます。
足の幅は腰幅を目安に自分の楽な幅にしていただいてけっこうです。
- 腰と床に隙間がありますが、その隙間を埋めるようにおなかを床に沈めていきます。
このとき、お尻と太もも裏の付け根を1~2cm持ち上げるイメージで骨盤を動かしていただくとより、腰と床の隙間がなくなりやすくなります。
- 10秒ほどその体勢を保ちます。
目標回数 10回×2~3セット
骨盤締め込み体操
- 仰向けに寝て膝を三角に立てます。
今回はやや足幅は広めにしておきます。
- 片膝ずつでも両ひざ一緒にでも、自分がやりやすいほうを選んで膝を内側の床に近づけるように動かします。
- 10秒ほどその体勢を保ちます。
目標回数 10回×2~3セット
これは、『産後腰痛』にはその場でやればやるほど痛みが緩和されていく方が多かったので即効性もなかなか期待できます。
産後はこのようにしていただければいいんですが、おなかが大きい時には難しいですね。
そこで、おなかが大きい時には、両手で膝の内側を押さえておいて、膝を内に締めこもうとするようにして筋肉を刺激するだけでも十分です。
おわりに
妊娠・出産を通していろいろな問題があってご自分の力でなかなかなんともできないものもあります。
しかし、今回紹介させていただきました『産前・産後腰痛』に関してはある程度の予防や対処は可能なので是非行っていただければと思います。
個人的には、もし今お読みいただいているあなたが妊娠・出産をまだしていない方であればそのときのために早めに準備できるものはして、ひとつでも不安や痛みを軽減できるようにしていただくのに役立てていただける形にも使っていただければと考えます。
お身体に関するお悩み解消にお役に立てる情報が提供できていますと幸いです。
「自分の身体について直接相談したい」
「実際に自分にあったエクササイズを指導してほしい」
と思われた方は、こちらで直接診せていただくこともできます。
お問合せお待ちしております
ありがとうございます やってみます。