外反母趾はインソールや靴を変えるだけじゃダメ!正しい治し方とは
外反母趾は、ヒールを履く女性にとっては一般的な疾患で
「自分は外反母趾にならなかったらいいのにな・・・」
と思っていてもなっちゃった方はたくさんいらっしゃいます。
外反母趾は足に負担がかかり続けることで関節が変形してなりますが、
- どのような原因で起こるのか?
- どのような状態になっているのか?
などについてきちんと知っておくことは大切です。
「原因についてきちんと知ることができていない・・」
と思われた方は、まずこちらからお読みください。
「外反母趾とはパンプスだけが原因じゃない!正しく知る本当の原因は」
今回は、その『外反母趾』が
- どのような症状が出てくるのか?
- 痛みの程度や変形との関係について
- 外反母趾の処置や治療
- 予防改善にはどのようなことができるのか?
などについて紹介していきたいと思います。
症状と変形の程度はあまり関係がない?
外反母趾の患者さんと接していますと、『痛みや変形』の程度は、ほんと人それぞれだと感じます。
病院を受診する方ばかりなので、一定以上の症状で悩まれているはずですが
- 変形はそこそこだけど、外反母趾の部分が真っ赤に腫れて足を引きずるくらい痛がっている
- 痛みはほとんどないけど、変形がすごい
くらいその状態は極端に差があります。
『外反母趾』の1番の症状は、 『でっぱり部分の痛み』 です。
この『痛み』には
- でっぱり部分が押さえられたり、当たったりした痛み
- 歩いたりしたときに体重がかかったときの痛み
- 足裏のたこ(胼胝:べんち)に体重がかかることでの痛み
など、いろいろあります。中には、神経(背側趾神経)が障害され、親指の内側の感覚に障害が出ることもあります。
痛みに関しては、 『変形していっているその最中が特に痛みが強い』 という特徴があることから変形がひどい人が『痛み』はさほど訴えずに『歩きづらさ』を言うようなこともよくあります。
外反母趾になると、足の骨と同じような方向に付いていた筋肉が方向違いになってうまく足の指を動かしたり力を入れたりできなくなります。
すると、歩くときに地面をうまく蹴ることができず、他の場所で蹴る動作を作ることで
- 第2,3趾の足裏のタコ(胼胝:べんち)ができてしまう
- 足のアーチ(土踏まず)が崩れて、扁平足などによる足の他の関節の傷みが出る
などが起こってしまいます。
これらがあるため、『外反母趾』では 変形の程度と痛みの強さに関連性があまりみられない のです。
スポンサーリンク
外反母趾の評価は主にはレントゲンで行う
外反母趾を正確に評価するには、 『レントゲン撮影』 をする必要があります。
「正確にどの程度の外反母趾なのか知りたい」
という方は病院(整形外科)を受診していただければと思います。
足の骨にそって測ります。 1番に計測しておくべきなのは図でいう『A』の角度になります。
「レントゲンじゃなくて目安でどのくらいなのかまず確認したい」
と思われる方もいらっしゃると思いますので、自分で評価してみましょう!
- 足の指と付け根の骨を触って確認しながら線を引きます。
- その線の交点の角度を測ります。
分度器を持っている人はほとんどいらっしゃらないと思います。
そこで、角度を測るスマホのアプリが無料で手に入れられますのでそちらで用意されるとよいでしょう!
レントゲンで測って
- 14°→正常
- 14°~30°→軽度
- 30°~39°→中等度
- 40°以上→重度
となります。
レントゲンでは、
- 足のそのままの状態を撮影
自然な状態での変形の程度がわかります。 - 体重をかけた状態
外反母趾は体重をかかり方で変形が強く出ることがしばしばです。
足の置かれている状況を正確に把握するには体重をかけた状態での撮影は必要です。 - 靴を履いた状態で撮影
靴を履いているときに靴で圧迫されているか?
靴を履くだけでも変形が強く出る人もいます。
より実際の状態を反映してみるためにはこの撮影は有益です。 - ストレス撮影
関節の機構が破たんしていてグラグラになってしまっているかどうかを評価するために行います。
など、その目的によっていくつか撮影方法があります。
他には、『扁平足』との関連が強いため、その評価を同時に行います。
『扁平足』の評価について詳しく確認したい方はこちらをご覧ください
「足の裏が痛い、歩くと疲れる原因の『扁平足(ベタ足)』の評価は」
スポンサーリンク
外反母趾の治療
病院で『外反母趾』の治療は、まずは『手術療法』ではない『保存療法』を行いますのでそれらを順番に紹介していきます。
安静
外反母趾は、歩かないわけにはいきませんので『安静』をすることも非常に難しいです。
基本的には、『安静』は有効ではありませんが、『滑液包炎』などの炎症症状で
- 腫れていたり(腫脹)
- 赤くなっていたり(発赤)
- 熱を持っている(熱感)
がある場合には、炎症症状を治めることで『痛み』が軽減します。
靴の変更
『安静』よりも現実的で対処しやすく非常に大切なことが 『靴を足に優しいものに替える』 ということです。
- 革靴
靴がそもそも硬い - 足先が細い靴
足の指(趾)を圧迫してしまう - ヒール
ヒールの高さによって、体重が前にかかってしまい負担が増す
など、靴によっては『外反母趾』をひどくしている原因になるものがたくさんあります。
年配の方に多い印象がありますが、あまりにも安物の靴は論外です。
靴全体がフニャフニャで靴の中で足が動いてしまいその癖に靴が変形してしまうことがあります。
また、
「仕事で支給されている靴だから他のを選べない・・・」
という方もいるとは思います。
そこをなんとか自分で購入した靴を履いて構わないか職場と相談して、可能な限り変更できるように工夫しましょう!
「事情が事情だし、デザインが似ているものなら認めましょう!」
と言ってもらえる職場もあるかもしれません。
足底板処置
外反母趾になることで、足の指(趾)がうまく使えなくなりますので少しでも負担を緩和させるために、 靴を変更することは必要ですがそれ以外に
『靴の中敷き(インソール)』 を自分の足のバランスにあったものに変更する
こともできます。
これは、
- 簡単・低価格
→スポーツ用品店で売っている既製のインソールを使用する。
全体的に足の環境を良くできますが、健康な足に対して作っているものなので個性を反映したものにはなりません。
予算約2000円前後 - 高価格
→病院などで足にあわせてオーダーメイドで作ってもらう。
通院などの手間と費用がかかる。
予算約20000円前後 - 難しい・低価格
→パーツを買い集めて自分で作っていく。
知識とパーツを集める手間が必要です。
予算約3000~4000円前後
などの方法があります。
鎮痛処置
『湿布』や『消炎鎮痛薬』の処方を受け、痛みと炎症をおさえます。
ちょっと『湿布』したくらいで治まるような痛みではありませんし、痛み止めを飲んでも根本的に治っているわけではありません。
理学療法
病院などで行われるリハビリです。
- 電気治療
痛みを和らげる目的で行います。
痛みのあるところに低周波などを流します。 - ストレッチ・トレーニング
筋肉の柔軟性を向上させたり、落ちている筋力を向上させることを目的とします。
詳しくは後に紹介します。 - テーピング
テーピングで一時的に外反母趾を矯正します。 - 手術療法
保存療法で改善がなかなか見られない場合には、『手術療法』がされます。年齢や変形が重症度などで考慮されます。
『外反母趾』に対する一般的な治療までをみてきました。
後半では、実際に自分でできるテーピング処置や運動療法などについてみていきたいと思います。
お身体に関するお悩み解消にお役に立てる情報が提供できていますと幸いです。
「自分の身体について直接相談したい」
「実際に自分にあったエクササイズを指導してほしい」
と思われた方は、こちらで直接診せていただくこともできます。
お問合せお待ちしております
固定ページ: 1 2