すねの内側が痛い!学生の走り込みで起こる『シンスプリント』とは

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シンスプリントアイキャッチ体育系のクラブ活動をしている学生さんがランニングしていたら、練習後などに 『すねの内側』 に違和感が出たり、痛くなることがよくあります。

その場合、知っておきたいのが 『シンスプリント』 です。

これは、結構たくさんの方が経験されるもので、

  • ランニングをする陸上競技
  • 走り込みやランニングが練習メニューに入っているクラブ

で起こります。

今まで診てきた印象では、

「あぁ、シンスプでしょ!?結構みんななってますよ」

「みんな特に休むわけでもなく、痛い痛いって言いながらやってますから」

と、患者さんが自然に略称を使ってしまうくらい一般的な病名のようです。

すねの内側の痛みでよくある 『シンスプリント』 ですが、 ありふれているから甘くみていていいわけではありません!

そのまま放っておいて重症化すれば、 『疲労骨折』 を起こしてしまい、しばらくスポーツがまったくできなくなってしまいます。

そうならないためにも、『シンスプリント』について正しい知識をつけて、なっても早く治して重症化させない対処ができるようになっていただければと思います。

 

シンスプリントとは

『シンスプリント(shin sprint:過労性脛部痛)』とは、
『ランニングなどの運動後に脛骨(すね)の内側の真ん中付近から足首までのあたりに痛みが出る』
ものを呼びます。

別名で 『midial tibial stress syndrome』 などと言ったりもします。

ランニング競技者の
約10~20% に起こり、女性に多く16歳が発生のピークと言われております。

実際に診た経験でいえば、ほぼ女性だったように記憶しています。

特によく起こる時期としては、

  1. 「小学校から中学校に入った」
    「中学校から高校に入った」
    などでクラブでの練習メニューがかわることで練習量が急激に増えたり、強度があがったりすることでおきます
  2. シーズンが始まる最初の時期に基礎体力作りと走り込みが多いメニューとしてある時期

などで、この時期に

「脛の内側がランニングの練習で走った後に痛くなる」

と言い出したら、1番に『シンスプリント』を疑ってもらうとよいでしょう!

このとき、『すねの内側』は、ランニングで足や足首などに負担がかかることで、筋肉の負担から『炎症』が起こってきます。

 

シンスプリントは1番は練習が多いことだけど他に原因は

『シンスプリント』になる原因には、

  • ランニングによる過剰な負担(使い過ぎ:オーバーユース)
    急激に負担をかけすぎることでストレスがかかってしまいます。
  • 硬い路面での練習
    足にかかる衝撃が大きくなるため、同じ時間の練習であっても負担が大きくなってしまいます。
  • 足首の硬さ
    足首まわりの筋肉の柔軟性の低下などで衝撃吸収能力が下がってしまうため負担が大きくなってしまいます。
  • 扁平足(へんぺいそく)・回内足(かいないそく)
    これは昔からいう『ベタ足』とか『土踏まずがない足』とかのことを言います。
    土踏まずは『足底アーチ』が山なりにありますがこの山が小さい状態をそう呼びます。

などがあると言われています。

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シンスプリントの症状は練習後の違和感から痛みへ悪化していく

シンスプリントの症状はいくつかあります。

  • 運動痛
    最初の頃は、運動後に出る『違和感』から始まることが多くそれが少しずつ『痛み』になっていきます。  
    運動中は痛みがまぎれて感じにくいですが終わったら痛いということが続きます。
    さらに、きつくなれば運動中も痛くなってスポーツができなくなるようになってきます。
  • 圧痛
    すねの内側を押すと痛みがあります。シンスプリント圧痛軽症のころにはあまり痛みがはっきりしない場合もあります。
  • つま先立ちの痛み
    つま先立ちをしたときに傷めている部分の筋肉が使われるため痛みが出ます。つま先たち

シンスプリントの画像診断

『シンスプリント』の画像診断は、

  • レントゲン(X線)
  • CT(computed tomography)

など、 骨や関節の状態(形状)を把握するのに適しているものでは、何も変化が読み取れません。

もしレントゲンで変化が認められる場合は、もっと重症の 『疲労骨折』だということになり、それはそれで大変です。

『シンスプリント』の『炎症』を確実に診るためには、 『MRI:magnetic resonance imaging』  撮影が有効です。

実際には、臨床症状やレントゲンなどで問題がないという画像所見を得られた時点で診断されることが多く、『MRI』まで撮ることは一般的ではありません。

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シンスプリントの治療の原則は痛みの緩和と安静

『シンスプリント』の治療では、手術をしない『保存療法』がされますので順番にみていきましょう。

安静

『シンスプリント』は、

  • ランニングの練習量が多い『使い過ぎ(オーバーユース)』による負担
  • 硬い路面で衝撃吸収がうまくできていないこと
  • シューズのクッション性が低い

ことなどが原因のため『治療』としては、足に負担をかけないようにする 『患部安静』 が1番大切です。

スポーツは休止が原則ですが、

  • 『初期(軽症)』(スポーツに支障をきたさない)
    足底板やテーピングなど他の治療を組み合わせながら、スポーツ活動の時間を減らすこともうまくケアしていける場合もありますが、悪化する危険が伴いますのであまりお勧めしません。
  • 『重症』(スポーツや日常生活に支障をきたす)
    スポーツは全面休止する必要があって続けていてはいつまで経っても治りません。
    特に、『疲労骨折』になれば更にスポーツができない期間が延びてしまいます。

スポーツを休止する場合の目安期間は、おおよそ1か月とみておくとよいでしょう!

中途半端な状態での復帰からの再発は、

  • 治療期間が余計に長くなる
  • 1度復帰できたのにまた休まないといけないのは非常にストレス

なので、絶対に避けたいことです。復帰するには絶対再発しない! と思える時期まで我慢することが大切です。

鎮痛処置

『湿布』の処方を受け、痛みと炎症をおさえます。脛シップ

ただし、『湿布』を貼っても一気に痛みがなくなるということはありませんので過剰に期待しないようにしておきましょう!

理学療法

病院などで行われるリハビリです。

  • 電気治療
    痛みを和らげる目的で、痛みのあるところを中心に低周波などを流します。
  • ストレッチ
    『ヒラメ筋』の緊張を緩めることを目的とします。
    ただし、症状の強いは悪化することがありますので慎重に行う必要があります。

ここまで、シンスプリントの病態や診断・治療について紹介してきました。

後半では、シンスプリントの症状を少しでも抑えるために自分でできるテーピングなどの処置を紹介していきたいと思います。

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