膝の前が痛い!成長痛と間違われやすいスポーツ障害『オスグッド病』とは
スポーツをしている小学校の高学年から中学生くらいの成長期の子供さんが
「膝の前あたりが痛い・・」
と言いだしたときに疑われる疾患に 『オスグッド病』があります。
もちろん数日など短期間なら
「子供だからちょっとオーバーに痛がってるだけじゃないの?」
と様子をみてもいいかもしれませんが、長い間いつまでも言っているようであれば要注意です。
オスグッド病は、基本的にスポーツ中止して『安静』にしていれば治りますが、放っておくと1年以上ズルズルと痛みが続くような子供さんもいらっしゃいます。
重症化してくれば、膝の下の骨が飛び出してきてぶつけるたびに激痛が伴います。
これは、いったんなると一生そのままです。
そして、中にはかなり少数ですが、『手術療法』でその出っ張りをとらないといけなくなるようなこともあります。
ご自分のお子さんが、そのようなつらい目を長く見させないためには、『病態を知り、早期発見!早期治療!』が大切です。
そのためにも必要な『オスグッド病』に関する知識をこれからご紹介していきます。
オスグッド病の 病名の由来はただの見つけた人の名前
比較的名称が知られているので
「あぁ~オスグッドね」
なんて、知った風におっしゃる方もいる病名です。
正確には、
『オスグッド・シュラッター病(Osgood― Schlatter disease)』
と言いますが、
- オスグッド(Osgood)さん
- シュラッター( Schlatter)さん
が100年以上前(1903)にこの病態を報告したことから二人の名前がつけられています。
『オスグッド病』 を病態の名称でいうと 『脛骨粗面骨端炎(けいこつそめんこったんえん)』 になります。
結局覚えにくい病名ですね。
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オスグッド・シュラッター病とは
『オスグッド病』のことを知るためには日本名のほうの『脛骨粗面骨端炎』について考えていけば、だいたいの病態を知ることができます。
- 『脛骨粗面(けいこつそめん)』という場所の
- 『骨端』という骨のはしっこあたりに
- 『炎』炎症が起きている
ということで、少し正確に言いますと
『発育期における運動ストレスが膝蓋腱付着部の脛骨粗面部に集中して、脛骨結節の骨化核お よび硝子軟骨が部分的に剥離骨折を起こしたもの』
となります。
これは、ややこしいので少しかみ砕いて説明していきます。
子供さんの骨は、『骨端部』という骨のはしっこの場所に、 成長して大きくなる骨の材料がモリモリ出てくる(骨化核)場所があります 。
そこで、子供の骨はモリモリ新しく作られ成長しています。
その子供の骨は大人の骨ほどカチンコチンに硬いわけではなく、生まれたてのセミの身体のように柔らかいんです。
みたことはないもしれませんが、なんとなくイメージしていただけるかと思いまして・・
なんとかこれでご理解いただけたらと思います。
『骨端部』には太ももの筋肉(大腿四頭筋:だいたいしとうきん)が付いていて
- 走ったり
- 屈んだり
- ジャンプしたり
するときに使われ運動のたびに『骨端部』を引っ張る力がかかって骨の『骨化核』や『硝子軟骨』が引きはがされます。(骨端炎)
そこを埋めるように新しく骨が成長してきますがそこをまた運動で引きはがされます。
そこをまた埋めて剥がされて・・・ということを繰り返していると、 どんどん『脛骨粗面』が盛り上がってきて、見ただけでわかるようになる子供さんもいます。
ただし、『オスグッド病』では骨端炎のみが起きているわけではなく
- 膝蓋靭帯炎(しつがいじんたいえん)
- 滑液包炎(かつえきほうえん)
などの、 骨以外(軟部組織)にも『炎症』が起きていることが多いです。
子供が膝を痛がるので病院に連れて行った場合、初期で『脛骨粗面』に変化がみられないばななどは、『成長痛』として済まされてしまう場合が多いのも特徴です。
成長期(10~14歳程度)の男の子 に起こりやすいです。
その中でも特に『二次成長期』で身長が伸びる時期と一致しますので、
「うちの子、最近身長よく伸びてきているな」
という時期に膝の前の痛みを訴えたら 『オスグッド病』 の可能性が高くなりますので要注意です。
オスグッド病が起こりやすい原因とスポーツは
オスグッド・シュラッター病が起きる原因は、
- 成長期の膝の使い過ぎ(オーバーユース:over-use)
膝の筋肉をたくさん使うことで骨がその力に耐えられないために起こります。 - スポーツ動作の未習得による膝の過度な負担
悪い言い方ですが、わかりやすく言えば『下手くそ』ということです。
適切なフォームが習得できてないため、運動時に膝にかける負担が増大してしまいます - 不良姿勢・アライメント
『猫背』(それに伴う骨盤の後傾・重心の後方化など)になると、スポーツ動作での膝の負担が大きくなります。
で、膝が良く使われる
- サッカー
- バスケットボール
- バレーボール
- バドミントン
などのスポーツに起こりやすいです。実際の経験から言えば、子供さんのスポーツ人口の多さからしても、サッカーの子供さんはよくみました。
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オスグッド・シュラッター病の症状
痛みの出方は、最初はスポーツの後に 『膝の皿の下あたりに違和感』 が生じますが、その日休めば次の日には今まで通りにスポーツはできる程度のものです。
そのまま続けていると、少しずつ『違和感』は『痛み』へと変わっていきます。
そして、最初はスポーツが終わった後に出ていた 『違和感・痛み』 が運動中にも出てくるようになります。
そのころには、『脛骨粗面』あたりが
- 赤くなる(発赤:ほっせき)
- 腫れてくる(腫脹:しゅちょう)
がみられることもあります。
『脛骨粗面』を押さえると痛い(圧痛)のは確実にあります。 場所は難しくありません、膝のお皿の下の出っ張りの骨です。それをしっかり確認しましょう!
ちなみに、似た疾患の 『シンディング ラーセン ヨハンソン病』のときは『膝のお皿の下端』と少し場所がちがいます。更に言えば、 『ジャンパー膝』 などに多いのは『膝のお皿の上端』とまた場所が違ってきます。
この痛みは、ひどくなってくると、
- 『痛み』で走れない 、ジャンプできない
- しゃがめない、階段の上り下りが痛い、歩いても痛い 、正座ができない
- 足をひきずって歩く
など、日常生活にも支障が出るほどの『痛み』になっていきます。
子供は親に「痛い」と訴えますが、親が
「スポーツできているからまぁ様子見で大丈夫じゃないか」
と、甘く見て放置しておくケースが多いです。
- そのまましばらく放っておいても治らずいつまでも子供が同じ痛みを訴えて、しまいにはスポーツに支障が出てきたとき
- 『脛骨粗面』が腫れたり骨が膨らんでくるのが目でみてわかるようになったとき
「これ、なんかおかしいぞ!」と思って『重症』になってから医療機関にかかることが 多いです。
オスグッド・シュラッター病は骨に問題がでていますが、
- 膝蓋靭帯炎
- 滑液包炎
などの、骨以外(軟部組織)にも『炎症』が起きています。それは早期の治療やスポーツ中止を適切に行うことで早く治すことができます。
しかし、実際には、あまり重要に思っていない親とスポーツを取りあげられたくない子供の思いがあわさってだましだましスポーツを続けることが多いです。
それで重症化してから治療となると、半年以上スポーツができないこともでてきます。
治療期間が長くなると、子供が復帰したことにはまわりについていけなくなってスポーツを辞めなくてはいけない事態になりかねません。
後半は、『オスグッド・シュラッター病』の画像診断から治療などを紹介していきます。
お身体に関するお悩み解消にお役に立てる情報が提供できていますと幸いです。
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