膝の前が痛い!成長痛と間違われやすいスポーツ障害『オスグッド病』とは

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オスグッド・シュラッター病の画像診断

『オスグッド・シュラッター病』を疑う場合は、まず 『レントゲン(X線)』 撮影をします。
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ここで、骨が盛り上がってきているくらい進んでいる場合はもちろんわかりますが、『初期』にはその変化がみられません。

『初期』の病態をきっちり把握するには、『MRI』検査が必要です。

ただ、この病態は将来的に大きな問題を残しにくいと考えられている病態なので、 『MRI』まで撮るケースはそこまで多くありません。

これが 『初期』の『オスグッド・シュラッター病』=『成長痛』と片付けてしまわるケースが起こる大きな原因になります。

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オスグッド・シュラッター病の治療

『オスグッド・シュラッター病』の治療は基本的に『手術』をしない『保存療法』がされます。

では、どのような『保存療法』がされるのか、順番にみていきましょう!

1、安静

『オスグッド病』は、『使い過ぎ(オーバーユース)』が1番の原因です。そして、病状を悪化させないためには『患部安静』が絶対に必要です。

初期の安静のとり方

『初期(早期)』に適切な安静が確保できれば

  • 症状が早く治まる(早期治癒)
  • 骨が盛り上がることがない

ことができますが、それにはスポーツは全面休止する必要があります。

それでも身体を動かしたい場合は 『膝に負担がかからない別メニュー』 を厳格に管理できる場合のみ許可されるべきです。

というのも、部活などであれば

「別メニューなんかさせない!」

と指導者が別メニューに対しての理解がまったくないような場合や

「そこまでできるんならもっとできるんじゃないの?」

「もうそろそろやってもいいんじゃないの?」

と別メニューでやっていたはずが、途中から復帰をせかされて中途半端で復帰して悪化させてしまうようなこともあります。
きっちりできない場合には、思い切って休ませる方がいいでしょう!

スポーツを休止する場合の目安期間はおおよそ 『1~2ヵ月』 を基本としておきます。

うまくいくと1か月前後で症状は治まりを見せだしますが、そこで復帰してはいけません!

『脛骨粗面』の押さえた痛み(圧痛)がなくなるまで待ちましょう!焦らず慎重に判断していきましょう!

本人の訴える症状だけを真に受けるのではなく、 『圧痛』がなくなっているか をきちっと確認してください!

重症(骨の盛り上がりができている)の場合

基本的には『安静』などは『初期』と変わりません。

ただ、骨の盛り上がりができてしまっている子供さんの場合は、痛みがある程度おさまったら徐々に復帰していく形でも構わないでしょう!

症状に焦点をあてて、『安静』を作り治療していくことが大切です。

2、鎮痛処置

『湿布』や『消炎鎮痛薬』の処方を受け、痛みと炎症をおさえます。

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3、理学療法

病院などで行われるリハビリです。

  1. 電気治療
    痛みを和らげる目的で、痛みのあるところを中心に低周波などを流します。
  2. アイシング
    患部が熱をもっているのでそれを取り除く目的になります。
  3. マッサージ
    ストレスの原因になる筋肉(大腿四頭筋)の緊張をほぐすことで『膝蓋靭帯』の緊張を和らげることが目的です
  4. ストレッチ
    大腿四頭筋のストレッチを行い『膝蓋靭帯』の緊張を緩めることを目的とします。
    痛みが出る場合は無理に行わないようにしましょう!四頭筋ストレッチ1
    四頭筋ストレッチ2
  5. サポーター
    オスグッド・シュラッター病用のバンド(infrapatellar strap)Infrapatellar-Strapを着けて、膝にかかる負担を減らします。
  6. 足底板療法
    普段膝にかかる負担を減らすためにシューズに足底板を挿れて負担がかかりにくいようにします。
  7. 運藤療法
    基本的には、ストレッチになります。 しかし、患部への負担を考えると安易に勧められません。
    お勧めの運動療法をこちらにまとめておりますのでよろしければご覧ください。
    膝が痛くてスポーツができない!早く治すためのセルフケア・運動療法

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 4、手術療法

治療は原則手術をしない『保存療法』が行われますが骨の盛り上がりが大きく、そこに起こる炎症症状が強くいつまでも治まらない場合には『手術療法』がされることもあります。

5、評価方法

症状が改善していっているかどうかの経過をみるとき、子供さんに聞くだけでは表現が曖昧になってしまいます。

そこで、客観的に良くなっているかどうかを把握する指標があると、経過がつかみやすくていいです。

そのチェックに使われるのが 『踵臀距離:HBD(heel buttock distance)』 を測っておくと良いです。

測り方は、うつぶせに寝かせて膝を曲げていき、踵がお尻にどこまで近づくか膝を曲げていきその間の距離を計測します。

これは、傷めていない側と同じ距離になれば膝を完全に曲げられるところまで改善したと判断できます。

HBD2

最初痛くてほとんど曲げられなかったのが、症状が良くなっていくにしたがってどんどん曲がっていくようになりますし、客観的な数値で経過をみることができます。 

 

おわりに

『オスグッド病』は、成長期の子供さんの訴えに注意しておけば、簡単に見つけることができます。
(早期発見)

そして、そこから適切な処置
(といっても主には、スポーツ中止と患部安静、症状の強さや種目によっては体育も一時的に休む)
をすれば、重症化を避けられます。

病院で診断を得るかどうかも大切ですが、どちらにしても

「膝が痛い!」

と言っている子供さんに無理をしてさせないようしてあげられる気持ちがあれば診断は後まわしにしても適切に対処できるはずです。

それを、

「この子はこれから大切な試合があるから休ませられない!」

とか言ってスポーツを休ませない親の対応に

「言うこと聞かないんなら何しに病院に来たんですか?
子供を親の世間体とかを保つための道具に使ってんじゃないですよ!

と口にしてしまいそうな憤慨するケースに多々遭遇した経験があります。

この記事を読んでいるみなさんはそんなことをしないで、大切な子供さんの健康を第一に考えてあげられるような対応をしていただけることを願います。

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momentum 姿勢バランス研究所

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One Response to “膝の前が痛い!成長痛と間違われやすいスポーツ障害『オスグッド病』とは”

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