スポーツで膝の内側が痛いランナー膝『鵞足炎』の原因や症状とは!
「スポーツで膝の内側が痛くなってきた」
「膝の内側の少し下が腫れて、膝を動かすと痛い」
など、 スポーツで走ったりジャンプしたりを繰り返すことで膝の内側が痛いという場合、 『鵞足炎(がそくえん)』 が疑われます。
ランニングなどが原因で起こりやすいもののため 『ランナー膝』 の中に入れられたりもします。
(ランナー膝で有名なのは膝の外側が痛い『腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)』です。
今回は、鵞足炎についてわかりやすく紹介していきたいと思います。
鵞足炎とは筋肉の付き目に炎症が起こっている
『鵞足炎(pes anserinus tendonitis、pes anserine butsitis)』とは、名前から予想されるとおり、鵞足という部分に炎症が起こっているのを言います。
鵞足とは膝の内側の筋肉の集まる場所
『鵞足(がそく)』 とは膝関節の内側のやや下の方に
- 半腱様筋(はんけんようきん)
- 半膜様筋(はんまくようきん)
- 薄筋(はくきん)
の3つの筋肉が集まって付いている部分を指します。
この3つの腱が集まる形が 『がちょうの足』 に似ているところからこの名前がついています。
鵞足にストレスがかかっておこる炎症
その『鵞足』に
- 筋肉に続く腱に炎症が起こる
(pes anserinus tendonitis) - 滑液包に炎症が起こる
(pes anserine butsitis)
などが起こり、それらをまとめて 『鵞足炎』 と呼んでいます。
膝の動きが多いスポーツで鵞足炎は起こりやすい
鵞足炎は、
- ランニング
- ジャンプ
- ステップ
など、膝の曲げ伸ばしの動きが多いスポーツをされる青年期以降の人に起こりやすいと言われています。
「スポーツで相手とぶつかってこけた後から痛い」
みたいなケガのような痛みの出方もあるようです。
また、中年以降の女性には特になりやすい 『変形性膝関節症』 が起こっている人は、 痛みをかばう動きをすることが『鵞足炎』を起こしてしまうことになるとも言われています。
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鵞足炎はスポーツでの負担が大きな原因
この膝の曲げ伸ばしのたびに、 鵞足についている筋肉が 『膝の内側の靭帯(膝内側側副靭帯)』 にこすれるストレスが起こり続けることで炎症が起こります。
起こりやすい要因には、
- 身体の個性(X脚・下腿外旋)
- スポーツ活動のし過ぎ(オーバーユース:overuse)
- スポーツ環境
と大きく3つあります。
スポーツ活動のし過ぎ(使い過ぎ)はわかると思いますので、他の2つに関しては具体的にみていきましょう。
鵞足炎になりやすい身体の個性
鵞足炎になりやすい身体の個性には、
- X脚
- 下腿外旋(かたいがいせん)
などの『アライメント』があります。
細かく言っていくと、
- 足先が外側に向いている(トゥアウト:toe-out)
- すねの骨が外向きにねじれる(脛骨 外旋)
- 膝が内側に移動している(ニーイン:knee-in)
- X脚(外反膝:knock-knee 、genu valgum)
などがあります。要は『X脚』のことと思っていただければと思います。
ちなみに同じランナー膝の腸脛靭帯炎では、 この逆のO脚が関係します。
鵞足炎の原因となるスポーツ環境
ランニングを例に挙げますが、負担がかかりやすい環境や要因として、走るとき
- 硬い路面を走っていないか
アスファルトなど硬い路面だと、地面からも反発力が強く膝全体にかかる負担が大きくなります。 - 階段昇降
階段昇降のような動きをトレーニングメニューに入れている場合 - ニーイン・トゥアウト(knee-in toe-out)
スポーツ動作の中で
・ジャンプの着地
・ドリブルでの切り返し
・ジャンプの踏切り動作
などのときに膝が内側に入ってしまう状態 - シューズ
長い期間履き続けて、ソールが削れてしまっている場合
を気をつけなければいけません。その他に原因としていわれるものには
- 身体が硬い(柔軟性が低い)
- ウォーミングアップの不足
- 体重の増加
など、鵞足炎特有ではありませんがスポーツをする上では注意しておきたいことです。
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鵞足炎の症状
痛みは、『膝の内側あたりに痛み』 が生じますがひどくなると、
- 膝の内側(鵞足)が熱をもったり腫れたりします
- 膝が痛くてスポーツができない、日常生活にも支障
が出てきます。
医療機関にかかるのは、スポーツが満足にできなくなってきたという中程度以上の症状になってからでそれまでは運動をやめたくないからみなさんだましだまし続けてしまいます。
鵞足炎かどうか自分で調べる検査方法とは
鵞足炎を検査する方法には決まったものはありませんが筋肉をストレッチするときに痛みが出れば『鵞足炎』の可能性が高いと考えていいでしょう。
- 膝をピンと伸ばすようにして、足先を外側に向けます。
- 身体を前に倒していきます。
身体の柔軟性が硬い人はこれで 『ピーーン!!』と筋肉が突っ張りますがそれは鵞足炎ではなくて『痛みが出るか』が基準ですので間違えないようにしましょう!
鵞足炎は主に症状から診断されることが多い
『鵞足炎』の場合に詳しく精査することはあまりなく『レントゲン(X線)』撮影で鵞足炎以外の問題が潜んでいないことを確認したら終わりということが多いでしょう。
『鵞足』の『炎症』をきちんと診るとなった場合には、『MRI』検査が有用で
- 半月板損傷
- 内側側副靭帯損傷
- 脛骨疲労骨折
などが起こっていないかを診ることもできます。
後半は、鵞足炎の治療や運動療法などについて紹介していきます。
お身体に関するお悩み解消にお役に立てる情報が提供できていますと幸いです。
「自分の身体について直接相談したい」
「実際に自分にあったエクササイズを指導してほしい」
と思われた方は、こちらで直接診せていただくこともできます。
お問合せお待ちしております
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こんにちは
以前もコメントさせて頂いたことがありますが変形性膝関節症で接骨院に行って電気療法、温熱療法、マッサージをして頂いて医療用のサポーターも使用していますが
近頃、膝の内側少し下側が膝を伸ばすと痛くなり始めました
まさにこの鵞足炎でしょうか?
仕事が保育士なので立ったり座ったり中腰が多い仕事なので負担が大きいようです
太っているので痩せるのが一番なのはわかっているのですが膝が痛いとなかなか運動も出来ず痩せられません
太ももの筋肉をつけるのがいいのでしょうか?それにはどんな運動ができますか?
いろいろ質問してしまいましたがよろしくお願いします
当サイトをご覧いただきありがとうございます。
『変形性膝関節症』も『鵞足炎』も病態は大きく違いますが対処の仕方は似ております。
『膝にかかる負担を減らす』
これが大原則です。当たり前ですがなかなかできない方、おろそかにしている方が多いためあえて申しております。
筋肉をつけるということであれば
http://ne-stra.jp/2218.html
などを参考にしていただければと思います。
ただ、筋トレって思ったほどはすきっと効果でないものなのでそこは過剰に期待されないほうがいいかと思います。
また、近日アップ予定の膝痛に対する運動療法の記事を参考にしていただきたいと思います。
はじめまして。54歳介護職をしています。脚はX脚でなくO脚です。立ち上がる際、膝が痛くなり(どこかを持たないと立てない)始め数か月。仕事が忙しくなりここ2か月は、膝の内側が大変痛く、痛くならないような(脚の向きで)工夫をして生活しています。(そうしないと、激痛があります)普通に歩く分には強い痛みはないです。階段は上がるのも大丈夫ですが降りるのは大変堪えます。2週間前に整形外科受診した際は、レントゲンで異常なく(変形性・・でもない)、疲労とのことで、湿布と痛み止め処方されました。ますますひどいので昨日別の整形外科に受診したら、トリガーポイント(主に大腿部真ん中辺り)に10本程ブロック注射を打たれました。が、全く痛みは収まりません。昨日・今日は休みで身体を休めましたが、明日から仕事で謀殺されます;; 来週末受診予定ですが、整骨院に受診した方がいいのでしょうか?
当サイトをごらんいただきありがとうございます。
画像所見がなく、病名を言われていないところうまく病名がつけられる病態ではなさそうですね。
そういうときほど無力なことはありませんよ。整形外科を含めた病院は。
痛み止めと湿布とというとりあえずセットしかしようがありません。
症状の詳細はわかりませんが、現状であれば整骨院の方がまだちゃんとした対応してくれるのではないでしょうか?
お奨めの運動療法の事で質問があります。等尺性の運動で効き目があるのでしょうか?
当サイトをご覧いただきありがとうございます。
記事内で紹介させていただいている運動で、『痛み解消』という目的には効果は期待できると考えております。
そして、運動は関節運動は生じていますので等尺性収縮ではないように思います。
ただ、負荷を外部からかけていないため抵抗の低さが効果への不安を思われているのかもしれません。
もちろん、サイト内の運動に慣れれば負荷を高めていけるようにアレンジしていくのはより効果的とは考えますが、まずはその方向性を示せればと思い実践しやすい種目を紹介しております。