五十肩に病院のリハビリで指導されるストレッチ・運動療法まとめ!
「五十肩は、多少痛みがあっても動かさないと関節が固まってしまう・・」
「病院で四十肩のリハビリとして指導される運動療法を知りたい!」
など、四十肩(五十肩とも言います)の1番の治療には
『運動療法』
が重要だとリハビリのスタッフにも言われることもあって、そのような理解でいらっしゃる方は多いことでしょう。
しかし、病院などがずべてそのリハビリの運動をきちんと指導してくれるかと言えばそうではありません。
「しっかり肩を動かさないと固まりますからね」
と言いながら、指導はあまりされないので実際どのようにしていいかわからないから、とにかく痛いのを我慢して適当にグイグイ動かしているという方が多いです。
そこで自分なりに動かしていっても五十肩が改善しないわけではありません。
しかし、コツがわかっていないと
- 痛みが余計に増したり
- 思うように効果が出てくれなかったり
してしまう危険が高いです。
そこで、今回は病院で一般的に肩のリハビリとしてよく指導される運動療法をまとめて紹介していきます。
前かがみ体操(Stooping exercise)
立っている状態で腕を挙げようとすると、重力に逆らって筋力を使わなくてはいけません。
このような動きをいきなり練習できるわけありませんので、同じような動きを重力に逆らわずにやさしく練習していく方法から始めます。
自分の身体を前かがみになって腕を垂らす状態なら、重力に逆らわないのでしやすいです。
そこでよく肩をみてみると腕を挙げているような動きになっていることがわかります。
これで痛みに注意しながらゆっくり力を抜いた状態で肩の動かせる角度・幅を広げる訓練をすることができます。
比較的痛みがあるときからでもはじめられるやさしめの体操です。
前かがみ体操のやり方
身体を倒して腕を下げる動きができて、少し腕を動かせそうならそのまま少し揺らして軽い動きをつけてみましょう
- 身体を前かがみにした状態で、足を一歩まえに出して腕をだらんと下げて力を抜きます。
- 身体を円を描くように揺すり、
それにつられて腕が脱力した状態で円を描くように動かします。
力が抜けているか確認するには、指先の力み具合をみるとわかりやすいです。
手を握りこむわけでもなくパーのようにしっかり開くわけでもない、中途半端な指の開き具合はリラックスできている状態です。
こんな握りしめちゃってたら、身体全体の動きがガッチガチになっちゃいます。
これは身体を揺することで腕が一緒につられるのがポイントです。
自分で腕を動かそうとしないようにくれぐれも注意して練習していきましょう。
目安回数 30回 スポンサーリンク
振り子運動(Codman exercise:コッドマン体操)
次は、先ほどのように揺らす身体の動きにつられて腕が動く体操になります。ただし、先ほどよりは動きが大きくなっていくことが違います。
- 脚を前後に開いて立ちます。
- 身体を前屈させて腕を力を抜いてだらんと下げます。
反対側の手は、身体を安定させるために机や手すりなどを持っておくとやりやすくなるでしょう!
- 身体を前後に揺すります。
前後に腕の力を抜いて揺すっていきましょう!
- 身体の揺すりにつられてダランと力を抜いた腕が前後につられて動きます。
無理してたくさん前後すると踏ん張る太ももがめっちゃしんどくなってしまいます。
自分の無理のない幅から揺すって慣れていきましょう
目安回数 30回
壁つたい体操(Connolly exercise:コンノリー体操)
腕を自分で動かせる範囲まで動かした状態から、反対の腕や身体の動きなどの助けを借りて自分で動かせる範囲を広げていくための体操です。
方法はその動かす方向によっていくつかあります。
痛みの強い時期(時に発症初期)には痛みが強くなりやすいので注意が必要です。
特に『コンノリー体操』の代表的とも言える、『壁つたい体操』を紹介します。
壁つたい体操のやり方
- できる範囲で腕を挙げた状態で壁に手をつきます。
- 手を壁につけたまま、ゆっくりとしゃがんでいきます。
しゃがむことで腕を挙げている角度が大きくできます。
「壁が見当たらない」
「腕を挙げるのがまだまだ辛い」
という方は、
寝た状態で反対の手のサポートを受けながらやる方法が向いているかもしれません。
次の体操は、腕が背中(お尻から腰辺り)まで痛みが少なくまわせるようになりましたら始めます。
- 痛めている側の腕をできる範囲で後ろにまわします。
- 後ろにまわった腕を反対の手で持ち、頭の方に引っ張りあげます。
この体操は、肩の前のところがすごく痛いので、無理せずにやさしく練習していきましょう。
つくえみがき体操(table sanding:テーブルサンディング)
机をふきんで拭くような動きで肩の動きを訓練します。
この体操は、身体の動きを使って
- 肩の動く範囲を広げるものと、
- 自分で肩の運動をする運動訓練
の要素が混ざっています。
自分で肩の運動をしていきますが、机に手を乗せタオルなど滑るものを置くことで、
- タオルの動き=肩の動きとなって自分の肩の動きを意識しやすい
- 動きが一定になることで日々続けていれば、動く範囲が増えたことがわかりやすいく達成感を得やすい
- ほんの軽い摩擦だが、抵抗運動の訓練になる
などの特徴があります。
全体的に、こちらも痛みの強い時期(時に発症初期)には痛みが強くなりやすいため、初期にはあまり勧められない体操です。 スポンサーリンク
1、肩の屈曲みがき
- 机と平行に座り、タオルの上に手を置きます。
机の高さはあまり気にしないで結構ですが、やってみて辛かったら椅子の高さをあげましょう ! - まっすぐゆっくり前に押し出していきます。
勢いよく行き過ぎると痛みが出やすくなります。
2、肩の水平みがき
- 机にむかって座ります。
- タオルの上に置いた手をゆっくり左右に机を拭くように動かしていきます。
3、肩のワイパー運動
- 水平みがきのように机にむかって座ります。
- 脇に隙間ができないように肘から肩までの腕を身体にくっつけます。
- タオルの上に置いた手をゆっくり左右に机を拭くように動かしていきます。
肘まわし体操
肩の関節は、腕の骨と肩甲骨が繋がる場所で肩甲骨は肩の動きに常に連動しています。
肩の関節の動きをよくするためには、動きの土台となる肩甲骨の動きをよくしておくことが必要ということでこの体操!!
肘まわし体操のやり方
- 手を肩の腕に乗せます。
これで肩関節の動きにならないで肩甲骨を動かすことができます。 - 肘で円を描くようにぐるぐる回します。
タオル(棒)体操
『タオル』や『棒』を使ってする体操です。これは、痛めていない手の助けを借りながら肩の訓練ができます。
どちらを使っていただいても構いませんが、今回はより身近なタオルを使ってみましょう!
タオル体操のやり方
タオルの握った状態で、
- 両腕を上に伸ばしたり
- 腕を横に傾けたり
- 腕を後ろからまわして
上に持ち上げたり
横に引っ張ったり
- お風呂で背中を洗うようにしたりして
肩を動かします。
身近でやりやすい体操で、少し痛みが和らいできた時期からはじめることをおすすめします。
うちわ扇ぎ体操(ワイパー体操)
肩関節の内・外旋というねじりの動きは、肩の運動制限の中でも最後までなかなかよくなりません。
その動きをうちわを扇ぐことで空気抵抗による訓練をします。仰ぐ速さで抵抗が調節できる点がテーブルサンディングとの違いになります。
ワイパー体操のやり方
- うちわをもちます。
- テーブルに肘をついた状態で肘から手を使った動きでうちわを扇ぎます。
手首だけでうちわを扇いではいけません。
おわりに
病院では、これを紹介した順番にある程度そって指導することが多いです。
そのときやるべきかやらないべきかを決める絶対の基準は、『痛み』です。
痛みという身体からのストップ信号に、真っ向から逆らってしまうと痛みが悪化したりすることになります。
『痛み』がないか、あってもごくわずかなものから少しずつ少しずつ取り入れていくことを原則に行っていくことが大切です。
運動療法を行っていけば必ず改善していきます。少しペースが遅くても焦ってはいけません!
何よりしていけないことは、
『結果を早く手に入れたいと焦ってきつくして悪化させてしまう』
ことです。
この最悪の事態だけはきっちり避けて取り組んでいきましょう!
『四十肩(五十肩)』を含めた、他の『肩の疾患』についても知っておきたいと思われた方はこちらをご覧ください!
「「肩・腕が痛い!」とき、知って安心の『肩の疾患』をまとめて紹介!」
お身体に関するお悩み解消にお役に立てる情報が提供できていますと幸いです。
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と思われた方は、こちらで直接診せていただくこともできます。
お問合せお待ちしております
ご丁寧に指導をしていただき、ありがとうございました。今現在両肩がすごく痛いのですが、今後に向けての心構えができました。
このページを見ながら実践してみたところ、
痛みがで始める角度が深くなり、腕がいつもより上に上がるようになりました。
これからも続けたいと思います。
ありがとうございます!
当サイトをごらんいただきありがとうございます。
痛いところを歯を食いしばってやるのではなく、自分のできる範囲から徐々に行うことが大切です。
コツコツやれば結果は伴いますので焦らず取り組んでいってください
今まさに五十肩の痛みまっしぐらの者です。
肩の痛さより筋肉が固まって動かなくなる
キリキリした痛さの方が辛くて
なるべく動かすようにしています。
(趣味でバレエをしていますので、
先生に五十肩の状況をお伝えし、
負担にならない範囲で
レッスンにも参加しています)
後ろに回した手を上げる動作は今はできませんが
(ブラのホックが留められない)
少しずつこちらで紹介されているエクササイズを
生活に取り入れて、
痛さから開放されたいです。
素晴らしいコンテンツを、どうもありがとうございました。
当サイトをごらんいただきありがとうございます。
がむしゃらにやりすぎても問題ですし、難しいところですが痛みの程度をみながら地道に取り組んでいただければと思います。
肩の痛みを治療して3か月が経った頃、リハビリを勧められて、痛みが多少あってもリハビリして行くように言われました。なので、痛みをこらえて動かしてみると痛みは強くなり、その割には効果も見られずいつまでも続く痛みにどうにかなってしまっているのか?と不安になったりしていました。
このサイトを読んで、焦ってはいけない事・痛みのサインに注意する事を知りました。
今後、遅い経過になっても焦らずに痛みを考えながらやって行きたいと思います。
ありがとうございました。
夏位から四十肩の兆候が見られ、その時はまだ腕も普通に挙がる状況でした。
なかなか治らないので整形外科に行きレントゲンを撮りましたが、やはり所謂四十肩との事で、痛み止めのみ処方されました。
その後、悪化の一途を辿っており(涙)、どうにかならないものかと情報収集していて、こちらにたどり着きました。
この肩の運動をしてる際に、コキコキと関節が鳴るんですが(夏の兆候時から)、関節が鳴る事は無視しても大丈夫でしょうか。
痛みは鳴っている関節部分ではなく筋の部分ですが、リハビリ時の関節音については気にしなくてよろしいのでしょうか?
当サイトをご覧いただきありがとうございます
音がコキコキと鳴ることはありますが、基本的には痛みが伴っていないで音だけならさほど心配されなくても構いません。
痛みがあるようなら、今はその種目はやめて他のものを進めることがよいと考えます。
ポキポキ音が鳴ることについて詳しくこちらで取り扱っておりますのでよろしければお読みください。
http://ne-stra.jp/4957.html
冬から左が四十肩です。
なってからも肩を使っていたためか、急性期?が少し長く、1ヶ月ほど前から、ようやく楽になってきました。
読ませていただいて、振り子体操をしております。
若干効果を感じてきいて、本当に助かっております。
体操は、痛くならなければ頻繁にやったほうが良いのでしょうか。
今はお風呂上がりのみなのですが、最低1日何回かやったほうが良いのかなと思っております。
それと、右肩が少しだけ痛いことが最近少しあります。
こちらも四十肩になると本当に困るので、予防法などありましたら教えていただけませんでしょうか。
今は、使う前に肩をゆっくり回す、痛くなったら冷やすことを頭の隅に入れておくくらいしか知りません。
(まだ冷やす程ではありませんが)
よろしくお願いいたします。
当サイトをご覧いただきありがとうございます
体操は、慣れにあわせて増やしていくと良いです
1日1回10回から1日1回20回.1日2回20回、みたいな感じでどんどん、回数や頻度を増やしていくのをおすすめします
予防的には、肩甲骨や肩を無理ない範囲でよく動かしておくことがよいです、肩こり体操とかストレッチでも構いません