腰椎椎間板症とは?原因や症状から正しい対処方法を知りましょう!
「あなたの腰痛の原因は腰の骨の椎間板が傷んでいるからです」
と、『腰椎椎間板症』という病名を告げられたとき、ただの腰痛だと思っていた方はちょっとビックリされるかもしれません。
「椎間板が傷んだっていうけどなぜそんなことになったの?」
「椎間板ヘルニアと似ているけど、何が違うの?」
「コルセットはしないといけない?どんな治療をしていくのがいいのかな?」
など、気になることはあれこれあるかと思います。
そこで、今回は『腰椎椎間板症』について正しい知識を知ってこれらの疑問をすっきり解消していきましょう。
自分だけ腰椎の椎間板がなぜ傷んでしまったんだろうか?
背骨は積み木のように縦に積み重なっておりますが、自由に動く中で体重から来る衝撃をうまく吸収する必要があります。
そこで、背骨のひとつひとつの間には『椎間板』というクッションの役割をした組織が挟まれています
常にクッションの役割をしてくれている椎間板は、おおよそ30歳以降からは少しずつ傷んでくると言われています。
その椎間板の傷み方が強かったり、傷んだところから神経を刺激してしまうことで腰痛やお尻が痛いなどの症状が出るものを『腰椎椎間板症』と呼びます。
腰椎椎間板症は,
- 椎間板は誰しもが加齢に伴って傷んでしまう部分
- 負担が強くて人より傷み方がきつかったのか
- 傷み方がたまたま神経を刺激する状態であったのか
で、そこまですごく特別な状態が起こっているというわけではないと理解しておくとよいでしょう。
腰椎椎間板症の診断を下した根拠や自分に起きてくる症状とは?
実際、『腰椎椎間板症』の診断名が用いられやすいのが、
- レントゲンで骨や椎間板の部分が正常ではなく傷んでいるものがみられる
- ヘルニアやすべり症・脊柱管狭窄症など他の重症の疾患には特に当てはまる様子がない
変形性腰椎症の前段階なども含めた、他の有名な疾患の前段階のような扱いでつけられることが多い疾患です。
「腰で有名なヘルニアとかみたいに明らかにおかしくなっている部分は特になかったんだ」
とまずは思っていただくと気持ちが軽くなるのではないでしょうか?
そして、症状は『腰からおしりのあたりまでに起こる痛み』が主だったものになります。
坐骨神経痛やヘルニアなどでは、足のしびれが出たり、感覚が鈍くなったり、脚に力が入らなかったりなどの神経症状も出ますが、腰椎椎間板症ではそれはみられません。
腰椎椎間板症とぎっくり腰やヘルニアとの関連やその違いについて
椎間板症は、ぎっくり腰になりやすいなどとその関連を言われることがありますが直接の関係性はほぼないと思っておくとよいでしょう。
椎間板症であることは、腰まわりに負担をすごくかけている方が多く、そういう方がぎっくり腰になる経験をされることからその関係を結び付けることでそのような説が出てくるのかもしれません。
そして、同じ椎間板に問題が起こっている
- 腰椎椎間板症
- 腰椎椎間板ヘルニア
の違いについて、椎間板が傷んでいることには変わりありませんが、痛んでいる状態や出てくる症状が違うことから病名が変わっています。
椎間板が上下の挟み込まれる力によって外に飛び出したものを『椎間板ヘルニア』と呼びます。
ハンバーガーを食べようと手前側をガブリと食べたら後ろから具やソースがはみ出した経験をされたことはありませんか?
あのように本来あるべき位置から力が加わることで外に飛び出す状態を英語で『ヘルニア(hernia)』と呼びます。
ただ傷んだだけでなく位置が飛び出したものをヘルニア、飛び出していないものは椎間板症と分けるとわかりやすいでしょう。
そして、症状は先ほどにも少し触れましたが、
- 椎間板症
→主に腰まわりの痛み - ヘルニア
→腰から足先までに痛みやしびれ・感覚鈍麻・筋力低下を中心とした症状が出る
という違いがあります。
ただし、どちらも症状も自然に治っていくことが期待できるという点では共通しています。
(重篤な場合は手術適応になることもありますが、それはあまり多くありません)
腰椎椎間板症の治療や日常生活で気を付けておきたいことは?
腰椎椎間板症では、基本的には腰に負担のかかることを避けるのを原則とします。
特に、
- じっと座ったり立ったりすること
- 腰を反らせる動作をすること
- 重いものを持ち上げたりしない
- うつ伏せにはならない
- 仰向けでも膝裏に何かクッションなどを入れて膝や股関節を少し曲げるようにする
などがあります。
腰椎椎間板症の方は仰向けで足を持ち上げる動作をすると腰痛が出やすいという特徴があることも言われています
参考文献:最新整形外科学体系 12巻胸腰椎・仙椎 腰椎椎間板症 中山書店
腰が不安定な状態は負担の原因になりますので、コルセットを着けるのもひとつの方法でしょう。
ただし、コルセットを着けるだけでは効果があまり高くありませんのでそれだけで対処を終わりにしないようにしてください。
運動療法や治療方法との組み合わせは必ず検討しましょう。
腰椎椎間板症の治療を自分でするにはストレッチ体操や筋トレが有効
椎間板症では、一般的な腰痛と同じ対応をしていくことで症状を解消していくことができます。
コルセットを着けたり、仕事で無理を避けたり、日常生活を気を付けたりはもちろんですが、自分で腰まわりの筋肉バランスをととのえるのは効果的でしょう。
それには、腰痛体操やストレッチ、筋トレなど自分ができるものをしていただくとよいです。
もし、おすすめのストレッチなどを知りたいと思われた方はこちらをお読みください。
「腰痛解消にストレッチは危険!?肩こりも一緒に解消する腰痛体操とは」
おわりに
腰椎椎間板症は、腰まわりの骨や関節・椎間板が傷んでいるけど、ヘルニアやすべり症などの他の重篤な疾患に該当しないときなどによく付けられる病名です。
そのため、症状は一般的な腰痛とおおよそ同じものだと解釈しても差し支えはありません。
ただし、ただの腰痛とは違って、レントゲンなどで画像的に正常でない変化は何かしらみられているということは確かなのです。
基本的な対処は自分で負担を減らす努力をし、身体の状態をよくするために体操などをがんばる、これをすることが重要になりますので、重篤な状態ではなさそうだ、と不安が解消された今からコツコツとできることをして症状を早く解消していっていただければと思います。
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