膝が痛くて正座が辛くなったとき、安全なケアでまた座りたい人がする体操や対策は?
「正座をすると痛みを感じるようになってきた」
自然と正座で座ってしまうという方は多くいらっしゃいます。
椅子生活が一般的になってきているとはいえ、床に座ったり畳などであれば自然に正座をしてしまうことも多いことでしょう。
「正座をすると気持ちがシャキッとして心地よいから好き」
「腰痛持ちですが、正座が1番腰に負担がかからない」
など正座をすることで、腰(骨盤)が立って背筋がまっすぐ伸びてくることによって感じることでしょう。
そのように正座によって得られる効果を感覚でわかっている方にとって正座ができないというのは辛いものですが、きちんと対処していくことで痛みを解消していくことも可能です。
そこで、今回は膝に痛みがあって正座ができないという方におすすめの体操を紹介します。
痛みがとれるまでは正座は中止しましょう
まず最初に膝の状態が悪くて正座が負担になっていますので、今無理に行うのはおすすめできません。
痛みがとれるまでは正座をなんとか我慢するように努めてください。
「正座をしちゃいけないのはわかるけど、床生活だからしてしまう」
という方は、正座椅子などの正座の負担を減らして座るサポートグッズを使ったりしてみるのがお勧めです。
膝の痛みを解消するための体操
膝が痛い方はまず骨盤まわりのバランスから整えなければいけません。
それは、膝を動かす筋肉は膝まわりだけについているわけではなくて、骨盤まわりからたくさんつながっているためです。
骨盤の状態をよくすることは、膝を動かす筋肉の状態をよくしていることと同じ効果が得られますし安全に行えます。
では順番に実践していってみましょう。
1.ドローイン+ペルビックカール
膝が悪い方が確実に弱くなっている腹筋とお尻の筋肉を刺激しながら背筋を伸ばしていきます。
- 仰向けに寝て膝を三角に立てます。
肩甲骨を寄せて肩を床にしっかりくっつけて胸を張ります。 - 背筋を伸ばしてお腹を凹ませて腰と床の隙間をなくすようにしていきます。
- お尻に力を入れてお尻の下側を少し床から浮かせます。
- 10秒このポーズを保ちます。
これを繰り返しているだけで終わった後の姿勢がよくなりますし、軽い人はこれだけで膝の痛みが改善されていきます。
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2.ヒップリフト
- 仰向けに寝て膝を三角に立てます。
- 腰が反らないようにお腹をしっかり凹めておきながら脚の付け根から天井にお尻をもちあげていきます。
- 10~15回繰り返します。
3.カエル足のポーズ
次は骨盤・股関節まわりをしっかり動かして筋肉をほぐして、膝まわりの筋肉をゆるめていきます。
- うつ伏せになります。
膝を痛めていますので膝が痛くならないように床が柔らかいところで行うなり工夫してみてください。 - 片膝を脇の方に近づけるように引き上げます。
- 余裕があれば肘をついて身体を少し起こしてもよいでしょう。
- 10~20秒程度ポーズを保ちます。
無理なく心地よい範囲で動かしていってください。
4.膝曲げ前屈ストレッチ
膝が痛い人で軽症の場合には、膝は曲げきれないけど伸ばすのは問題ないという状態にある傾向が強いです。
その場合には、膝の裏側の筋肉(ハムストリング)をしっかり伸ばしていくこともできます。
- 脚を伸ばして座ります。
- 膝を少し曲げて両腕で太ももを抱え込みます。
- 少しずつ膝を伸ばしていって太もも・膝の裏側の筋肉を伸ばしていきます。
- 自分でいける最大のところまできましたら10秒このポーズを保ちます。
5.膝捻りエクササイズ
- 膝が直角くらいになる高さの椅子に座ります。
高さはだいたいでかまいません。 - 両太ももを手で軽く動かないように押さえておきます。
- 床につけた踵を支点にして足先を内外に捻じっていきます。
捻りきったら5秒そのポーズを保ちます。
もしまわして違和感や痛みがある場合は、その方向には動かしません。 - 10~15回を目安に繰り返します。
膝まわりの筋肉を鍛えるのはバランスをとった後がおすすめ
膝が痛いときに一般的に「筋肉が落ちているのがよくないから筋トレをした方がいい」と言われます。
確かに、筋肉が落ちていることも原因でしょうが痛みが強いままで筋トレをしても効果的に筋肉がつきません。
そこで、お勧めの順序は
- まずは上記のバランスをとるエクササイズをしっかりやって筋肉バランスをとる
- 筋トレは膝に負担が直接かかりにくいものからおこなう
「膝痛予防や治療に筋トレ効果もある誰でも簡単な体操のやり方を!」
で進めていっていただければと思います。
「筋肉をつけることが痛みを解消するために必要だから」
と痛みを我慢して筋トレするのは1番よくありません。
それでは効果が出ないどころか逆効果で悪化させてしまう可能性もあります。
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生活の基本は膝が痛い動きは避けていくこと
膝が痛いときは、どんな理由があっても膝に痛みや違和感が出る動きは控えていくのがベストです。
どうしても生活上してしまうというもの以外の意識的に変えられるところから負担を減らす努力は大切です。
痛みの出る動作を避ける努力と体操が車の両輪のように回りだしたときに効果が一気に出てきます。
正座は長時間しないのが基本
早めに対処して再び正座ができるくらいまで改善されたならそれは非常にうれしいことですが、ここでひとつ確認しておきます。
正座だけに限らず、椅子に座るのもあぐらでも何でもそうですが、ヒトの身体は同じ体勢でずっといるとバランスを崩して1か所に負担を蓄積させてしまいます。
正座をするときはずっと座っている時間を15~20分までを最長としておくことをおすすめします。
時間が経ったら、違う座り方にして足を崩したり、1度立ってトイレに行ったりするのがよいでしょう。
おすすめの正座の方法
正座をされている方におすすめの正座の仕方ですが、正座で少し気になるところが
- 足先が内側に捻じれてしまうこと
- 膝が完全に曲がって体重がかかっていること
があります。
その状態を緩和するために、座布団やクッションを使って
- 足首のところまで座布団に座ります
足首の曲がり角度が減るので足先をまっすぐに向けやすくなり、足がしびれにくくなります - 膝の間にクッションを挟む
膝が完全に曲がってしまわないので、曲がり角度が浅い状態で座っていられます
などを試してみられることで正座のいい効果は得られながら、負担を軽減させることに繋がります。
おわりに
正座をすると膝が痛い!という方はまず正座を控えてしっかりケアをしていくように気持ちを切り替えることが大切です。
特に正座はできるけど痛みがあるというような方はまだまだ初期段階ですから、しっかりケアすることで解消することができるでしょう。
正座は時に膝に良くないと言って最近は嫌厭されがちです。
しかし、正座をずっと続けている文化があってそれにはきちんと続けられる理由(恩恵)があります。
実際に膝が痛くない人で、する時間などをきちんとすれば膝を痛めるリスクは考えなくてもよいでしょう。
そのように正座による恩恵をたくさん享受していただくためにまずは痛みを改善していただければと思いますので、コツコツ実践していただければと考えます。
お身体に関するお悩み解消にお役に立てる情報が提供できていますと幸いです。
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