ヘルニアと診断されても怖くないケースは多くある!?
腰や首に起こりやすい『椎間板ヘルニア』と病院に行って診断された方や、昔に診断されたという方は
「ヘルニアになってしまったけどどうしたらいいの?」
と医師は診断だけで詳細を説明してくれないことがほとんどなので、自分のヘルニアがどんな状態かわからず不安になられると思います。
ヘルニアと診断された多くの方にはまったく大したことがない『仮ヘルニア』と言えるようなものも多いです。
そこで、今回は腰や首のヘルニアの方に多い
- 心配する必要がほぼない仮ヘルニアとは?
- ヘルニアの重症度を自分で見極めて対処の仕方を知る
- ヘルニアについてもたれている誤解
などについていろいろ知っていただいて適切な対処をしていただければと思います。
私のヘルニアの症状は重症なの?程度を知る方法
最初に同じヘルニアと診断される方にも症状の出方の程度に大きく差があります。
ご自身でチェックしやすい段階を
- 肩首のこりや腰痛があるだけ
- 腕や脚にしびれや痛みが出ている
- しびれや痛みだけでなく力も入れにくい
- 痛みやしびれなどで日常生活に支障が出てきている
- 歩きにくい、手が使えない、排泄がおかしい
5つに分けて紹介していきます。
1.肩首のこりや腰痛があるだけ
「肩首のこり(腰痛)があって病院に行ったらヘルニアと言われてびっくりした」
のような普通のこりかな?くらいの症状なのに診断された場合です。
このような場合の多くは『MRI』での確定診断もなくとりあえず病名がつけられているような状態でヘルニア固有の症状も確認されない場合です。
「昔にヘルニアと言われた」
と言う方に多いタイプで、これはいわゆる病名だけはヘルニアですが実際はヘルニアの症状がない『仮ヘルニア』状態を言います。
2.腕や手・脚などにしびれや痛みがある
首や腰の神経に何かしらの障害が起こっていて、ヘルニアで起こる症状とも言える状態です。
この場合でも『MRI』での確定診断がなければ、
- 手や指のしびれ
頚椎症性神経根症、胸郭出口症候群 - 太ももや足のしびれ
坐骨神経痛
などの可能性もあって、ヘルニアとは言い切れません。
どちらにしても治療は同じで特別な治療はまだまだ必要ではなく経過観察になるケースが多いこれも『仮ヘルニア』の中に入れることができると思われます。
3.しびれや痛みだけでなく力も入れにくい
明らかな神経症状が出ていて『MRI』でヘルニアと確定診断を受けられている方も多いかもしれません。
痛みなどが強い場合には、薬の処方を受けられたり筋力低下の程度などを医療機関で経過観察してもらっておいてもよいかもしれません。
この段階でやっと病院に行く必要が出ると思っていただいてもよいでしょう。
4.しびれや痛みで日常生活を送るのが辛い
神経症状が強くて、とてもつらい状態になってきます。
そのまま薬を服用しながら自然に治るのを待つ対応でいいのですが、仕事や家事などで早く症状を改善したい場合には手術療法も検討されてきます。
手術はあくまでも症状のつらさを受け容れられない場合の選択肢なので医師から積極的に勧められることはありません。
5.歩行障害、巧緻運動障害、膀胱直腸障害
歩いたり、手を使うという日常生活の基本動作が力が入らなくてままならないようなときや尿や便などに問題が起こっているときには、積極的に手術をすることが検討されます。
この段階の場合には、すでに病院で対応されているはずです。
ヘルニアになったときの基本的な対応について
この5つの段階によって対応が変わります。
- 肩首のこりや腰痛があるだけ
ヘルニアと言われても特有の症状もなく軽症にあたりますので、『仮ヘルニア』と思ってあまり深いことを気にせず今ある痛みのケアを進めていけばいい状態でしょう。 - 腕や脚にしびれや痛みが出ている
ヘルニアなのかもしれませんが違うかもしれません。
ただどちらにしても自然に治ることが十分期待できますのでセルフケアに努められるのでよいでしょう。 - しびれや痛みだけでなく力も入れにくい
症状が強いようであれば念のため病院に行った方がいいかもしれませんが、急ぎではありません。 - 痛みやしびれなどで日常生活に支障が出てきている
症状によって、症状を抑えるために薬の処方を受けられた方がよいでしょうし、きちんと診断を受けておくほうが安心でしょう。 - 歩きにくい、手が使えない、排泄がおかしい
病院に行って適切な処置を受けられることがよいでしょう。
この中の1,2段階の方が非常に多くこのような方は、
「ヘルニアだから・・」と不安になったり嘆いたりせずに、ヘルニアだったとしてもいずれは治りますから病名のことは改善を目指して過ごされることをお勧めします。
ヘルニアの飛び出し方と重症度はさほど関係ない
ヘルニアと確定診断するためには、『MRI』撮影が必要ですが確定診断しても治療内容が変わらないケースが多いのでそこまで確定診断にこだわる必要はありません。
実際に撮影されてヘルニアが確認されても
- 飛び出した程度と症状の強さは一致しない
- 自然吸収がされていくメカニズムもあるのでいつまでも飛び出しているとは限らない
ことがありますので、実際の症状がどうか?をしっかりみて対応していけばそこまで不安になる必要はありません。
ヘルニアと一生付き合うなんてことはない
持病のようにヘルニアを患っているという方が多いですが、実際はそんなことはありません。
ヘルニアは症状はいずれ治まっていくのが一般的ですし、飛び出したものも長くても数年以内に自然吸収されていく傾向にあります。
そのため、腰痛がいつまでもあってヘルニアのせいにしているのはヘルニアのせいにしているだけだと知っておいてください。
手術療法や緊急性を必要とするものは?
病院を受診して特に説明もなく帰されるケースにおいては、手術適応や緊急性のある方でないと医師が判断されている結果です。
基本的には、急激に日常生活がままならないような症状が襲ってきて原因がヘルニアにある場合は手術適応になるでしょう。
おわりに
今回はヘルニアと診断されたときに、自分の症状などの程度がどのくらなのか?それにあわせてどのような対応をするべきなのか?について紹介してきました。
ヘルニアという病名はよく耳にしますが自分が実際なられると不安が大きいと思います。
ただ、実際はヘルニアと診断されてもそんなに心配する必要がない、そんなこと忘れてしまった方がいいくらいの方が非常に多いことを知っていただければと思います。
ヘルニアと言っても自然に症状は治まっていきますし、結局症状を早く和らげるにはセルフケアをしないといけないことなどは単なる腰痛・肩こりなどと何も変わりません。
それをヘルニアのせいにして何もしないでズルズル症状を引きずってしまう方が多いのをみていて
「もっと適切に対処したら早く楽になるのに・・」
という思いをいつも持っていました。
今回お読みいただいたみなさんが少しでも安心してケアして早くつらい症状から解放されてほしいと思います。
お身体に関するお悩み解消にお役に立てる情報が提供できていますと幸いです。
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