浅い呼吸がつくるからだの不調を解消する呼吸筋ストレッチのやり方とは
「何をしても疲れやすいのは呼吸が浅いせいかなあ」
呼吸が浅いことで、疲れやすかったり、肩こりや背中のこりがでたり、風邪をひきやすくなったり、いろいろな身体の不調を引き起こすと言われています。
めいっぱい胸を膨らませて大きく息を吸っている姿を想像するととても気持ちよさそうです。
そこで自分もマネをしてみようとすると
「あれっ?なんか全然息が吸い込めない・・」
と、浅い呼吸が習慣になってしまったせいで自分が息を深く吸い込みにくくなってしまっています。
その原因は空気が入って膨らむ胸のまわりの筋肉がガチガチに硬くなってしまっているからです。
呼吸が浅いのを何とかしたい方は、硬くなった呼吸に関係する筋肉をしっかりストレッチしてほぐしていくことが大切です。
深い呼吸が自然にできるように筋肉をリセットするのに効果的なストレッチ体操を紹介しますので実践して呼吸の変化を感じてみてください。
浅い呼吸になる1番の原因は猫背!背筋をすっきり伸ばせるストレッチ体操から
呼吸を浅く、質の低下を招いてしまう1番の原因は『猫背(円背)』です。
猫背になると、胸が圧迫されてしまって一定以上に膨らむことができません。
よって、たくさん息を吸えない分呼吸が浅くなります。
試しに、背筋をまっすぐ伸ばして息をめいっぱい吸ってみましょう!そのときどのくらい息が吸えるかを覚えておきましょう!
そして、次に背中を後ろに引いて顎を前に突き出して『猫背』をわざと作ってみます。その状態で息をめいっぱい息を吸ってみましょう!
この2パターンの息の吸い心地・呼吸のスムースさを比べてみてください。
間違いなく『猫背(円背)』は呼吸に悪い影響を与えていますね。
では、まずその根本にあたる『猫背』を解消する体操から紹介していきます。
1、椅子アッパーバックエクステンション
まず、背もたれの硬い椅子を用意しましょう!
パイプ椅子みたいなのでも結構です。
- 椅子に座ります。背もたれの縁に背中を軽く当ててみます。
このとき、お尻の位置を出し引きすると背中が当たる場所を変えることができますので、「ここが一番もたれたときに背中が硬い気がする」というポジションを決めます - 足先はつま先立ちか両足を浮かせるようにします。
どちらかできる方で構いません。
- 両腕を頭上に伸ばします。息を吸うのに合わせて大きく身体を反らせます。
息を吐くときはそのままじっとして、また次の息を吸うときに身体を更に反らせようとします - 4呼吸分ほどを目安に反らせます。
目標回数 3~5回 3セット
動画による解説をご覧になりたい方はこちらをどうぞ
このときの呼吸は、一般的に言われているストレッチと逆にわざとしておりますがこの種目に関してはこの呼吸で行ってみてください。
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呼吸筋をゆるめる
先ほどの種目でかなり猫背が改善され呼吸に関わる筋肉にも心地よいストレッチがかかってきますので、終わった後に呼吸のしやすさをすでに感じていただけるようになっていることでしょう。
ここから更に呼吸に関わる筋肉で縮こまってしまっている筋肉のストレッチをしていきたいと思います。
2、マーメイド
これは椅子に座ったままで行っても構いませんが、床に座ってできる場合はそちらをお勧めします。今回は両方の方法を紹介しておきます。
- 椅子の方は足を組みます。
床の方は正座からお尻を片側に下ろす『女の子座り』になります。
- 両腕を頭上で組んで背筋を伸ばします。
- 吸う息に合わせて椅子であれば足を乗せた足側に身体を傾けます。
床の方はお尻を下ろした側に身体を傾けます。
息を吐くときはそのままじっとして、また次の息を吸うときに身体を更に反らせようとします - 4呼吸分ほどを目安に傾けます。
- 次に傾ける側と逆側に身体を少し捻じってから身体を横に傾けていきます。
注意点は真横に傾けるときと同じです。
目標回数 3~5回 3セット
3、ショルダーシュラッグリリース
次は、椅子の方はそのまま座って、床の方は正座かあぐらですわりましょう!
- 両腕をももの付け根にあてます。
- 肘をまっすぐ伸ばして、背筋を伸ばした状態で身体を背伸びしながら前に傾けていきます。
このとき、腕・肩はそのまま動かないようにすると肩が後ろに下がり背中が締まってくるのがわかります。
- 呼吸は吸うときに前へ傾け、吐くときに動きを止めます。
- 4呼吸分ほどを目安に傾けます。
目標回数 2~3回 3セット スポンサーリンク
深い呼吸と身体の連動を意識してみる
猫背を解消し、深い呼吸をするときに妨げになる筋肉をゆるめることができましたのでみなさんの呼吸は一生懸命しないでも自然に深いものになってきているのを実感できているはずです。
ここで終わっていただいても構いませんが、最後の仕上げに
- 呼吸に合わせた身体の連動
- 最大に深い呼吸をする
練習をすることで、より深い呼吸の体感・習得効果が得られます。
また、一緒に『肩こり・首こり』も一緒に解消されてきますので、できればこの後も実践してみてくださいませ。
バンザイ体操
まずは、
- 肩こり・首こり解消
- ウエスト引き締め効果
- ヒップアップ効果
などの全身に様々な良い効果をもたらしてくれる体操をしながら、呼吸を実感してみましょう!
- まっすぐ自然体で立ちます。
- 片足を前に一歩踏み出す動きにあわせて両腕を挙げます。
- 目線は正面を向き、肘は軽く曲げておき、
お腹が前に出ないようにお腹を凹ませておき後ろ足で床を蹴る意識をもっておこなってください。
正しくできていれば・背中の引き締まり・おなかのハリ感・後ろ足側のお尻の引き締めを感じていただけます。 - これは運動として行いますので、リズムよく左右で20回行います。
目標回数 2~3セット
肩すくめ
呼吸が浅くなっている方は、息を吸ったとき胸が全体的に広がりにくくなります。
そこで、今回紹介させていただいている体操を実践していっていただくと息を吸うときの
- 胸の広がりが大きくなる
- 楽に呼吸ができるようになる
などの効果が実感できてきていらっしゃると思います。
それでも十分なのですが、更にもうひと押し呼吸をしやすくするためにいしきしていただきたポイントが
『胸(胸郭:きょうかく)の上側』
をしっかり膨らませることです。
ここがしっかり呼吸で使えてくれば、
- 呼吸が更に深くなり、楽にできるようになる
- 肩こり・首こり解消
- 肩・腕・手首など(上肢)の動かしやすさ、コリの解消
につながってきます。
その練習方法をご紹介していきます。
- 肩側の手で『鎖骨の下の胸』を軽く触っておきます。
これは押さえる目的ではありません。
触っている部分がしっかり膨らむように呼吸ができているか確認するためです。 - まずは深呼吸を何度かしながら膨らみ具合を意識できるか確認しましょう!
- 次に肩を軽くすくめ(少し上に挙げ)、深く息を吸い込みます。
これで更に深い呼吸が練習しやすくなります。 - 5~10回深呼吸をします。
最初は、手でタッチして練習することをお勧めします。
慣れてくれば両腕を下ろしたままで両肩同時に行っていただいて結構です。
腹式・胸式呼吸
最後は、全力を使って呼吸を行います。
この呼吸には最初で説明しました
- 胸式呼吸
- 腹式呼吸
がありますが、その両方を使おうというものです。
この呼吸をするときは、基本的に
- 背筋を伸ばして良い姿勢で行います。
- 今までの体操をある程度やってから行うと効果的です。
- 息を吸うときは鼻から吸います。
- 息を吐くときは、鼻からもしくは口から吐くようにします。どちらでも構いません。
ことを注意して
- 目いっぱい腹式呼吸で息を吸い込みお腹を膨らませます。
そのまま、胸式呼吸で胸を膨らませながら更に息を吸い込み続けます。
- 先ほどと逆で胸式呼吸で目いっぱい胸を膨らませ、
その後にお腹を膨らませながら腹式呼吸を行います。
- 最後は、『胸式・腹式呼吸』を同時に一気に行います。
目標回数 5~10回 3セット
おわりに
今回は、深い呼吸を楽にできるようにするための手順を
- 呼吸の質を悪くする根本原因である猫背の解消
- 深い呼吸をするときに硬くなっていては困る筋肉群をほぐす体操で呼吸をしやすくする
- せっかく深くなった呼吸が悪い方向に戻りにくくするための強化体操
と、いう流れで紹介させていただきました。
深い呼吸を楽にできることを実感していただけましたか?
ここまできちんと実践していただけたなら、個人差はあるかもしれませんがかなり心地よい身体の感覚を感じていただけていることでしょう!
呼吸の質を改善することで
- 身体が軽くなることで疲労解消・疲労蓄積予防
- 気持ちもすっきり軽くなることでストレスに負けない心身を養う
- 免疫力アップで体調を崩しにくい
- プロポーションの改善、肌や胃腸の調子が良くなる
など数えきれないくらいの良い効果が出てきます。
「いつも何気にしている呼吸をただ変えるだけでほんとにこんなに効果があるの?」
とややうさんくささを感じる方もいらっしゃることでしょう。
しかし、それはあなたが当たり前にしてくれている『呼吸』のことを知らずに軽く見てしまっているだけに過ぎません。
両親や家族・友達など、いて当たり前で軽んじてしまって離れたときに大切さを実感するのと同じようなものです。
生まれたときから絶え間なく働き続けてくれている『呼吸』の機能が与えてくれる恩恵を見直して、よい身体との付き合い方を見出していただけるきっかけになっていただけたなら幸いです。
お身体に関するお悩み解消にお役に立てる情報が提供できていますと幸いです。
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