肩こりは治療に行かなくても、簡単な指圧やほぐし体操で自分で解消できます
「昔からずっと肩がこっててマッサージに行くけど、楽なのはそのときだけ・・」
「肩が凝っているときに自分でストレッチなどをしたいけど何をしていいかわからない」
と、慢性的な肩こりに悩まされていて、自分でなんとかできるものならしたいと思われている方は結構多くいらっしゃると思います。
肩がこっているときに、
- 肩のマッサージをしたり
- 湿布を貼ったり
- お風呂で湯船につかったり
すると、そのときはほぐされた気がして楽になりますけど、すぐに元に戻りがちです。
実際に、マッサージ治療や湿布などは経済的なことや、かぶれを考えると、毎日するわけにもいきませんので、
「自分でできることは自分でやるしかないか・・」
というところに行き着いていると思います。
そこで、実際に肩こり体操やストレッチなどから取り組んでみようとされた方に、少しでもその効果を高めるにはどうしたらいいのかについてご紹介していきたいと思います。
揺らしてほぐすとその後の効果が大きくかわる
普段、身体はじっとして頭の中はせわしなく活動してというアンバランスな活動を繰り返していますので肩だけでなく全身がガッチガチに緊張して凝り固まってしまっています。
これらの凝りを簡単にゆるめる方法を紹介します。
- 床に寝られる方は手足を軽く開いて仰向けで寝てください。
無理な方は立っていても座って行ってもかまいません。 - 手足を10秒ほど「ブルブルブル~」と揺らします。
寝ていない方は手を上げて揺らしてみてください - 揺らし終わったら、じっと止まって脱力します。
すると、身体の余計な筋肉の緊張が取れたり、血流がよくなって温かくなる感覚がたったこれだけのことをしただけでも得られます。
みなさんは普段これを感じることがないくらい緊張してあわただしく過ごされていることでしょう。 - これを2~5回程度、揺らしては脱力してその余韻を味わってみてください。
これをするだけで、緊張の強い方は抜けてきて身体が軽くなります。
最初に、このような脱力をとる練習をしておけば、後のケアでの効果がより出やすくなります。
座ったり、立ったりの方でも、揺らすことで脱力効果は得られますので是非実践してみてください。
手当てと指圧だけでもポイントを押さえれば十分にほぐせる
姿勢の悪さなどで崩れた筋肉のバランスで起きている頑固な『肩こり』を自分で簡単にゆるめる方法を紹介していきます。
「こっている肩を揉んでほぐせばいいんでしょ!?」
と、ついつい肩に手が伸びそうになるなるかもしれませんが、肩を自分で押したり揉んだりするのは難しくてうまくもめませんので、もっと簡単にできる方法を紹介します。
『肩こり』になる筋肉の代表的なものには
- 僧帽筋(そうぼうきん)
- 肩甲挙筋(けんこうきょきん)
など腕の重さで下がる肩を首から吊り上げている状態にあります。
さらにここで『猫背』で背中が丸まって胸が閉じていきます。そのとき少しでも背中を開こうとする筋肉の代表には
- 菱形筋(りょうけいきん)
がありますが、ここをいきなり揉まないことがポイントです。
これらの筋肉に負担をかけている筋肉が別にあってそこをしっかりゆるめれば自然にこの『肩こり筋』も一緒に緩んでくれます。
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胸・おなかまわりをほぐす
肩の筋肉を緩めるためにまず狙いたい場所としては『胸』です。
「関係なさそうですけど、胸ですか?」
と思う気持ちを抑えてまずはやってみてください。
緩め方は、『ギュ~ッ、ジワ~ッ』って感じで10~20秒押さえっぱなしにするだけです。
押さえる場所は、
- 胸の骨(胸骨)の際にある筋肉の付け根あたり
まずは胸の真ん中を触ってみてください。
ここは『胸骨』という硬い骨です。
そこから数cm(指約1本分くらい)ずらすと早速肋骨や胸の筋肉が触れます。
ここを
・肩こりが強い方→胸の真ん中から鎖骨あたりを中心に
・肩こりと背中のこりが気になる方→胸の真ん中から下、そこから肋骨に沿って
・肩まわり全部が気になる方→鎖骨のところから肋骨まで全部
のところをじんわり押していくだけです。 - 脇まわりをほぐす
脇まわりにはいくつかポイントがあります。
・脇から指3本分くらい内側のところ
・肩甲骨の外側の縁
・脇当たりの肋骨
このあたりで、押してみて特に心地よいポイントを狙ってじんわり押してあげることがおススメです
これらはすべて、ただその場所を「ジワジワ~」っと10秒程度押し続けるだけでゴリゴリ揉む必要もありませんし、特別なテクニックも必要ありません。しいて言えば深呼吸しながらすることくらい意識してもらえればいいでしょう。
押しているだけで、どんどん硬さがとれていってくれて触っていないはずの肩まわりがなぜか軽くなってきます。
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肩こり体操でほぐす
ここまで実践することで『肩こり解消』 を進める邪魔者がかなり少なくなっていますので、先ほど指圧などで緩めた筋肉をさらに緩めるためにの体操を実践していきましょう。
1.ドローイン+アッパーバックエクステンション+深呼吸
まずは、ガチガチの肩まわりを緩めるために、『猫背』と『浅い呼吸』による肩まわりの緊張をとっていきたいと考えます。
- 仰向けに寝て膝を三角に立てます。
足幅は腰幅を目安にしますが自分がおきやすい幅で構いません。
- 手はウエストのくびれのところから骨盤を押さえるようにします。
このとき、肩がすくんで力みがちですが、肩は落としておきましょう。 - お腹をペコッとできるだけ凹ませてきます。
このとき、お腹に力を入れすぎると逆にお腹が膨らんできますが、そうならないよう気を付けてください。 - 手で骨盤を下に下げる力を入れながら上半身は頭の上方向に伸びあがります。
積み木のように重なった背骨のひとつひとつに隙間ができて身長が伸びそうなイメージです。
このとき、普通は腰と首には床との間に隙間ができますが、
その隙間をなくすようにします。 - この状態で深呼吸を行います。
意識は特に息を吸ったときに胸の上(鎖骨の下あたり)がしっかり膨らむイメージを持ちましょう。
深呼吸を5~8回程度繰り返します。
目標回数 10回 3セット
これで、まずは慣れていってください。
慣れてきましたら、背中の丸みのあるところに
- バスタオル
- クッション
- ハーフポール
などを敷いて行うと効果が高まります。
また、『ストレッチポール』をお持ちの方であれば、ポールの上で同じことをされるのも非常に効果的です。
2.四つ這い脇ストレッチ
次に『猫背』をさらに解消されながら、『肩こり』の慢性化の原因になっている先ほど緩めた
- がっちがちに硬くなっている胸や脇まわりの筋肉
をストレッチでほぐしていきます。
- 四つ這いになります。
このとき、手と足の感覚はやや広めにとってください。 - お尻を斜め上天井方向につき出すようにして頭を床につけます。
このときお尻が踵に乗るような動きにはなってはいけません。
余裕があれば鎖骨が床に近づくようにさらに身体を沈めていきましょう! - バリエーションとして、手の幅を広げて行うこともよいです。
- この状態で10~20秒程度います。
目標回数 3~5回 3セット
3.マーメイド
今度は、脇まわりを中心に『肩こり』の方に、閉じた肋骨をしっかり開いてほぐしていきたいと思います。
- 正座で座ります。
- お尻をずらして横座りになります。
あまり足を崩し過ぎないようにしましょう! - お尻をずらした側の腕を挙げて
反対側の手で手首をつかみます。
- お尻をずらした側と逆に身体を弓なりに傾けていきましょう。
このとき、身体が前に倒れないようにやや反り気味くらいの気持ちでおこないます。 - 弓なりの状態を10~20秒を目安におこないます。
また、『ストレッチポール』をお持ちの方であれば、脇の下あたりにあてて弓なりに反る動きをしていただいてもよいでしょう。
肋骨のあたりがしっかり開き効果的ですが、不慣れな方やすごく身体が硬い方などは最初は痛くて辛いかもしれません。
それも慣れればうまくできるようになっていきますが、無理はしないように気を付けてください。
4.鎖骨ひき上げストレッチ
次に、肩こりの人に圧倒的に多いのが、 『鎖骨のラインがきれいじゃない』 というものです。
この沈み込んだ鎖骨をしっかり浮き上がらせ、 『きれいな鎖骨~スラッと伸びる首のライン』 を作っていきます。
これは、美容面と肩こり解消両面に必須なのでしっかりやっていきましょう。
- あぐらで座り、両手は膝をつかむようにして座ります。
- 膝をつかんだ手で肘が後ろに下がるように引きつけながら、バストトップのあたりをやや斜め上に押し出します。
- そのまま、鎖骨の付け根から天井に胸をひき上げます。
- 最後に頭を後ろに可能なだけ下げていきます。
- 背中の筋肉がしまり、胸が開いて、頭が後ろに引けることを感じながら10秒保ちます。
目標回数 3~5回 3セット
5.ショルダーシュラッグ+深呼吸
最後に、『肩こり』の原因になっている筋肉はずっとかかる負担で弱り切っているとイメージしてください。
そこで、その筋肉たちをしっかり動かして鍛えてあげることを目的に次の運動を行います
- 身体をまっすぐにします。
自分のできる範囲で背筋を伸ばして頭も少し後ろに引いておくことがおすすめです。
- 腕を1度ブランブラン振って、腕や肩に余計な力みがないか確認しましょう。
- 少し肩を開きながら上にすくめていきます。
- すくめた状態のまま、深呼吸でしっかり息を吸ってください。
そのときは鎖骨の下あたりまでしっかり膨らむように意識してください。
- 息を吐きながら肩をゆっくり下ろしていきます。
目標回数 10回 3セット
更にほぐしていきたいと思った場合には
ここまでで紹介してきたことをじっくり取り組んでいただくだけでも十分効果的ですが、
「どこでもできて、効果をさらに高めることができることがあればしたい!」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、誰でも簡単にできる『肩こり』解消方法として 『肘・手まわりをほぐす』 ことは非常に有効な手段です。
これはこれでツボなどをうまく押すのも良いのですが、今回はざっくり簡単に行う方法を紹介します。
- 肘のすぐ下(指1~2本分下)の腕の太いところを反対の手で少し握り込みます。
- 握ったまま、腕をくるくる回転させるとそれだけでマッサージになります。
- つかむ角度を変えて回転させるとまた刺激が変わります。
- これを手首付近まで心地よい要領で行います。
これをするだけで、
- 手をよく使って肩がこる方
- 手の酷使で肩こりだけでなく腱鞘炎にもなった
という方におすすめしたいケア方法になります。
肩が凝っている主な原因とは?
最後に肩こりになる原因について正しく知っておくことが、今後のセルフケアには大切です。
ここを誤解していると間違ったケアを続けて効果を減らしてしまうことになる危険もありますので、あと少しお読みください。
肩こりの原因はたくさんあってひとつに特定はできませんが、ほとんどの場合
- 慢性的な肩まわりの運動不足
- 姿勢の悪さ
の2大原因だと言ってもよいでしょう。
そこで、肩が凝っている方は 『肩まわし体操』 など、とにかく肩まわりを動かすだけである程度は肩こりは楽になります。
しかし、根本的な肩こりの解消をしたいという場合には、 『日常生活での不良姿勢の改善』 は欠かせません。
最近特に増えている
- スマホ・携帯ゲームなど長時間の使用でうつむいたまま
- パソコン作業でじっと座って手のまわりだけをカタカタ動かしている
というのは、自分で『肩こり』を作ってどんどん悪化させているようなものです。
この生活についてやめることはできないと思いますので
- 休憩をこまめに入れたり
- 使用時間を減らしたり
- 使用時の姿勢を少しでも良くする
など、ご自身の改善努力をしていただくことを期待します。
今回紹介した体操はこれらにもアプローチできるものを選んで紹介していますので安心して実践していただきたいですが、効果を高めるにはそれらの生活習慣にも目を向けていただければと思います。
おわりに
「肩がこってしまって、こりゃ自分でなんとかするしかないな」
と思われた方や
「肩をとにかく揉んだり筋肉を伸ばしたりではうまくいかない」
という方に、
『できるだけ実践しやすくて効果もきちんとついてきてくれるだろう』
と言えるものをご紹介してきました。
最初はなんでも新しく始めるのは億劫なものです。しかし、やり慣れていき身体が軽くなることを実感していただければおのずと続けることも可能ではないかと考えております。
お身体に関するお悩み解消にお役に立てる情報が提供できていますと幸いです。
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