正しい子供のしつけは見た目だけでなく健康的な発育にも重要って
子供はすくすくと元気に育っていくもの、かもしれませんが親の想いとしては
「子供にとって良いことは積極的にしてあげたい!」
「子供の将来へ何かしらの不安が起こるようなことは避けたい!」
という思いは当然お持ちです。
そこで、教育のために
- 身体面での健康を考えて『スポーツ』
- 心身面や学力向上を考えて英語や脳力アップのための『勉強』
- 社会性を身に着けさせるためのマナーや振る舞いなどの『躾け』
などがなされます。
この中でも、特に個人差が出てくるのが 『立ち居振る舞いに対する躾け』 です。
これは、スポーツなどのように習い事などで外部に任せることは一般的ではありませんし、実際各家庭ごとにされています。
子供にとって自由にさせることも大切ですが、あまりにも自由過ぎても将来社会に入った時にギャップが多くて苦労させることにもなりかねません!
そのため、心を鬼にして
「靴は脱ぎっぱなしはだめでしょ!」
「椅子に座るときは背中を丸めないで背筋伸ばしなさい!」
「口を開けてご飯を食べない!」
と注意しますが、子供にとってはただやりたくないことを強制されているだけのように感じますね。
その子供に
「あなたのためを思って言っているんでしょ!?」
って言っても何も伝わりませんので、せめて叱る親側に心を鬼にしている自分を納得させられる根拠が欲しいですね。
そこで、今回は『躾け』の中でも 『なぜ、お箸・鉛筆をきちんと持つ必要があるのか?見た目がきれいだけでは済ませられない理由』 について紹介していきます。
見た目がきれいは機能的
お箸や鉛筆の持ち方は
- きれいに持っている人
- きたない持ち方をしている人
どちらがいいかなんて言うまでもありません。
ここで 『きれいな使い方(持ち方)』 について考えてみてください。
「正しいお箸の持ち方を知らない人でも、きれいな持ち方ときたない持ち方をだいたい見分けることができる」
のはなぜでしょうか?
これはお箸の持ち方だけではなくて、
- スポーツ動作
- 日常生活の誰でもする基本的な立ったり座ったり歩いたりなどの動作
などでも、上手な人はやはり動きが様になっていますし、下手な人は下手っぽい動き方をしています。
実際、子供の空手大会のスタッフをしたときも、子供の入場から構えまでの動きや立ち姿をみるだけでおおよその実力の差を見極める経験をしました。
なぜそのように見分けられるのかといえば、無意識下で
『人間は本能的に持っている構造に応じた機能をきちんと発揮できているのか』
を判断する能力があると考えられます。
人間も動物ですから、相手をみるときに自分より強いのか弱いのか判断しないといけません。
そこから
- 機能的な動き→美しい、きれい、格好良い
- 機能的に動きでない→不細工、きたない、格好悪い
などを区別しています。
そう考えると、見た目はただきれいというだけでなく 『身体のつくりに応じた機能的な動きができている』 ということも表していると考えてよいでしょう!
スポンサーリンク
お箸・鉛筆をきれいに持つとどうなる?
お箸や鉛筆を持つことを含めた日常生活の動作は
『きれいに使っていることが身体の理にかなった機能的な動作』
だと考えて良いことがわかりました。
その機能的な状態というのはどういうことを具体的に指すのかを順番にみていきます。
1.関節への負担がかかりにくい
日常生活も含めて身体を使っていれば、大なり小なりその筋肉や関節に負担をかけることにはなります。
もちろん、運動は必要なのでまったく動かないことがいいわけではありません。
そこで理想的な身体の使い方は
『動きを偏った部分だけでするのではなくて、全体で分担しながら行う』
ことで、その負担を分散することが大切です。
特にお箸や鉛筆を使う手に関して考えてみれば、ひとつひとつの動きにすごい力を使っているわけではありませんが、使っている量は非常に多くなります。
その割に関節自体は小さいため筋肉や関節にかかる負担としてはなかなかのものになります。
大人では、
- 腱鞘炎(筋肉の負担による問題)
- 変形性関節症(関節の負担による問題)
を持つ方は非常に多いことからもそれらがわかります。
その観点からも正しいお箸の使い方などは
『ある一定の部分の力だけを使うわけでなく、いろいろな指で分散して使っている』
ことで負担をかけないようにすることができています。
その中でも『良肢位(りょうしい)』と呼ばれる関節が楽なポジションがあって、手で言いますと、 『テニスボール(手のサイズによってはゆでたまご)』 を軽く握っているような手の形が目安です。
どこの関節も、曲がりすぎず伸びすぎずの適度な状態にあることが大切です。
正しいお箸や鉛筆の持ち方では、この『良肢位』に近い状態になっていることから、たくさんある手や指の関節の限られた部分だけに負担が集中することもなく痛めにくい持ち方ができているのです。
2.力まない
正しい(きれいな)お箸や鉛筆の持ち方をすると
「これじゃ力が入りにくくて書きにくい!」
と必ず言われます。
お箸でものをつかんだり、早く字を書こうとするときには『ギュッ』と握って行う方が簡単にできます。
しかし、それは力づくで行っていますので、
- 関節や筋肉が余計な力を使ったり、負担を受けたりしている
- 力づくでやり続けないと安定した動作ができない
ようになります。
そんな持ち方を習得してしまうと、子供も大人も
『なんでもすぐに力みの入ってしまう手の使い方を覚えてしまう』
ことになります。
この癖が実はかなりやっかいで、
- 疲れやすい
筋肉の出力が高いため - 力みが抜けない
いつでも力づくで行う癖が習慣付いてますので、スポーツなどでリラックスして取り組まないといけないときに力みが抜けない - 柔軟性が低下する
ずっと力んでいる筋肉は硬くあり、スポーツ動作も硬くなり、ケガや故障のもとになる - スポーツ能力の低下
動きが硬いと身体能力が発揮しづらいため運動が苦手になりやすい
など、いろいろな問題の根本原因になってしまいます。
自覚のない、ほんの些細なことが積もり積もって悪い身体の使い方を訓練している状態になります。
これが 『たかがお箸・鉛筆の持ち方、されど大切な身体の使い方』 という理由なのです。
実際には、今学校などで持ち方訓練グッズなどを使って練習をしたり取り組みが行われていますが
ご自分が家で子供に教えるときの簡単な教え方を紹介します。
まずはお箸より習得しやすい 『鉛筆の持ち方』 から始めてみましょう!
スポンサーリンク
- 何も持たない状態で、手に小さいボールつかむような形(良肢位)を作ります。
- 手は大きく動かさないで、鉛筆を持つべき位置に反対の手で差し込みます。
- 中指を少しずらして鉛筆を支える補助をします。
細かい持ち方は後まわしにしてこれでおおよそ完成です。
「人差し指がこの位置で、中指と薬指は少しずらして・・・」
など細かい部分の動きを最初から考えてしまうとなかなかうまくいかずに子供にとっても親にとってもストレスです。
そこで、このように1番大事なポイントである
『良肢位に近くて、指の関節が軽く曲がっていること』
がとりあえず守れていたら第1段階は達成!その後は少し慣れてから修正していくというように段階を作って練習すると、ストレスが少なく習得が可能です。
子供だけでなく、誰でもいきなり上級の(完成の)動きを言われてもできません。
そのため、基本的なことから少しずつレベルを上げていく方法をお勧めします。
このとき、注意すべきポイントは
『指がまっすぐや反っている関節がないか』
です。
これがあれば速やかに修正を加えましょう!
子供の習得具合に応じて少しずつレベルアップ、スポーツと同じ要領で行っていけばいいのです。
道具はそれなりにきちんとしたものを
きちんとした生活動作を身に着けることは、健全な心と体を育むうえでも非常に重要です。
そこで、鉛筆やお箸などの道具を使うときには、 『最低限のきちんとした道具を与えること』 は注意してください。
使い方を習得している状態ならば、道具がある程度変わっても対応可能ですが、慣れていない子供にはできるだけ習得の妨げになりにくい道具は使わせないことをお勧めします。
例えば
- 割りばしではなくお箸を
- 手の小さい子供には、大人が使う太いボールペンではなく鉛筆を
与えて練習させることがよいでしょう。
おわりに
「子供のためを思って、きちんとした所作を身に着けさせたい」
とは思っていても、なかなかその気持ちは子供に伝わりません。
子供にとっては口うるさい親は煙たいだけか恐怖の対象になりかねませんので、なるべくそのような顔を見たくないという気持ちはどなたも持たれることでしょう。
「毎回毎回、子供の嫌な表情をみたくない!けど、子供の内に身に着けさせておくのは子供のためじゃないか・・」
と折れそうな心を奮い立たせなくてはいけません。
今回の記事をお読みいただいて、ただ単に見た目だけのことで行うだけじゃない子供の心身への影響について知っていただき、少しでもスムースに子供に動作を習得してもらえる一助になったなら幸いです。
お身体に関するお悩み解消にお役に立てる情報が提供できていますと幸いです。
「自分の身体について直接相談したい」
「実際に自分にあったエクササイズを指導してほしい」
と思われた方は、こちらで直接診せていただくこともできます。
お問合せお待ちしております