首の痛みの原因が『頚椎椎間板ヘルニア』のとき不安解消のため知ってほしいこと
『頚椎椎間板ヘルニア』という病名は、たくさんある首に関わる病名の中でも有名で肩こりや首こりの方などと話していると
「数年前に病院で頚椎のヘルニアって言われたからな」
などとおっしゃられる方が比較的多い印象があって、一般的な病名になりつつあるんだなって感じます。
実際に病院で、この診断名を患者さんに伝えることが多いのですが、
「じゃあ、ヘルニアだったらどうしたらいいんですか?」
という患者さんの疑問にきちんと答えてくれるケースが少ないのも確かです。
当然手術をするような場合には処置がなされますが、それ以外でよくある答えには
「首に負担をかけないように安静に過ごしてください」
「病院のリハビリを受けにきてくださったらいいですよ」
「お薬出しておきますからとりあえずそれ飲んで様子みてください」
などで、当たり障りのない対応をされているような感じになってしまいます。
実際に、診断された方からすれば
「自分はどう対応したらいいの?」
「どういう治療の選択があるの?」
など知りたいことがわからないので不安でいっぱいです。
そこで、『頚椎椎間板ヘルニア』と診断された方がよく感じられる疑問についてお答えしていきたいと思います。
『頚椎椎間板ヘルニア』の病態から治療まで解説しているのを1から知っていきたいという方はこちらをご覧ください。
頚椎椎間板ヘルニアは治るの?
病院に行って診断されても、自分が治るのかどうかについて明確に説明されることはなかなかありません。
もちろん正確なことは誰にもわからないものですが、それでもおおよその傾向などはみていけると思いますのでまずはそれらを知っていただこうと思います。
ヘルニアは自然に治る
『ヘルニア』とは、『椎間板』という骨と骨の間にあるクッションの役割をする組織が本来の位置からはみ出してしまって、神経などに障害を起こす状態を言います。画像
「いったん出てしまったのが問題なんだったら、元に引っ込ませるようにしないといけないんですよね?そんなことできるんですか?」
という疑問が浮かんでこられると思います。
それに関しては、今の医学で引っ込ませるような治療はありません。
実際に治療としてはどうするかと言いますと
『手術で飛び出したところを切り取る』
ことを行います。
そうすると、『頚椎椎間板ヘルニア』と言われた人はみんな切り取らないといけないように思われるかもしれませんが、実際に切り取る人の方が少ないくらいでほとんどの人はそのままです。
そうするのには、大きな理由が2つあります。
理由1:自然吸収メカニズムで元に戻るから
絶対に手術とならないでそのままにしておくまず1つめの理由としては
『飛び出した椎間板が自然に吸収される』
メカニズムがあることがわかっているからです。
時間経過とともに、身体が自然に余分に飛び出したところを吸収して元通りにしようとする機構があるためです。
身体にとっても、身体への負担でいったん飛び出したからだといって、そのままが都合がいいわけありませんのでなんとかしようとしてくれているのです。
理由2:ヘルニア=症状と限らない
そして、『ヘルニア』が生じたとしても必ず神経が障害されて症状が出るとは限らないということです。
事故などで一気に飛び出したものは身体が対応しきれず症状が出てしまいがちですが、時間経過でジワジワと負担がかかって飛び出していっているものに関してはうまく身体が適応してくれるため症状が出ない場合が多いです。
そのため、必ずしも出ていれば切除しないといけないということにはならないのです。
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お勧めの経過の見方
『頚椎椎間板ヘルニア』と診断された場合のお勧めの対応を簡潔に紹介します。
- 症状が強く日常生活に支障が出ている
医師との相談のもと、手術を検討することになります。 - 症状はあるが我慢できないほどでない
まずは、症状を抑える薬を服用したりしながら経過を見てみます。
ヘルニアは一定期間(約4か月)で症状が軽くなる傾向がありますのでそこまで我慢して様子がみれるならみていくことをおすすめします。
この下に示した状態の場合は、医師も手術適応でないことから、対応が曖昧になってきます。
「そのまま我慢して放っておいたら良くなると思いますよ」
とはさすがに言えませんので、薬を出したりリハビリを勧めたり安静を指示したりあれこれしますが本音としてはここにあります。
ヘルニアもどきがある
『頚椎椎間板ヘルニア』で1番よくあるのが、
『診断がレントゲンだけでされる』
というものです。
飛び出している『椎間板』はレントゲンでは写りません。
画像で『椎間板』の状態を正確に把握するには、『MRI』の撮影をする必要があります。
しかし実際には、レントゲンでの画像と症状や他の検査を組み合わせて
『頚椎椎間板ヘルニア』
と診断されることがよくあります。
実際に確定診断されていない状態で診断されるこのような『頚椎椎間板ヘルニア』を、私は
『ヘルニアもどき』
と呼んでいます。
「それだったらMRI撮ったらいいじゃないの?」
と思われるかもしれませんが、現実的に考えるとそうはいきません。
『MRI』はレントゲンのようにどこにでもあるのもではありません。
撮るためには大きい病院にいかないといけませんし、費用も保険が適用されるとしてもなかなか高額です。
そのため『頚椎椎間板ヘルニア』でMRIまで撮るのは
『もしかすると手術をしないといけないかもしれない』
と思われる状態になっている方を中心に選択されることになります。
撮る前は不安なので何も文句は言いませんが、すごい時間や費用をかけてMRIを撮った後、する治療が何も変わらなかったら重症でなかった患者さんは本来喜ぶべきなのですが、実際の患者さんにとっては『のど元を過ぎた熱さ』と同じなので、病院に対してかなり不満を持つ方が出てきます。
病院としてもそうなられては困るので、症状をみて過剰診療と言われないように加減をみているとも言えます。
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手術をしなくちゃいけないのってどんなの?
同じように『ヘルニア』はあっても手術をしなくてはいけない場合と様子をみてもいい場合があります。
この境界にある場合医師は
「私としては手術をする方がいいと思いますが、必ずしないといけないというほど悪いわけでもありません。どうされるかはご自身で判断してください」
と言って選択を患者に任せる場合は特に悩まれることになります。
そこで、手術適応の判断基準のメジャーなところをまず押さえておくことが大切です。
- 経過をみていても良くならないで痛みが激しくて耐えられない
- 手の筋力が落ちて、手の細かい動作ができなくなってきて日常生活に問題が生じてきている
- 両手に症状が出て、手だけでなく脚やお通じなどの問題などが出てきている
このような場合には、
『自然経過でよくなることを期待して待っている時間的余裕がない』
ということで手術がなされる可能性が高くなります。
境界にある方は、自分の身体の状態や生活環境などの個人差を総合的に考えて手術を決めないといけないため医師もはっきりと言えなくなってくるのです。
自分にできることはなにかありますか?
『頚椎椎間板ヘルニア』で手術にはならないけど、特に病院では積極的な治療をしてもらえないという方にとって
「早く良くするために自分で少しでもできることはないだろうか・・」
と思われることは自然です。
まずしなければいけないのは
『症状が悪化するようなことが控える』
ということです。
これが仕事に関わるとなかなか避けがたくなるので困りますが、
- うがいをするときに上を向くと痛い
- ロードバイクに乗っているとしびれてくる
- 重い手提げかばんを肩に長時間かけている
などの日常生活に関わるもので思い当たるものがあればそれは控えましょう。
そして、そもそもが首まわりに負担がかかっていることで起こっているわけですから、
- 首とその上にある頭の位置の問題
- 首を支えている筋肉は肩につながってますので肩まわりの筋肉の状態
これらの環境を良くすることが大切になってきます。
『椎間板』をケアすることはできませんので、自分でケアすることの可能な姿勢や筋肉のバランスにアプローチすることが大切です。
そこで、お勧めの体操を知りたい方はこちらをご覧ください。
おわりに
『頚椎椎間板ヘルニア』と診断された場合でも
- レントゲンだけではっきりとした診断がされていない場合
- 『ヘルニア≠症状』のため、それ自体を絶対にどうこうしないといけないわけでない
- 『ヘルニア』の自然吸収、症状の自然経過での改善が期待できる
ことから、医師から有無を言わさずに手術と言われてしまっている場合を除けば、そこまで慌てることもありません。
不安になる気持ちはわかりますが、落ち着いて症状の内容や程度・経過などを整理することが大切です。
それでわからないことがあれば医師に確認すればいいですし、今は症状を抑える薬もいろいろありますのでそれで症状の強い期間をやり過ごすこともできやすくなってきています。
『頚椎椎間板ヘルニア』の場合、代替医療で症状の改善を図ることが有効なこともあります。
自分の状態を正しく把握し、不安で悩んでばかりいるのでなく自分のできることを順番に試しながら着実に前に進むことが求められていると考えます。
お身体に関するお悩み解消にお役に立てる情報が提供できていますと幸いです。
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