足の内側の骨が痛い!子供のスポーツ障害に多い有痛性外脛骨とは
有痛性外脛骨(後脛骨筋腱炎)の治療
『有痛性外脛骨』もしくは、『後脛骨筋腱炎』の治療は、原則手術をしない『保存療法』がされます。
その『保存療法』を順番に紹介していきます。 スポンサーリンク
安静
これらが起こる主な原因は、
- スポーツなどでの『使い過ぎ(オーバーユース)』による負担
- 靴による圧迫や擦れなどによる機械的刺激
- 合わない靴を履く
ことでバランスをとるために、靴内での筋肉の緊張が負担になる などです。
そこで『治療』の大原則は、
必要以上に足を使わない『患部安静』
が大切です。
『外脛骨』に関しては、
- 靴をあたりが柔らかいものに替える。
- 当たる部分にクッションをあてて圧迫されにくいようにする
などの対応をすることで刺激を軽減し『患部安静』を確保します。
スポーツは休止が原則ですが、
- 『初期(軽症)』(スポーツに支障をきたさない)
足底板やテーピングなど他の治療を組み合わせながら、スポーツ活動の時間を減らすことでうまくケアしていける場合もありますが加減ができない人が多いのであまりお勧めしません。 - 『重症』(スポーツや日常生活に支障をきたす)
スポーツは全面休止する必要があります。
そのまま続けていてはいつまで経っても治りません。
スポーツを休止する場合の目安期間は、おおよそ1か月程度をみておくとよいでしょう!
2、鎮痛処置
『湿布』や『消炎鎮痛薬』の処方を受け、痛みと炎症をおさえます。
治療期間中『痛み』が続くのは辛いでしょうから一時的に『痛み』をとっているだけで、治っていることとは別だと思っておきましょう!
3、注射
子供の『有痛性外脛骨』ではまずすることはないでしょうが、大人の場合で痛みが強い場合などには
- 痛みを抑えるために『局所麻酔』
- 炎症を抑える『ステロイド注射』
をすることもあります。
『ステロイド注射』 は、
よく効きますが筋肉や腱を弱くしてしまうため、何回も行うことは避けられます。
ただし、うまく効けば劇的な改善効果が得られます。
4、理学療法
病院などで行われるリハビリです。
- 電気治療
痛みを和らげる目的で、痛みのあるところを中心に低周波などを流します。 - 温熱治療
緊張してストレスを与えている『後脛骨筋』などを温めることで血流を促進や筋肉の緊張を緩和することが目的になります。
この場合であれば、直接痛いところではなく、脛の内側あたりを温めることがよいでしょう! - マッサージ
筋肉の緊張をほぐすことで『後脛骨筋』の緊張を和らげたり、動きやすくすることが目的です - ストレッチ
『後脛骨筋』の緊張を緩めることを目的としますが、あまりされません。
5、手術療法
『有痛性外脛骨』に対しては、
- 保存療法でも改善がなかなか見込めない
- 再発を繰り返してスポーツができない
などの場合には、『手術療法』がされることもありますが、なかなかあるものではありません。
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有痛性外脛骨(後脛骨筋腱炎)の足底板療法
『有痛性外脛骨(後脛骨筋腱炎)』の場合、
足の内側に体重がかかって『回内足』になりにくいようにシューズに『中敷き(インソール、足底板)』を挿れて『ヒラメ筋』などに負担がかかりにくいようにします。
負担を減らすことが1番の治療になりますので、『足底板』は有効な治療法となります。
『足底板』は、人によって処置内容を選んで行うほど効果は高いのですが、ここではある程度一般的にされるパターンを紹介します。
これは、『シンスプリント』のときにする内容と同じになります。
今回使用するのは、
- 『ウェッジヒールパッド ソルボ社製』
- 『ヒールパッド ソルボ社製』
です。
ネットで類似したものは購入可能です。
まずそれぞれのパッドの役割ですが、
- ヒールパッド
踵全体にクッション性が与えられることで踵から足への衝撃吸収作用があります。
また、踵の高さが上がることで『ヒラメ筋』などの筋肉の緊張を低下させる働きが期待できます。 - ウェッジヒールパッド
踵にクッション性を与えますが、主な役目として踵の内側に高さを作ることで体重が内側に乗りすぎないようして内側の足のアーチをつぶさないようにする働きがあります。
この働きが『有痛性外脛骨(後脛骨筋腱炎)』に有効なことが多いです。
そのため、単体で試す価値があるのは
- ウェッジヒールパッド
- ヒールパッド
の順番です。
両方とも靴の踵に挿入するだけです。
ずれないようにやや強力な両面テープでくっつける必要があります。
今回は2つとも使用する例を紹介します。
『有痛性外脛骨(後脛骨筋腱炎)』
になっているのは右足という前提にしておきます。
- 2つのパッドを両面テープでくっつけます。
- 踵の裏側にも両面テープをつけておきましょう!
- 靴のかかと部分に貼り付けます。
靴に入れるとわかりにくいので、靴に入れて足を載せたらどうなるかというのを写真でお見せします
思ったより簡単でしょ?
結構これで痛みが緩和されます。
もし、その程度が少なくても少しでも楽になるのであればそれは負担を軽減する効果があるということです。
あとは、生活の場面で長く使っていけばその小さな効果も
『ちりも積もれば山となる』
のようにジワジワ効いてきます。
挿れておくだけですし、違和感が強かったりしなければ続けて使用しましょう!
ここで、セラピストの方であれば、
「縦アーチをサポートするパッドを入れる方がいいでしょ!?」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、『縦アーチ』のところだけパッドを入れて突き上げると患部を刺激して効果があまり出ません。
まずは、上記のように後足部をサポートさせてからそこに『縦アーチパッド』を追加するのは馴染みが良く効果が出やすいです。
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有痛性外脛骨(後脛骨筋腱炎)のテーピング
どこにするにしてもテーピングは正直面倒です。
毎回毎回貼らなければいけないし、かぶれる場合もあって好きじゃないと思われる方も多いと思います。
しかし、少しでも負担を減らすことが症状を早く治めるためには必要です。
必ずしなければいけないわけではありませんが、
「少しでも早く治して、スポーツ復帰したい!」
と思われているなら、面倒だとか言っている場合ではありません。
是非やってみましょう!
今回、使用するテープは、
一般的に『キネシオテープ』と呼ばれる肌色で伸縮性のあるテープ
です。
薬局でも売っていますし、ネットでも購入可能です。
メーカーによって、多少の差はありますがとりあえずどれでもいいので用意しておきましょう!
こちらでは、
『キネシオロジーテープ 50mm ニトリート社製』
を使用します。
- テープを3本用意します。
角は丸くカットしておきましょう!
1本目→足の内側のでっぱりの骨(舟状骨結節)~すねの内側の膝下付近まで
2本目→踵の底側~膝裏の手前まで(カットは写真を参考にしてください)
3本目→踵の外側~内くるぶしまで
- 1本目のテープから貼る
足先を外側を上にあげた状態にします。
『足の内側のでっぱりの骨(舟状骨結節)』~内くるぶしの後ろを通って『すねの内側』をそって上まで上がっていきます。
このとき、テープはピンピンに張って貼りません。
めくったまま状態で貼っていきましょう! - 2本目のテープを踵の底に貼り付けます。
このとき、テープは写真のように紙ごと切っておき踵の部分だけテープの台紙をはがした状態でまずは貼ります。
次は2股に分かれているところに切れ目を入れますテープは引っ張らずに自然の長さのまま
ここから2股にわかれて貼っていきます。
ふくらはぎの筋肉のふくらみを包むように
左右貼ります。ここも自然なテンションで貼るため無理に引っ張りません。 - 3本目のテープを貼る
踵の外側にテープの端を貼り付けます。
そこから足の内側を上に挙げるようにします。
テープをそこそこ引っ張りながら内くるぶしに向かって貼ります。
足先は内側に向けておくとよいでしょう! テープを引っ張るのは真ん中のところだけで端の数cmは引っ張らないように注意しましょう! - 完成です。
もし、
「テープいっぱい貼りすぎで嫌だ!減らしたい!」
と思われた方は、踵からふくらはぎに貼る『2本目のテープ』は省略していただいても構いません。
おわりに
『有痛性外脛骨(後脛骨筋腱炎)』は、
- スポーツで足を酷使しすぎた『使い過ぎ(オーバーユース)』による負担
- 靴があってなくて余計な筋肉の緊張が起こっている
- 靴が『外脛骨』を圧迫していることによる刺激
などが原因でした。
大人の『後脛骨筋腱炎』はまだいいとしても、子供さんにおこる『有痛性外脛骨』については
- 子供さんはスポーツを休みたくないけど痛い
- 親御さんは、『有痛性外脛骨』のことを知らないから、ほっときゃ治るかななんて思って悪化するまで無処置でいる
などがあって、
結構『痛み』が強くなってしまってから病院に行くことが多いように感じます。
重症になってからでは、治りが遅いのは当然のことです。
もし、クラブを休めないのなら気づいたときから早めに対処をして悪化させないように努めていただきたいですね。
お身体に関するお悩み解消にお役に立てる情報が提供できていますと幸いです。
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