長時間歩けない『腰部脊柱管狭窄症』とは?原因や症状・診断について
「腰痛で病院に行ったら脊柱管狭窄症と診断された」
「椅子に座ったり自転車ではなんともないのに歩いていると足が前に出せなくて歩けなくなる」
テレビや雑誌などでよく取り上げられる疾患なので『腰部脊柱管狭窄症』という病名をご存知の方が多いかもしれません!
「漢字が8つも並んでいるややこしそうな病気が自分に起こっているかも・・」
なんて考えただけでも 「ゾッ!」 してしまいます。
ただ、脊柱管狭窄症と言う方の話の中で、症状が狭窄症でないようなものしかない方も多くて本当に診断されたものかどうか怪しい方もすごく多いです。
そこで、『腰部脊柱管狭窄症』についてその病態や症状の特徴などをしていただくことで、自分がどのように対処できるのか正しい情報を知っていただけたらと思います。
腰部脊柱管狭窄症とは、何が起こっているかから知ろう
『腰部脊柱管狭窄症(LSCS: lumbar spinal canal stenosis )』とは、『腰にある脊柱管というホースが狭くなってしまってる』 ってことを言います。
私たちの身体は、頭(脳)を中心にして神経が全身の隅々に行き渡って情報のやり取りをしています。
木の根が地中にはりめぐらされているかのようです。
その中でも中心となる太い根(神経)は、 『脊髄(せきずい)』 と呼ばれて背骨の中を通っている『脊髄』が入っている管(ホース)を『脊柱管(せきちゅうかん)』と呼びます。
この『脊柱管(せきちゅうかん)』が様々な原因で狭くなってしまうことが『脊柱管狭窄症』で起きている状態です。
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どのような人がなりやすいのか?
『腰部脊柱管狭窄症』は、年齢を重ねることによって背骨が変化するのがあります。その変化は、20歳代から少しずつ起こってきますが、影響がはっきり出てくるのは50歳代以降の世代の方が主です。
男女差は報告によってばらつきがありますが、比較的男性に多いようで個人的な経験とあわせて考えても男性の方が多いような印象があります。
『肥満』や『身体を酷使する仕事』は発症が増える傾向はありますが確定的ではありません。
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放っておいたらどうなるの?
「腰部脊柱管狭窄症になってそのまま放っておいても大丈夫なの?」
「脊柱管をどうやって広げることができるんですか?」
など気になりることがありますのでまず放っておくことに対してのひとつの報告を紹介したいと思います。
中等度の『腰部脊柱管狭窄症』で手術ができないか拒否した人たちを4年間、経過観 察した結果、
- 15%→症状が悪化
- 70%→症状が不変
- 15%→症状が改善
であった。
この結果から2~ 3年は経過を観察してよいと結論しています。
Jonsso KE et al : The natural course of lurmar spinal stenosis. clin Orthop 279:82-86 1992
症状については
- 腰痛・足の痛み・足のしびれ→変わらない
- 歩けない・筋力→少しずつ悪化する
そのような傾向があると言われており、歩ける距離が短くなるという話をよく耳にしました。
実際に、MRIを撮って脊柱管狭窄があったとしても
- 以前から脊柱管狭窄があった可能性がある
- 狭窄している程度と症状は一致しない
- 無症候性のものもある
ことからそれだけでも 「手術をしましょう!」 とすぐになることはありません。最初は必ずと言っていいほど手術をしない『保存療法』で経過をみていきます。
保存療法の目的は脊柱管が広がることではなくて症状の改善を期待するものです。
腰部脊柱管狭窄症の原因は何があると言われているのか?
『腰部脊柱管狭窄症』の原因には
- 脊柱の組織の加齢による変性
- 脊柱の異常可動性や不安定性
大きくこの2つがありますので順番にみていきましょう!
1、脊柱の組織の加齢による変性
『脊柱管』のまわりを構成するものが
- 背骨のクッション材になっている椎間板がつぶれてくる
- 背骨の上下をつないでいる椎間関節の軟骨がすり減って関節が傷んでくる
などの年齢を重ねることで少しずつ起こる変形によって『脊柱管』が狭くなって脊柱管に通っている
- 神経
- 血管
が押さえつけられ(圧迫)ると、
- 足がしびれたり、痛みがでる
- 長い時間歩けなくなる
などの問題が起きます。
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2、脊柱の異常可動性や不安定性
『脊柱管』が狭くなると障害されている『神経』や『血管』に関わる症状が出てきます。
それは『脊柱管』が狭くなった人すべてに起きるというわけではありませんがその症状が出るか出ないかの差はどこから来るのでしょうか?
その要因として考えられているのが 『脊柱の異常可動性や不安定性』 です。
背骨が
- 人よりよく動いたり(異常可動性)
- グラグラ動いて安定しない(不安定性)
があれば、じっとしているときの『神経』や『血管』の圧迫は同じでも、歩いたり動くときにじっとしているとき以上の圧迫ストレスを受けています。
それ以外に、身体の動きによっても『脊柱管』の幅は変わります。
- 反らせる動作は、前かがみに比べて脊柱管は10%以上狭くなる
ことがあります。
これらから背骨の
- 異常可動性
- 不安定性
- 反り腰
は良くありませんが、これらは硬い『骨』や『関節』の形そのものが変わっているわけではなくて関節の
- 動く量や動き方
- 並んでいるバランス
など、『機能的な』問題のため、エクササイズの保存療法で改善させることが可能です。
次に『腰部脊柱管狭窄症』ではどのような症状が出てくるのかみていきましょう!
お身体に関するお悩み解消にお役に立てる情報が提供できていますと幸いです。
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