肩こりの症状や特徴など『基本のき』から解消の糸口を探る!
「肩こりは、なぜ日本人の女性に多いの?」
「肩こりの1番の原因って何なの?」
肩こりと言えばだれでも知っているなじみのある身体の症状ですが、肩こりがなぜ起こってどういう症状が出るのかなどはあまり知りません。
自分と同じような症状なのかな、くらいに思われているかもしれませんけど肩こりと言っても人によって症状の出方などの特徴に違いがあります。
肩こり解消のためにストレッチやエクササイズを試してみますが、効果が出たり出なかったり個人差があるのも、人によって肩こりの内容がだいぶ違うことからきています。
そこで、遠回りに思われるかもしれませんが、
- なぜ肩がこるのか?
- 肩こりの原因は何か?
- 肩こりはどんな症状が出るのか?
など『肩こり』の根本を知っていただくことが大切になってきます。
あなたにとっての根本原因に気づくことができれば、自分にあった正しい解消法をおこなうことができるようになります。
今ある肩こりをきちんと解消していくために、肩こりの基本について一緒に確認していきましょう!
肩こりは日本の国民病
肩こりを含めたからだに起こる症状についてされた調査(厚生労働省の国民生活基礎調査(平成22年))をみてみますと、
- 男性→1000人に60人(6%)
- 女性→1000人に130人(13%)
に肩こりがあります。この結果をみて
「たった1割前後?そんなに多くないんじゃない?」
と思われたかも知れません。
しかし、体に出る症状の順位で
- 女性→1位
- 男性→2位
という結果から、1割といっても実は大きな数字で、『肩こり』がわたしたちにとって代表的な不調なのがわかります。
肩こりとそれに付随する症状は、整形外科を受診する人全体の21%程度とも言われていることからも肩こりが日本人の国民病と言われる理由です。
肩こりってどんな状態のことを言うのですか?
実際に肩こりはどのようなものを指すのかをみてみますと、
『後頭部から首・肩、および肩甲部・背中にかけての重苦しさ・張った感じ・痛みなどの肩周辺の筋肉に感じる症状をいう症候名』
言われます。
簡単に言うと、後頭部から背中までに感じる何かしらの症状をまとめたものということです。
一般的には、
- 『肩が凝(こ)る』
- 『肩が張る』
などの言い方をします。
肩こりに伴って出る他の症状としては
- 頭痛・頭重感
- 目の疲れやすさ・引きつり
- 吐き気・めまい
- 歯の浮きや痛み
- 顎の痛み
- 手や腕や肩の痛み・しびれ
などがあります。
確かに『肩こり』がひどくなってくると
- 頭痛が出る
- 歯が浮いてくる
- 瞼(まぶた)がピクピクする
などの症状が出るというのはよく聞いて関連があるだろうなとは思われていることでしょう。
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日本人と肩こり
そんな『肩こり』という言葉は、夏目漱石が作ったと言われています。
英語では、
- 「chronic neck pain」(日本語訳:慢性の首の痛み)
- 「stiff shoulder」(日本語訳:硬い肩)
と表現されますが、直訳すると わたしたちの肩こりとは意味合いが異なり、『肩こり』を的確に表現している言葉とは言えません。
『肩こり』を表す適切な言葉がないことから、欧米人には肩こりという概念がないと言われています。
一方、日本に長期滞在した欧米人は、
「肩こりを生まれてはじめて実感した」
というエピソードを耳にしたことがあります。
畳などの床にに座ってあぐらをかく日本的な生活様式から猫背が起こるのは人種が違っても一緒のようです。
肩こりが起こる原因は様々だけど
肩こりの原因は、『基礎疾患(身体的・精神的な根本的な問題・病気)』があるかないかで大きく分かれます。
基礎疾患とは
- 高血圧
- 狭心症
- 風邪
- うつ病
などで、こういう方はその原因の治療が大切になってきます。
肩こりのほとんどの方は、こういう原因がありませんのでその場合について紹介を進めていきます。
肩こりの原因として医学的に言われているのは、
- 自律神経などの神経障害説
- 局所循環障害説
- ホルモン異常説
などが言われていますが科学的根拠が不十分だとも言われています。これらが原因だと言われても現代医学では直接の対処法はありませんので、この原因ついてもあまり考えなくてもよいでしょう。
実際にはセルフケアをしていくことは3つの原因を改善することにもなります。
わかりやすい肩こり症状を起こしている主な原因は、 『首・肩まわりの筋肉』 が酷使されて疲れてしまっている状態があります。
原因となるものは以下のとおりです。
- 不良姿勢
- 肩周囲への負荷(重さがかかる)動作が多い
- 長時間の同じ姿勢
- 肩周辺の筋力不足
- 寝具や椅子など、生活環境があっていない
これらの状態が、頚・肩周辺の筋肉になぜ過剰な緊張をもたらしてしまうのか考えていきましょう!
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すごく重たいをずっとぶら下げているので
両肩の先には腕があって、肩からつりさげられているような形になっています。
その腕の重さは、体重の約6.5%(一般的には約3~4kg)あってそれを落ちないように支えているのは、
- 靱帯(じん帯)・軟部組織
- 肩甲骨・背骨周りから付着する筋肉
です。寝ているとき以外は常に働いてひっぱりあげ続けてくれています。
筋肉が少ないから疲れるのも早い
日本人は、欧米人に比べ筋肉量が少なく、日本人の中でも女性は男性に比べ筋肉量が少ないため、日常生活をしていることが負担になってしまうこともあります。
猫背は肩こりをつくる悪い姿勢
猫背や腰抜け(お腹を前に突き出した姿勢)などは、靱帯の支えが弱くなるため筋肉への負担が大きくなってしまいます。
腕の重みに荷物の重みがプラスされる
重いものを持ったり、腕を前や横に延ばすだけでも、筋肉を強く使うことになるため、筋肉の負担は大きくなります。
じっとしているのは筋肉にとってストレス
長時間同じ姿勢でいると、同じ筋肉に同じ状態で負担をかけ続けることになります。
最近特に多いのは、パソコンや事務作業などで長時間座ってじっと作業している方です。
こういう方の肩こりは、筋肉をたくさん使っていてなる肉体労働の方の肩こりよりも比較的重症になりがちです。
デスクワークでなる肩こりはなぜ重症化しやすいのか?
身体の反応として、筋肉に負担が一気にかかると、それ以上負担をかけないよう疲れが生じたりして身体をなんとか休ませようとします。これは肉体労働をしている方が当てはまります。疲れたら動けなくなるのでその日の仕事は終了です。
このくらいわかりやすく披露した場合は、身体も動かなくなるので休まざるを得ないのですが、小さな負担であれば筋肉はなんとか作業を続けることができます。
その小さな負担が低温やけどと同じように長い時間かかることで重症になるまで身体は反応しなくなります。
低温やけどと同じようなメカニズム
やけどで考えると、熱湯がかかれば一瞬で逃げ出しますし、熱い湯船に浸かっているのも長時間はできません。身体にかかるその熱が害であることに気づき、その状況を回避しようとします。
しかし、冬にカイロなどを直接肌につけたりしていると、ちょっと温くて気持ちいいくらいなのですが、気づけば重症の低温やけどを起こしてしまったという経験がある方もいるのではないでしょうか?
また、捻挫した後のアイシング(氷水やなどにつけて冷やす)でもやりすぎると凍傷をおこしてしまいます。
短時間では問題にならない小さい刺激でも、長時間になると身体が気づかないうちに大きな問題を引き起こすことがあります。
デスクワークなどで起こる肩こりがまさしくこれらと同じです。
長時間意識に出ないほど小さな負担が肩まわりにかかっていて自覚症状として最初には出ません。
それはほんとうの限界(重症)になってから自覚するようになります。
気付いた時には、それらの筋肉群は鉄板のように硬くなってしまい、なかなか元に戻れないところまできてしまうのです。
肩こりは今や大人だけがなるものじゃない!?
最近は、肩こりの低年齢化も言われています。
本来子供は代謝が盛んで肩こりなどはなりにくいですが肩こり症状で治療を受けに学生さんはやって来ます。
肩こりのある学生さんは受験や進学校であったり、机に向かっている時間が長くてスポーツは特にしていないという方ばかりです。
やはり長時間の同じ姿勢でいる負担とそれを解消する運動習慣がないというのは肩こりの大きな要因なのです。
寝具と肩こり
肩こりの人の中には、寝具が自分に合っていないという話をよく聞きます。
寝具があって合っていなければ、頚・肩周辺の筋肉が寝ている間中負担を受け続けることになってしまいます。
朝起きた時からいきなり肩こりだという方は、寝具が自分にあっていないかもしれません。一度自分に合ったものかを確認する必要があります。
「簡単ですぐ作れる自分の身体の調子に合わせた枕の作り方を紹介!」
おわりに
肩こりは、だれにでも起こりやすくてかなり身近なものです。
症状もいろいろあって、単純にこれが原因ですとは言えないものですがもし思い当たるものがあるようならそれらをひとつずつ改善していく意識を持つことも必要です。
最近は、運動不足による凝り固まった『肩こり』が一番多くみられますので、まずは
「肩首・背中のこりや痛みをほぐすお悩み解消体操!まとめ」
などで体操からはじめてみらることをおすすめします。
また、
「肩こり・首こりについてのいろいろな情報を知りたい!」
「肩こりについて1からちゃんと理解しながら解消していきたい」
と思われた方は、
「肩こり・首こりを徹底攻略!自分で解消するための必要な情報まとめて公開!」
をご覧ください!
お身体に関するお悩み解消にお役に立てる情報が提供できていますと幸いです。
「自分の身体について直接相談したい」
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と思われた方は、こちらで直接診せていただくこともできます。
お問合せお待ちしております
矢継ぎ早のメールごめんなさい。
6月後半あたりから特に肩こり・首こりの症状が酷くなるのは何故なのかと思います。
それと、先生の体操をさせて頂いて体のスッキリ感を感じ、就寝するのですが、朝起きると肩がパンパンに…
やはり、寝具が合っていない事は事実です。
寝具について、先生のように的確な正しい指導をして下さるサイトがあれば是非教えて頂きたいです。
残暑、とても厳しくお体、ご自愛ください。
当サイトをご覧いただきありがとうございます
寝具についての記事は、また機会を作って紹介したいなと思ったまままだ書けていません。
そこで、現時点で紹介できるものとしては、
『病は寝ている間に治す! 』山田 朱織 著
で書かれている方法が1番シンプルで自分に合う方法を見つけられるのではないかと考えますのでお勧めしたいと思います。