親指の付け根が腫れて動かすと痛い!親指の変形性関節症とは
「つまんだり、握ったり、親指を使うと付け根が痛い!」
「親指の根元の関節腫れている」
「病院で手の指の変形性関節症(母指CM関節症)と言われた」
親指は、他の4本の指に比べてよく動く関節で3次元的な動きをすることができる指です。
『交通事故』で指を失った時の後遺障害の等級では、親指は他の指2本分とほぼ同等という評価がなされていることからも、その役割は重要なのがうかがえます。
「指1本が動かすのが痛いからって・・」
と健康な人は思うかもしれませんが、傷めている人の日常生活での苦痛と不便さによるストレスは非常に大きいです。
その大事な親指の付け根が痛む
『母指CM関節症(osteoarthritis of the thumb)』
について紹介したいと思います。
使えなくなると実感する親指の重要さ
親指の動きは、他の指に比べて自由に動かせていろいろな役目があります。
このように、つまんだり
指をあわせたり(対立動作)
握ったり
開いたり
などの動きの支点になっているのが、
『母指CM関節( carpometacarpal joint of the thumb)』
です。
この関節が傷んですり減ったりして変形が起こったのを
『母指CM関節症』
と言います。
変形が起きた関節を使うと、『痛み』や『運動障害』などが起きます。
母指CM関節症の特徴
母指CM関節症はどんな人に起こったりするかでわかっている特徴は、
- 男女比 2:3で
40歳以上の特に閉経後の女性に多い - 作業との関連性ははっきりはしていませんが、 手指の特につまみ動作の多い環境の多い職業に多く見られる
- 臨床症状とレントゲン画像所見とは必ずしも一致しません
レントゲンで変形性関節症の具合が強くなっているのがわかったとしても、あまり痛がらない人もいますし、変形があまりなくても痛がる人もいます。 スポンサーリンク
関節が変形してしまう原因には何があるのか?
関節にずっと負担がかかっていっていきなり関節が変形するわけではありません。
まずは、関節を支えている靭帯などの軟部組織がゆるんで不安定になってそこから関節がグラグラと不安定になります。
不安定な関節は、普通に使っていても関節への負担を強くしてしまいます。
そこから、少しずつ負担が蓄積され硬いはずの軟骨や骨が傷んで関節が変形を起こします。
(退行性変性)
痛みはもちろんですが、それ以外にもある主な症状
母指CM関節症は、痛みが1番よくありますが、他のもいろいろあります。
- 痛み
ペットボトルの蓋を開ける、はさみやホッチキスを使う、鍵を施錠する、などの動作で痛みが出ます(疼痛:とうつ) - 腫れる
親指の付け根が腫れて太くなります。(腫脹:しゅちょう) - 赤くなったり、熱を持つ
症状が強い場合は、赤みがかったり(発赤)、熱をもったり(熱感)します。 - 力がうまく入らない
関節が不安定なことで、にぎったりつまんだりなどの親指の動作で力が入りにくくなります。 - 動かすと音が鳴る
運動をしたときにギシギシきしむような関節の音がします。(捻髪音(ねんぱつおん:crepitation) )
腫れる以外の見た目の変化は何があるか
母指CM関節の骨(中手骨)が手の甲側にズレていきます。
ここが盛り上がっていたり、腫れていたりします。
そして、親指が人差し指側に寄り添うようになります。
自分で母指CM関節症か確認する検査方法とは
CM関節に問題が出ていれば、その関節は負担を受け容れる余裕はありません。
そこで、母指CM関節にストレスをかけることで『痛み』が出るかどうかで関節が傷んでいないかをチェックする検査方法を2つ紹介します。
病院では先生にされることなのですが、自分でも簡単にできますので、
「もしかして、『母指CM関節症』かな?」
と思われたら試してみてください。
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Axial compression rotation test
まずは比較的動きが簡単な方から紹介します。ストレスをかけますので痛みが確認できたら何回もしないですぐやめてください。
- 親指をつかんで、指の根元に向かって押し付けます(軸圧をかける)
- つかんでいる親指を回旋(捻る)させたとき、『強い痛み』『クリック(click:コキッ、コリッなど音がする)』が出たら陽性とします。
Axial compression adduction test
次に先ほどのものに動きは似ていますが、捻るのではなく内側に押しつけながら動かすので力をうまく入れてやってください
- 親指をつかんで、指の根元に向かって押し付けます(軸圧をかける)
- つかんでいる親指を小指側に動かす(母指 内転させる)と『痛み』『不安定感』が出る
これらの検査は、『母指CM関節症』の方であれば、高い確率で陽性が出ます。
『痛み』『不安定感』が出ますので、
- 乱暴に(力まかせに)しないこと
- 何回もグリグリしないこと
を注意してください。
母指CM関節症の治療は痛みをやわらげ負担を減らすのが基本
一般的に治療は、保存療法(手術しない治療)をします。
- 安静
変形性関節症では、その患部を休めることで症状を治める必要があります。
『母指CM関節症』でも無理に親指を使わないようにすることが一番大切です。 - 外用薬投与・消炎鎮痛薬
いわゆる『湿布や痛み止め』です。
こちらは、今ある症状(痛み)をとにかく和らげます。 - ステロイド注射
注射は、『湿布や痛み止め』と同様の対症療法になります。
今ある症状(痛み)と関節炎の症状をを和らげます。 - 固定装具
日常生活に欠かせない親指を安静にすることは、頭でわかっていても難しいものです。
そこで、固定装具やサポーターなどで固定します。
ただ、これをつけると日常生活がしづらいので、
「家事がままならないから、寝るときくらいしかつけるときが無い」
など、よく言われるくらい付けにくいものであることは確かです。 - 手術療法
保存療法で効果のない場合は、手術的治療の適応になります。
手術方法はいろいろありますが、手術をして何事も無かったように過ごすというのはちょっと厳しいようです。
おわりに
一般的に手術になることはそう多くないようなのでそこまで心配する必要ありません。
ただし、変形性関節症である『母指CM関節症』は、一度起きてしまうと変形は治りませんが適切な対処によって症状は治めることが可能です。
「親指を完全に使うな!」
とまでは言いませんが、しっかりとした治療(セルフケア)をしていきましょう。
自分でできる『母指CM関節症』の治療法や予防法は、こちらをご覧ください
「母指CM関節症を改善する簡単なリハビリ!自分でコツコツ治療」
お身体に関するお悩み解消にお役に立てる情報が提供できていますと幸いです。
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と思われた方は、こちらで直接診せていただくこともできます。
お問合せお待ちしております
とりあえず参考になりましたやはり病院で専門医に診てもらわないといけないかなと思います。
45歳ころから痛みが激しくなり、接骨院で相談したりしていましたが整形に行っても
湿布、痛めどめの薬、注射、そして手術と言われ
これと言ったアドバイスはありませんでした。痛みがひどくなり、ネットで専門医がおられることを知り、整形で紹介してもらいました。かなり進んでいるとの事で手術を決意。2週間足らずの入院生活の後固定してたいいん。3週目になります。固定をはずしてリハビリを始めるよういわれましたが苦痛を伴います。これからどのようになっていくかどこまで回復するのか
とりあえずこれからリハビリに励もうと思います。
手術は普通、固定してしまうそうですが、奈良県立医大では動かすことが出来るようにしてくださいました。
ここ 1週間程 痛くて痛くて 困っていました。とても参考になりました。一度 病院で診察してもらいます。
当サイトをごらんいただきありがとうございます。
まずは構造的にどうなっているのか病院で確かめていただくと良いですね。
それがわかってから対処をご自身でしていけば、現状認識と対処への期待にずれが少なくなりますので
ストレスが少なく過ごしていただけるのではないでしょうか
ここ一年ほど、強い痛みに悩んでおります、71歳男です。
信頼性が一番考えられる、こちらでお尋ねします。
私の痛みは、外に引くときにだけ発生します、軸圧を懸けた時に痛みはありません。これもCM関節症なのでしょうか? 診断法、セルフケアなども逆にすればよろしいのでしょうか?
当サイトをご覧いただきありがとうございます
はっきり言えませんが、場所が一致しているようであればその可能性を考えてもよいかもしれません。
セルフケアは基本的に手にとっていい状態になりますのでやってみられて変化でるか様子をみられてもいいかもしれません。
早速のご回答ありがとう御座いました。
人生に、あまり時間はありませんが、悪化しない限り、毎日の習慣としてゆきます。ありがとうございました。