体が硬い!やわらかくする前にきちっと評価・現状把握が必要です!

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 体が硬いアイキャッチ「身体がかたいとスポーツで怪我しやすいと言われて」

「こどもなのに身体がかたいのが心配で」

など、 『体の硬さ』や『関節のかたさ』についてお悩みの方はたくさんいらっしゃると思います。

身体が硬いとは、関節がかたい、筋肉がかたい、などいろいろ言われますがどちらにしてもあまりいいイメージはありません。

柔軟性を高めるようにしていくためには、ご自分がどれくらいかたいのかおおよそ知っておかれるほうがよいでしょう。

そこで、今回はまず『関節のかたさ』についてゆっくり考えていきたいと思います。

 

関節のかたさへは悪いイメージがつきもの

私は、よく患者さんに
「ご自分の身体の柔軟性についてはどのように思われていますか?」
と質問します。

すると、

  • 6~7割  →  「身体は(関節が)かたい」
  • 2~3割 →  「人並みの身体のかたさ」
  • まれに →  「人並み以上に柔軟性がある」

という答えが返ってきます。

この答えは、

  • 自分の能力をひけらかすことを嫌い、日本人の美徳としてある『慎ましさや謙虚な態度』からくるもの
  • 自分の身体の柔軟性が本当に低いと感じている

から来るものととらえています。

スポーツでケガをした子供にも同じように質問したら、8~9割が「身体がかたい」と答えられます。
実際みると、確かに柔軟体操は得意そうに見えません。

そこで、
「柔軟性が低いがわかっているのにクラブとかでは何もしないの?」

と聞くと、
「ほとんど何もしないか、クラブのアップでちょこっとストレッチをする程度です」
という答えがほとんどです。

「なんという身体のコンディショニングへの意識の低さか・・あぁ・・」

と指導する側の意識の低さをいつも嘆いてしまいます。

 

身体のかたさは基準を決めて自分で評価すること

実際に『関節のかたさ』をどう評価しているかというと、 はっきりとした基準がなくなんとなく測ってなんとなく固いな・・なんて言っているのが現状です。

この現状から関節のかたさについて考えてみますと

  • スポーツの実際の動作を教えることの方が重要視される
  • かたさが直接の原因で身体の問題が起きることがないと認識している
  • 何か対処したらといって目に見えて変わるわけではない

ことから、

「厳密に決めなくてもいいんじゃないの?」

っていう業界のゆるい雰囲気ができてしまって誰も真剣に捉えようとしないのではないかと考えます。

 その中でも評価しているところの多くは、『股関節のかたさ』で評価しているようです。

代表的な『関節のかたさ』の評価方法を紹介します。
 

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関節の硬さの測定(tightness-test)

測り方は、それぞれポーズをとりますが、それは自分で行っても他人に手伝ってもらってもいいし、自分でするのと他人の助けを借りてした結果の両方控えておいてもいいです。

自分でするか他人の助けをかりながらやるのかは、あらかじめ決めておくといいでしょう!

下肢伸展挙上角(straight leg raising angle:SLR角)

『股関節のかたさ』:下肢の後面の筋肉群(ハムストリングスなど)の影響を調べる。

  1. 仰向けに寝ます
  2. 片側の足(足首あたり)を持ちあげます 
    体が硬いSLR1

このとき、
・挙げた膝が曲がらないようにすること
・挙げていない側の膝も曲がったり足が浮いたりしないようにすること
を注意しながらおこないます。

膝はどうしても曲がりやすいので、太ももに手を引っ掛けて膝を曲げにくくしておく持ち方もあります。体が硬いSLR2

 90°を基準に90°以上できれば柔らかく、できないものをかたいとしてその角度を測り評価します。

自分でしてもらう場合は、体が硬いSLR3
このような挙げ方です。

踵殿距離(heel buttock distance:HBD)

『股関節のかたさ』:下肢の前面の筋肉群(大腿四頭筋など)の影響を調べます。

  1. うつ伏せに寝て、両足をまっすぐ揃えます。
  2. 骨盤を床に向かって押さえつけながら、片側の足(足首あたり)を持ち、踵がおしりにつくように膝を曲げていきます。
    体が硬いHBD1

このとき、

・お尻が浮いてこないようにすること 体が硬いHBD2

・両膝の間の距離が開いていないこと 体が硬いHBD4

を注意しながらおこないます。曲げるときも無意識にすれば自然に膝は開こうとしちゃいます。 体が硬いHBD5膝と膝はくっつけておこないましょう。体が硬いHBD3踵がおしりにつけば柔らかいとします。つかない場合は踵とお尻のあいだの距離を測りましょう。

自分でしてもらう場合は、 自分で曲げていくようにするか体が硬いHBD6

自分の手でひっぱるようにします。
体が硬いHBD7

指床間距離(finger floor distance:FFD)≒立位体前屈

背骨のかたさ:体幹の後面の筋肉群(脊柱起立筋など)や下肢の後面の筋肉群(ハムストリングスなど)の影響を調べます。

  1.  まっすぐ立ち、足はそろえておきます。
  2.  指が床に近づくように前屈していきます。
    体が硬いFFD1
    このとき、
    ・膝が曲がらないようにすること
    体が硬いFFD2
    を注意しながらおこないます。

指先がつくのを基準に、つかなければかたいとして距離を測っておきます。

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 膝抱え(Thomas肢位)

『股関節のかたさ』:股関節の前面の筋肉群(腸腰筋など)の影響を調べます。

  1.  仰向けに寝ます。
  2.  片側の膝を曲げて両手で太ももがお腹につくように手前に抱え込みます。
    体が硬い膝抱え1

このとき、
・背中が丸くならないようにすること
・しっかり抱えた膝を手前に引き込んでおくこと
を注意しながらおこないます。

膝裏と床に隙間ができないのを基準に、かたければその間の距離を測っておきます。

自分でしてもらう場合には、体が硬い膝抱え2このように行います。もちろん、膝裏が浮いた場合は、距離を測りましょう!体が硬い膝抱え3

アキレス腱伸ばし肢位

『足関節のかたさ』:足関節の後面の筋肉群(腓腹筋など)の影響を調べます。

  1.  壁に手をつき、片足を引きます
  2.  後ろに引いた足の踵を床につけ身体を前に傾けます。 体が硬いアキレス腱伸ばし1

このとき、
・踵が浮かないようにすること
・足先はまっすぐにして外向かないようにすること
を注意しながらおこないます。

このようにまっすぐに足先を向けます。体が硬いアキレス腱伸ばし2

外側に足先を向けないようにしましょう!体が硬いアキレス腱伸ばし3

20°を基準に、その角度を測りましょう。

 

おわりに

『身体がかたい』という悩みは、あちこちで耳にしますがきっちりと評価していることは非常に珍しいです。

『身体のかたさ』を解消するためには、漫然とストレッチをするのではなく今回紹介したような評価などを取り入れて自分をしっかり評価してから取り組んでいくと自分の身体がやわらかくなっていくのをしっかり実感することができます。

是非、これらを使ってまずはご自身の現在の状態を確認していきましょう!

そのあと、股関節のストレッチをして柔軟性を高めたいと思われた方はこちらをお読みください。

股関節のストレッチをする前に知っておくべき効果をあげるポイント

股関節の開脚ストレッチはいきなりしないで正しく効果的な順番で

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