腰椎すべり症でしてはいけない治療やリハビリ・運動とは?知って安心のケア手引きを紹介
「腰痛がなかなか治らないなぁ・・1度病院で診てもらっておくか」
と思って軽い感じで病院に行ったらレントゲンを撮った結果
「腰の骨がずれていますね、腰椎すべり症です」
と医師から言われ、はじめて自分が単なる腰痛ではなかったんだと気づかれる方は非常に多いです。
しかし、そこから何かそのすべり症に対しての治療とか日常生活で注意しておくポイントなどを指示してもらえるのかと思ってもその期待はほぼ裏切られることになります。
後は、「無理しないでくださいね」くらいで普通の腰痛の人と変わりない対応をされる方がほとんどです。
(明らかな重症のケースであれば対応は変わりますが、それであればそもそも単なる腰痛だと誤解されることもありません)
テレビでよくみるリフォーム番組などで例えれば、築年数の長い家で柱が腐っていまにも崩れそうになっているようなことが身体に起こっていると思うとよいでしょう。
大黒柱がずれて弱っているのに特に何もしないとなればすごく不安でしょう。
そんな腰椎すべり症の方が、
- 治療家のもとで、治療や理学療法を受ける
- 自分でリハビリとして運動やストレッチをする
ときに、何をしたらよくて何をしてはいけないのか(禁忌)、気を付けておくポイントを押さえておくと安心だと思いますので紹介していきます。
すべり症で基本的に注意が必要なこと
すべり症の方が治療を受けるときには
- すべっていく方向は後ろから前に向かって
- 腰が反る動きに伴って負担がかかりやすい
ことをまず注意をしておかないといけません。
腰椎にかかる力が特にその方向(反る方向)にある治療やストレッチ、運動などは控えるか十分注意をしておく必要があります。
治療や理学療法で避けておかれること
病院であればその点の配慮はなされていると思われますが、リハビリを受けるときなどを含めても
- うつ伏せで腰をマッサージする
- ストレッチで反る動きをする
などは避けていくのを原則としておくとよいでしょう。
特に気になるのが、病院以外で治療を受けるときですが、
- 整体やカイロプラクティックで腰の骨をボキッと矯正する
- 腰を直接体重を乗せて押さえる
などは注意が必要です。
施術者にきちんと病態を伝えてすべり症にあわせた施術をしてもらえるようにしましょう。
その点、鍼灸治療や電気治療などは強い力が腰に直接かからないので安全に受けていただける治療といえるでしょう。
すべり症でやってはいけない運動や運動をするときの注意点とは
すべり症では1番問題になってくるのが、『反り腰で体重をかける』運動です。
スポーツでは多くの種目が当てはまってしまいますが、陸上で運動すると上半身の重みが反っている腰に負担をかけていきます。
その中でも、ジャンプやダッシュなど瞬発的に強い力がかかるものは避けていくようにすることは大切です。
腰椎が前にすべっていくのを少しでも抑えるためにできることは、
- 深部腹筋を鍛えて筋肉の壁を作る(≒反り腰を作りにくくする)
- 腸腰筋のストレッチを行って腰椎が前に引っ張られる力をゆるめる
- コルセットを着用して腹圧をあげる
ことが大切になります。
すべり症で起こる症状を改善させるためにストレッチをするときのポイントは
すべり症で治療を受けるのもよいですが、症状が軽い方や治まってきた方なら自分で筋トレやストレッチなどをすることは必要と考えておくとよいでしょう。
筋トレやストレッチをするときの注意点を紹介しておきます。
- 腹筋は、コアトレーニングで深部体幹の筋肉を鍛えることからはじめる
深部体幹の筋肉は運動時の身体の安定性を作る筋肉になります。
種目も身体を激しく動かさないものが多いので始めやすいのがおすすめのポイントです。 - ストレッチは立つ・うつ伏せは控えて、仰向けや横向けで寝て行う
立ったり、うつ伏せで行うものは気を付けていても無意識に腰に負担をかけてしまう可能性がありますので、最初は仰向けや横向けの種目から取り入れていきましょう。 - 背伸びと腹圧の意識を忘れない
どんな種目をするときも、背筋を伸ばしおなかを凹ませる意識をもつことで、深部腹筋がしっかり働いて負担を減らしてくれます。 - 違和感があるものはすぐにやめる
ちょっとくらの痛みやしびれ・違和感が出ても早く治したいからと無理にする方が多いですが逆効果になります。
こちらのポイントを押さえればより有効なリハビリを自分で行うことができます。
おわりに
以前ある治療家の方から、
「腰椎すべり症の方の治療で注意しておくべきことを教えてください」
と言われたことがありました。
その方は、うつ伏せで腰への直接マッサージを行っていたとのことで
「早くにこういうことを知っていれば・・」
と、自分が安全への配慮ができていなかったことを悔やんでおられました。
実際に、すべり症の診断を受けた方でも重症の方から何も症状がない方まで様々です。
そのため、今回のポイントを全員守らないと絶対いけない!というわけではありませんが、安全性を考えれば今回の内容を知ったうえで治療や運動などをうまく選んでいただけたらと思います。
まずは、それらを知ることで自分がすべり症と向き合うときに何をするべきで何を避けるほうがいいのか?その判断基準を持つことができるのは有効だと考えます。
この記事によってみなさまの治療・リハビリがより効果的な方向に進むヒントになれば幸いです。
お身体に関するお悩み解消にお役に立てる情報が提供できていますと幸いです。
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