頚椎椎間板ヘルニアのリハビリになる安全なストレッチ体操のポイントは

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「頚椎椎間板ヘルニアの首・肩こりや腕の痛み・しびれを改善するためにストレッチをしたい!」

と思われている方に、お勧めのストレッチや体操(エクササイズ)を最初に紹介します。

その後には、

  • ストレッチ体操で、やってはいけない種目・効果を出すための種目の選び方
  • ヘルニアではどんな体勢になるのがいけないのか?(禁忌肢位)
  • リハビリを自分でするときのポイント(注意点)

などもあわせて紹介していきます。

こちらで紹介している内容を踏まえてストレッチをすることでより安全で効果的に症状を改善していけるようになれることでしょう。

ストレッチの前にまずしておきたい体操

首まわりに問題が起こっているため、最大限首に負担をかけない配慮をしないといけません。

ネットの記事の中では、ヘルニアのストレッチと言いつつ、ただの首の筋肉のストレッチを紹介していて椎間板に負荷をかけるものを紹介しているものも見受けられます。
このような病態をまったく考慮していないものは症状の重い方がすれば悪化のリスクが高いためおすすめできません。

そこで、ストレッチをする前により首への負担を減らすための準備体操を紹介しますのでこちらから始めてください。

ドローイン+コアマッスルトレーニング

  1. 仰向けになって膝を三角に立てます。頭の位置は、枕やクッションを首が楽な高さになるようにご自分で敷くか決めてください。
  2. 両手をウエストのくびれのところにあてます。この時、肩は開いて方の後ろはなるべく床から離れないようにしてください。
  3. お腹をへこませて、床と腰にある隙間を埋めるようにしていきます。(骨盤 後傾)
  4. 両手で骨盤を下に軽く押し下げる力を入れながら、身体は頭上に背伸びをするように伸びていきます。
  5. お腹がへこんでウエストのくびれができてくるイメージでできていれば正解です。
  6. 5秒保ってからゆっくりゆるめます。

目安回数 10回×3セット

こちらが慣れてくれば背中の1番丸いと思われるところ(バストのトップの位置から少し下あたりを目安)にタオルを敷いて高さを作っていくとより効果的です。
無理せず少しずつ試していってください。

首の問題とはいえ、ひとつながりになっている背骨の状態を良くしておくことは大切です。

脇まわりや肩甲骨周辺のストレッチ

  1. 四つ這いになって両腕を肩幅の倍の幅に広げ、手のひら1,2枚分前に手をつきます。顔の下に本やバスタオルを重ねたものを用意しておくのもおすすめです。
  2. 指先を向かい合わせてするようにして身体を床に沈めます。
  3. 頭が床の上に乗って首の力が抜けるようにしてそのままの状態を10秒保ちます。
  4. リラックスしながらじっと背中が引き締まり、脇の筋肉の伸びを感じてから戻していきます。

目安回数 3回×3セット

床に頭を置いてもよいですが、高さがあると楽にできますのでバスタオルなどで台を作り高さの工夫をすることをおすすめします。
工夫をしてもヘルニアの方は状態によっては症状や違和感などが出る可能性があります。
そういう場合には無理をせず他の種目をおこなうようにしておきましょう。

やさしいマーメードストレッチ

  1. 正座か椅子に座り片手を挙げます。頭が動くと不安な方は頭を反対の手で支えておくとよいでしょう。
  2. 腕を挙げた側の胸を横に押し出します。もし可能ならおしりを横にずらしていってもよいでしょう。
  3. 腕の付け根から脇腹のストレッチ感を味わって心地よいところ(もしくは痛みの感じない範囲で)でじっとして10~20秒います。

目標回数 3回×3セット

特にこの種目は、左右で違和感が出やすい方向と楽にできる方向などかなりの左右差が出やすいものです。

目安回数 2回×3セット


why?のポーズ

1、背筋を伸ばして姿勢をよくします。両腕の力を抜いて肘を曲げて手のひらを天井にむけます。そこからゆっくり肩をすくめていきます。外国人(白人)の人の「Why?」みたいなイメージです。肘を身体にくっつけて肩甲骨からまっすぐ肩が持ち上がるイメージで行うのが大切です。

2、挙げたまま10秒リラックスしてからゆっくりおろしていきます。

目安回数 10回×3セット

頚椎椎間板ヘルニアのときストレッチ体操として、やってはいけない・注意が必要な種目(禁忌肢位)とは、

頚椎椎間板ヘルニアの方は、首の状態に問題がありますので筋肉に過剰な負担がすでにかかっています。
そのため、ほぼ肩こり・首こりの症状をお持ちです。
(肩こりがない人でも触ると筋肉がカチカチだったりします。)

肩・首まわりの筋肉がカチカチに固まっていることや筋肉バランスの悪さが首への負担を作っていて、ヘルニアの症状を重くしている可能性が高く、ストレッチを行うことで症状が改善されていくことができます。

ただし、首まわりをいきなりストレッチすることはおすすめできません。

首は、他の場所に比べても細くデリケートで、無理をするとすぐに強い痛みなどの症状が出てしまいます。

首のストレッチはいきなりやればヘルニアによる首の痛みや腕の痛み・しびれが悪化するリスクが高いためそこからアプローチするのはやめましょう。

そして、ヘルニアでは

  • 腕がぶら下がっている重み
  • 頭が宙に浮いて傾いている

状態は負担になり、症状が強くなることがあります。

例えば、

  • 前屈のストレッチ
    頭が宙に浮いたまま前後に身体が移動する
  • 後ろ反らしのストレッチ
    を支えるための筋肉の緊張が強いことと、首が反る動きが出る

といったものです。

頭に過剰に緊張が出ない体勢で行うものか、頭を腕で支えるような工夫がされていることが安全性を確保する上では重要になります。

 

頚椎椎間板ヘルニアのときに気を付けておきたい体勢とは

ヘルニアの初期で強いときは、首がまったく動かせない方や、腕を支えて動かさない方などがいらっしゃいます。
これは、負担をかけないようにして症状を出さないために身体がしているポーズなので逆らってはいけません。

逆にこれをヒントに、腕を身体にくっつけたり上になるべく上げたり、首を動かさないアプローチをするのが正解になります。

普段の生活では、洗濯物干しや電球交換など上を見上げる動作は避けるのがよいでしょう。

寝るときは、枕の高さをやや高めにすることが合う方が多いようですが、これは個人差がありますので自分にあう高さを探してください。
普段使っている枕にタオルを重ねて高さを足していくかたちでベストなポジションを決める方法が簡単でおすすめです。

首の固定具(カラー、交通事故などで着けるもの)は、重症の方ならする場合もありますが基本的にはしないで対応していくことになるでしょう。




 

自分でリハビリをするときに知っておきたいこととは

頚椎椎間板ヘルニアは、神経にかかっている障害の強さによっては手術適応になりますが安静を続けたり自分でストレッチや体操などをして治していくことが可能なことが多いです。

基本的には日常生活が困難なくらいの症状がずっと続いていなければ保存療法で経過をみることになるでしょう。
(初期は日常生活が困難になることもありますが、一定期間がよくありして軽快していくケースが多いです。)

病院で保存療法で行きましょう!となれば薬を出してもらって症状とうまく付き合うようにすることはありますが、それを併用しながらも自分で治すアプローチをしていくのが大切になってきます。

そのため、リハビリ(運動療法)をするは基本的には自分で今回紹介したストレッチ体操や、症状が軽い方や落ち着いた方であれば首こり・肩こり体操などを実践することが治療になっていきます。

自分で違和感や痛みが出ないでできる種目で、先ほど挙げた注意するべき種目を守っていればうまく進めていけるでしょう。

そして、今回紹介したストレッチ体操のポイントを紹介しておきます。

  1. 背骨のカーブが強く乱れて姿勢が悪い方が多いため、それを腰や背中から筋肉バランスをとっていくことで首にかかる負担を減らします。
  2. 頭を宙に浮かせないようにしていくことで、首に過剰な筋肉の緊張を作らないようにします。
  3. 首をなるべく動かさないで、椎間板まわりのバランスを乱さないようにします。
  4. 腕を挙げる方向のストレッチを行うことで、首・肩まわりが腕を支えるために過剰に使っている筋肉の緊張をゆるめていきます。

あと、1点知っておいていただきたい点が『しびれ』についてです。

ヘルニアの症状には、首肩こりや腕の痛み・しびれ・感覚が鈍くなる・筋力低下など様々あります。

その中でも特に起こりやすいのが、腕の痛みと腕のしびれです。

どちらもストレッチ体操などのリハビリで経過をみていけますが『痛みよりしびれのほうがなかなかとれにくく、とれるとしても時間がかかる』ことは知っておいてください。

まずは、痛みが改善されて生活しやすくなります。同時にしびれがとれれば幸運としますが、もししびれが残っていたとしてもそこから続けていくとしびれがとれていく、という経過をたどりやすいものです。
その心づもりがなく成果を焦るとストレスが溜まってしまいますので、まずはこちらを知っていただいて順番を追ってアプローチしていただくことをおすすめします。

 

治療院や整体などの治療を受けに行こうかと思われているときに注意しておくことは

ヘルニアでも日常生活がつらいくらいの強い症状から、診断はされているけど肩こり・首こり以外に特に症状がないという方まで様々です。

そこで、自分でやることが気持ち的にまだ前向きにできないときや早くなんとかしたいときには治療家にゆだねることもひとつの選択肢になります。

ただし、まず治療家に自分が頚椎椎間板ヘルニアと診断を受けていることを伝えてください。

治療内容はそれで治療家が症状などから判断して施術してくれるでしょうが、原則は
『首まわりの直接の施術はそれなりに悪化のリスクは伴う』
ことはだれがやっても変わりません。

もし、それらの治療をされそうになった場合には、心配であれば首まわりの施術はしないように伝えるか、治療家ときちんと話をしてから受けるようにしましょう。

 

おわりに

頚椎椎間板ヘルニアと診断されても、医師から手術をしないで保存療法でいきましょう!と言われているならば、今ある症状は自分でストレッチ体操をしたりして解消していくアプローチは正解です。

病院の基本方針は、安静にしていて炎症が治まり飛び出したヘルニアの自然吸収が起こるのを待ちましょう、それまでは薬を使って生活の質を下げないようにしましょう、というものです。

治療院などに行かれ専門家にゆだねるのもひとつですが、自分でできるストレッチを実践することは非常に大切ですし、早く症状を治めたいなら是非やっていくべきでしょう。

こちらでは、首を直接動かさない安全性を最優先にしたものを紹介させていただいてます。
また他にやるとリスクのあることや心づもりしておくとストレスが少なく取り組めるだろうというポイントは紹介しております。
これらの生活のポイントなどもきっちり押さえてやっていけば、そんなに怖がる必要はありません。

ひとつひとつを無理なくちょっとずつでも実践していくことが解決への近道になりますのでできるところからやってみましょう!

当サイトの記事をお読みいただきありがとうございます。
お身体に関するお悩み解消にお役に立てる情報が提供できていますと幸いです。

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