腰を反らせてはいけないは実はウソ!?正しく反らせて慢性腰痛を解消しよう
腰痛でお困りの方に多いのは、床にあるものを取ろうとしたりして前かがみの姿勢になったりした後に腰にジワーンとだるさが出てきたりして調子を崩すというようなことです。
前にかがむと傾いている上半身を腰の筋肉(脊柱起立筋など)が支えていますので負担になってしまいます。
「前にかがむのがだめなら反対に反らせてみたらいいんじゃないか?」
と腰を反らせる動作をしてみると予想に反して腰が痛い、結局動かしてはいけないってことなのか・・とあきらめがちになります。
このようなことはよくあり、腰痛の方の簡単な見方として
- 前かがみで痛い→筋肉性の腰痛
- 後ろ反らしで痛い→関節性の腰痛
なんてざっくり分けることができますが、先ほどのように両方痛くてできなくて当てはまらないケースがあります。
こういう場合の対処はやらないのではなく『うまく反らせていく』のがポイントです。
今回は、前かがみで腰の筋肉が突っ張る腰痛の改善のためにうまく腰を反らせていく方法を紹介していきたいと思います。
なぜ工夫してでも反る動きをしていかないといけないのか?
前かがみで腰の筋肉が突っ張る腰痛の方はもちろんですが、他の方も基本的には今回紹介する内容を参考に反る動作をうまく取り入れていくことをお勧めします。
それは、誰しもが普通に生活していると丸まる動きが過剰になって反る動作が不足しがちだからです。
(食事で例えれば、脂が多くなって野菜不足になるから野菜を積極的に摂るようにしよう!みたいな感じです)
普段の生活を思い出してみますと、
- 丸くなる動作
床のものを拾う、一般的な猫背、ソファや椅子にもたれる、あぐらで座る
- 反る動作
電球交換、高いところにあるものを取る
基本的な動作には丸くなる動きが伴いやすく、反る動作は明らかに少なくなります。
その結果、ご年配の方の背骨は必ず丸く丸くなっていきます。
そのため我々は背中は自然に丸まってしまう宿命にあるのです。
丸まることが過剰になっていく身体は、その方向に傾いていくことで問題を起こすことが多いため
- 身体の前後バランスをとっていく
- きれいな姿勢を保っていく
という観点からでも、どれだけうまく普段あまりしない『反る動作』をするのは必要だと考えられます。
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腰の一部分だけで反ってたらさすがに負担がかかる
背骨(腰)を反らせるのはある程度必要なはずなのに腰を実際に反らせると腰が痛いのは我慢して続けたほうがよいと思ってしまうかもしれませんが、それは正しくありません。
全体として反らせる方向にもっていくのは正しいのですが、今されている反り方では痛みを感じる部分に問題が起こっているのは確かです。
壁にくっついて身体を反らせる動きを実際やってみるとイメージしてみてください。
このときに、普通に反らせれば背骨でも
- 腰・骨盤のあたり
- 首・後頭部の付け根あたり
がすごく反る感覚がすると思いますが、背中のあたりは反っている感覚がないと思います。
首と腰は構造上反りやすく、自然に反っていくのは間違いではありませんが
『普段からそこばっかり過剰に使って他をまったく使えていない』
背骨の柔軟性のアンバランスが一部分への集中した負担へと変わっているため反らせると痛みが起こるのです。
気持ちよく反れば腰は痛くないことがほとんど
そこで、反らせる動きをするために少し意識を
- 普段反りやすい部分を控え目に(グリーン)
- 普段から反りを意識しにくい部分を意識的に(オレンジ)
としてみることが大切です。
言葉で表現すれば、腰や首は反らさずに、背中と股関節で反らせるイメージです。
この意識で行えば、多くの方が痛みや違和感がなく心地よく反り動作を行うことができます。
すごく背中が固い方はこれを意識してもまだ違和感・痛みが出てしまいます。
その場合には、事前に背中の動きを柔らかくできるようにほぐしておく必要がありますので、別のエクササイズで最初にほぐしておきましょう。
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反り方は、立って反るのでも構いませんが、
- 片足を前に踏み込んで反らせる
まっすぐ立つより前後の安定感があるのでやりやすい
- うつ伏せから上体を起こして反らせる
少しずつ自分の力で強度をつけていける
- 仰向けから反らせる
自分の背中の筋力を鍛えながら反らせていける
など、いろいろなやり方がありますのでやってみて自分がやりやすいものからやってみるとよいでしょう。
最初は、膝立ちで反らせる方法がありますが、腰に負担がかかりやすいので慣れてからするようにしましょう。
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腰痛だけじゃない、反ることで得られる複数の効果
反る動作をうまく取り入れることで、筋肉が張って痛い腰痛の改善にもつながってきますので是非うまく取り入れていってほしいです。
しかし、この反る動作はきちんと身に着けていくとただの腰痛改善だけにその効果は留まりません。
- 猫背の背中が改善され、背中のコリや肩こりの解消に
- 頭が前に出る姿勢での首コリが解消され
など身体の背面にある問題の多くを一緒に改善させていけるようになります。
一般的に反ることは前屈に比べてうまくできないと痛めてしまう可能性があるためおすすめされません。
だからと言ってやらないのは非常にもったいないくらい効果があります。
ひとつひとつ注意点を確認し、無理をしないように少しずつ実践していけば安全におこなっていけますので焦らず実践していっていただければと思います。
おわりに
一般的には、腰の関節や神経に負担がかかる可能性もあるため
「反らせる動作は腰に負担がかかるからやらないほうがいい」
と言われがちです。
もちろん、それらに負担がかかる場合には痛みや放散痛など症状が出ますのでその場合にはやるべきではありません。
しかし、全体的に反ることが不足し、前かがみの方向に偏っていって体の諸問題は発生しがちです。
それを根本からすっきり解消していくためには反らせる動作をうまくできるようになることは避けて通れません。
反らせてはいけない!という思い込みを捨て、ストレッチでもなんでも丸まる動作はあってもあまり積極的にされない反る動作ですが、その効果を感じていただき無理なく皆さんのより快適な身体の環境づくりにお役立ていただけれたら幸いです。
お身体に関するお悩み解消にお役に立てる情報が提供できていますと幸いです。
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