段差がないのにつまづくのはなぜ!?足の筋力低下じゃない本当の原因は
「段差のない床に足先がひっかかってこけそうになることが増えた」
「小さい段差にも引っかからないように足先を意識しないとつまづいてしまいそう・・」
など、段差でつまづいて転倒することで骨折などの大けがをする方も心配になるのは当然のことです。
そこで、どうしているのか話を聞くと
- 太ももを少し高めに上げて足先をしっかり持ち上げるようにする
- 歩くときの足の着地が踵からしっかりつくようにする
- 足のつま先が少し反っているタイプの靴を履く
などの工夫をされているようです。
これらの対処法は間違いではありませんが、根本的に解決しておりませんしやり過ぎると歩き方が悪くなってしまってつまづくことが減っても他に問題が出ることもあります。
そうならないで根本的に解決する方法を今回はご紹介していきたいと思います。
踵から床に着くように歩けば、踵や膝が痛くなる!?
歩くときの足はつま先がしっかり浮いて踵がまずつく(足関節 背屈)ところからつま先に順番に着くようにすることをイメージする方が多いです。
これは一般的にきれい歩くためには『まず踵から着く』と言われていることからそれを真似る形で足が床に着くときに足先をしっかり上げて踵を床につける方がいますが要注意です。
必要以上に足先を上げる動きは
- 踵への着地の衝撃が増す
- 膝にピンと伸ばす負担がかかる
ことが起こって、踵や膝が痛くなってしまうこともありますので過度の意識はおすすめしません。
踵から床に足を着くのは、『普通の歩行をしていれば誰でもそのように足を着く』のが普通であってわざわざ意識するものではありません。
逆に足先から着地する歩き方を試しに行ってみてください。
それは昔の『盗人の忍び足』であってそんな不自然な足の着き方をする人はどこにもいません日本人は確かに
- 前に重心がかかり気味
- 足裏を比較的全体が一緒にベタッと着くようにする傾向があり
- 膝を軽く曲げ膝でバネを作る
タイプの方が多いため、欧米人の典型的な
- 膝をピンと伸ばして
- 踵から床に着地する
のがはっきり見てとれる歩き方にはなっておりませんが、足のつき方だけを変えてしまうことは踵や膝に負担をかけてしまうことになりかねません。
つまづくのは足が着くタイミングじゃない?
実際に足がつまづきやすいタイミングを見てみますと、足が床についていくときではなくて
『床に着いた足が床から離れていくとき』
に足先がひっかかるのが起こりやすくなります。
そうすれば先ほどの対策がそもそもあまり効果的ではないこともわかることでしょう。
では、そのときにつまづかないために脚をしっかり持ち上げる足踏みのような(ぬかるんだ地面を歩くような)歩き方をするのはどうでしょうか?
これは、足全体でドシドシ踏み込んでいく歩き方になりますので
- 早く歩くのに向いていない
- 見た目にかっこ悪い
というデメリットがあるため、ずっと続けるには向いていないと言わざるを得ないでしょう!
段差がないのに足先がひっかかってしまう原因は?
今も昔も同じようにただ歩いているだけなのに足先がよく床にひっかかってしまうのはなぜだろう?と思われることでしょう。
歩き方を変えたつもりがないなら自然に変わったこととして
『筋肉が落ちた(筋力低下)』
をまず疑い、そのために歩くときに足を持ち上げるのに必要な筋肉を鍛えようと
- 足先を上に持ち上げる(足関節 背屈)
- 足全体を上に持ち上げる(股関節 屈曲)
などをトレーニングとしてされる方もいらっしゃいます。
もちろん筋肉の問題もあると思いますが、その筋肉の問題でも無視できないのが『重心の低下』です。
まっすぐ立っているだけで重力で身体は床方向に押しつぶされるストレスを受け続けていてそれに逆らうように筋肉は働いています。
その主要な役割をしているのが背伸びをするときに使われる腹筋の『腹横筋:ふくおうきん』です。
この筋肉を使って腰から全体的に上に伸びあがっておくことができなくなって腰がさがってくる(重心が落ちる)のが1番よくありません。
前に流行ったシュンシュン歩きはなかなか有効なエクササイズ
重心はほうっておけば年々落ちていくものですから、意識して引きあげて『腹横筋』を鍛えておく必要があります。
その方法は至って簡単で、『天井に向かって背伸びをしておくこと』を常に意識し続けることで鍛えられます。
ただ、それだけでは時間もかかりますので、より積極的に鍛えるためのコツを紹介します。
1.わき腹をストレッチしておく
重心が落ちてくると、お腹やわき腹が縮んできてしまう傾向があります。
そのあたりをしっかりストレッチしてほぐしておくのは非常に効果的な方法で、そこで昔流行ったデューク更家さんのバンザイしながらクネクネ歩くのが効果的です。
そのように歩かなくてもいいですが、わき腹を左右に身体を傾けてストレッチするだけでも効果はあります。
2.骨盤から腰のねじりの練習をしておく
歩くときには骨盤はじっとしているようで実はいろいろな方向に動いています。
この動きも年々小さくなっていきますので、骨盤まわりを捻るストレッチなどをして練習しておくとよいでしょう。
3.お腹を引き締める丹田の意識
次に背伸びをするのに合わせて少しお腹を奥の方に引っ込める昔から『丹田:たんでん』と言われる意識をすることです。
ただし、やみくもにお腹を凹ませばいいってものでもありませんので、簡単な方法を紹介します。
- 立った状態で軽く手をおなかにあてます。
- その手を添えた部分からお腹が奥に引っ込むイメージをつくります。
- 手の位置を変えながらおなかを凹む意識を試して、凹ませたときに『腰が丸くなる気がする』場所を選んではいけません。
凹ませる意識に合わせて腰や骨盤がじっとしてそうな感じか逆に腰が反りそうな気がするくらいの場所を選んでください。
わざわざ腰が反る位置を意識する必要はありません。
できれば骨盤・腰が丸くも反りもしない点があるはずなのでその位置を見つけましょう。
おおよその目安は、おへそから指を4本下に下がったところ付近になります。
巨大なUFOキャッチャーで私をつまみ上げる意識
丹田を引き締めながら背伸びをすればそれだけで下がっていた重心点があがっていき
- 脚が軽く動かせる感じになる
- 足が持ち上がりやすくひっかかりにくくなる
ことが体感できることでしょう。
これを立っているときはもちろんのこと、歩いているときも常に超巨大なUFOキャッチャーのクレーンに自分が吊り上げられている意識をするのがコツです。
それを少しずつ練習していくだけで重心は引きあがり、つまづきにくくなります。
しかも、他の方法と違って歩き方が軽やかできれいになり、他の身体の部分に負担のしわ寄せがくることもありません。
おわりに
今回読み終わられてもしかすると、
「こんな当たり前のことを言われてもな・・・」
と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
足首を反らせたり、ももを上げたりして、それを
「前脛骨筋の筋力を強化することでつまづきを減らします」
とか言われたほうがなんとなくすごそうな気がしますが、すごそうな気がすることときちんと効果が出ることはまったく関係がありません。
逆に昨今は、このような小難しい理屈をこねたほうがなんかすごそうで信頼してしまいがちなため世間で流行りがちですが、その真偽はきちんと見極めていくことが大切です。
今回に限っては、まず自分で重心自体を引きあげるという当たり前なことをやる正攻法が大切です。
その後、個々の筋肉を鍛えるのは自由なのでまずはこちらのことをしっかりご確認して実践してみましょう!
お身体に関するお悩み解消にお役に立てる情報が提供できていますと幸いです。
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