『変形性膝関節症』の症状や治療について知っておきたい13の疑問
Q7:正座はしてはいけない?
A:痛みがある人は控えるべきでしょう!
正座については、一般的に 「膝によくないから正座はしてはいけない」 といわれがちです。
実際は、正座は膝に悪いからをしてはいけないということではありません。
- 日本人で『変形性膝関節症』になっていない人には、正座習慣のある人が多かったという報告
- 世界では
・仏教やイスラム教圏→正座習慣のある人
・キリスト教→正座習慣のない人
で比べると、
キリスト教圏の人の方が『変形性膝関節症』の割合は高かったなどの報告
があります。他には日本の調査で、正座習慣がある人の方がない人よりも『変形性膝関節症』の割合は低かったなどの報告もあります。
それらからも一概に正座習慣は膝関節によくないとは言えなくて、『痛い時に無理にする正座はいけない!』理解しておかれるとよいでしょう。
そこで、膝を悪くしない正座については
- 1回あたりの時間を長くしない
1回座ったら座りっぱなしというのは正座に限らずやりすぎはだめです。
1回座るのは10分程度で1回足を崩すなど、連続でしない工夫は必要です。 - 正座いすを使う
正座は骨盤がまっすぐ立ちますので腰痛のある人などにはいい座り方です。
膝に体重を乗せないで正座ができるサポートグッズが売ってますのでそれらを利用することをお勧めします。 - 痛みや違和感のある人はしない
「昔から正座をすることはあってできていたから」
と言って今痛みがあるのにすることは一切勧められませんスポンサーリンク
変形性膝関節症の治療についてのあれこれ
『変形性膝関節症』の治療をどう受けていくのがいいのかわからないのが普通です。
よくテレビの宣伝などで
- サプリメント(グルコサミン、コンドロイチンなど)
- サポーター(膝を支えるグッズなど)
を勧められているけど、それらも使うべきなのか?などよく質問されます。
Q:8サプリメントを摂ったほうがいいの?
A:摂ってもいいですが、かけた費用にしては効果はさほど期待できないかもしれません。
膝関節の軟骨が傷んでいるからその成分を『サプリメント』で摂取したら関節の保護になるんじゃなかっていうことで
- コンドロイチン
- グルコサミン
などをよく飲んでおられる方が多いです。
効果はあるのでしょうが
「たくさんの成分を摂っても、口から胃腸で消化・吸収され、血流に乗って全身を巡って『膝関節』に届くのっていったいどのくらいの割合なのでしょうか?」
と言われたら
「相当少ない量しかいかない・・ですよね?」
ってなるからです。
それをするならば病院に行って、膝に直接『ヒアルロン酸』を注射してもらって直接関節を保護するようにしたほうが効果が期待できます。
しかも、サプリメントは結構高額なので費用対効果を考えたときは勧めにくいです。
「ヒアルロン酸注射もしているし、サプリメントも飲む!」
という方はもちろんそうされたほうがいいでしょう!
Q9:湿布を貼ったり、痛み止めを飲んでもいい?
A:もちろん痛いときにはそれらを使ってください。
そこで、重大な注意が2つあります。
1、痛みを抑えているだけで治っているわけではない
湿布・軟膏・痛み止めなど、どれを使っても痛みがましになります。
そこで、
「痛いのが治るからずっと湿布貼ってるんよ」
「毎日痛み止め飲んでるけど大丈夫かな?」
など言われます。
これらの処置はあくまで
「症状といて出ている『痛み』をごまかしているに過ぎなくて、治まっているのは一時的なものです。
もちろん実際治す役割はありません」
このことをちゃんと確認しておいてください。
『湿布』の種類や注意点などを知りたい方はこちらをご覧ください
「『湿布』の効果や貼る時間、種類などの素朴な疑問をわかりやすく解説!」
2、使い過ぎで問題が起きることがあります。
『湿布』は貼っている間、皮膚に負担をかけますので肌がもともと強いか弱いかなど個性によりますが、貼りすぎると『湿布かぶれ』が起こるリスクが高まります。
『湿布かぶれ』が起こると、しばらく『湿布』を貼れなくなりますので注意しておきましょう。
『痛み止め』は、ちょっと使ったくらいでは問題ありませんが、長期間使用し続けると『内臓(特に胃腸)』に負担をかけます。
市販薬もありますので簡単に手に入りますが長期に使用する際は、お医者さんか薬局の人と相談してからにしましょう!
Q10:膝にサポーターを着けたほうがいい?
A:サポーターはどちらでもいいですが、装具は着けることをお勧めします。
みなさんが膝が痛くなって市販でパッと買って着けられるのは、 『サポーター(保温とかの目的のある)』 が大半だと思います。
伸び縮みのする素材で作られて膝まわりに履くようにつけるものです。
これは、
- 冷えの予防
- 『膝関節』を傷めている自分の意識づけ
の目的にかなってますので着けられたら良いと思います。
『装具』は市販でもそれなりのものがありますが、主に『装具』は病院で処方されるもので 『支柱などが付いていて膝がグラグラするのをサポートする』 特徴があり、『変形』の進行を抑制する効果があると言われています。
試着したら必ず
「思ったよりごっついんやね」
「これで、ズボン履けるかな」
と、あからさまに不満の声が出ますが、慣れればなんとかつけていられるようなので『痛み』があってつらいときだけでも着用されたほうがいいかもしれません。
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Q11:膝にたまった水は抜いたほうがいい?
A:よっぽどパンパンに腫れて痛いというわけでもなかったから抜かないでいいです。
膝関節が腫れて水が溜まるのはよくあって、ずっと腫れっぱなしってこともよくあります。
そうすると、
「水が溜まったら抜くって聞いたことあるし、この水抜いたほうがいいんじゃないんかな」
「水を抜いてもクセになってまた溜まるとも聞いたし」
という質問をよく受けます。
水が溜まっているのは、『膝関節』に『炎症』が起きている結果なので、水を抜いても『炎症』が治まっていなければまた水が溜まってくるだけです。
逆に『炎症』が治まれば水は自然に身体に吸収されてなくなるので、それをサポートするように
- 『膝』に負担をかけないようにする
- 治療をしっかりする
などをすることの方が大切ですが、
- パンパンに腫れて激痛
- 曲げ伸ばしがまったくできない
- 日常生活に支障が出ている
場合などには応急処置的に水を抜いてもらう方がいいかもしれません。昔より最近は比較的水を抜かないのが主流になってきているようです。
Q12:膝に筋肉をつけないといけない?
A:最低限、筋肉をつけておく必要はあります。
変形性膝関節症の方は、痛みで運動量が減るためまず膝の筋肉が落ちて、膝を安定させる力が不足するため、膝に負担が余計にかかってしまいます。 そうならない程度に筋力を維持しておく必要はあります。
ただ、ここで誤解されているのは、
「少々辛くても筋力トレーニングをとにかくやればいい」
ということはありません。
痛みがある中でトレーニングって言われても、そんなに力が入りませんのでそんな状態では筋肉はつきませんし、痛みが悪化したら余計膝が使えなくなって筋肉が痩せ続けてしまいます。
そこで、
- 膝の負担を軽減する
- 膝の痛みを抑える
- 体力をつける運動をする
- 筋力トレーニングをする
の順番でトレーニングしていくことが大切です。
最初の3つをしないでいきなり 『4、筋力トレーニング』 をやり始める人が多いのが問題でいくら筋肉をつけたって、それだけで支えられるような体重じゃありません。
筋肉のカバーできる範囲はたかがしれていることをご確認ください!
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『変形性膝関節症』と手術
変形性膝関節症は手術をしない『保存療法』でみていくのが最初で いきなり手術をすることはあまりありません。
手術するにも、『人工関節』などであれば約20年で入れ替えないといけません。
再置換をしないでいい年齢くらい(60歳以上くらいが目安)まで手術をしないでもたせるというやり方もあります。
『手術をしなくちゃその日からすぐ生きていけない』
わけではありませんので、絶対にしないといけない基準っていうのがほぼありません。
言い換えれば、その方その方で手術のタイミングは違うことになります。
Q13:手術したほうがいいのですか?
A:人によりますが、最終的に決めるのはあなたです。
お医者さんから 「手術をしたほうがいいのでは?」 と勧められた場合『変形の程度が手術適応』 であることは間違いありませんが手術をするかどうかは
- 年齢
今は年齢制限はあまり言われなくなりましたが、80歳までにはしておいたほうが体力的なことなどもあっていいように言われます。
20年以上経つと、入れ換えをしなくちゃいけないくあるという点でも年齢は大切な判断材料です。 - 痛み・生活の支障
『変形の程度』と『痛みや生活の支障の程度』は一致しません。
変形だけでいえばとっくに手術適応でも、
「手術はしたくないし生活もなんとかできているから私はこのままでいく!」
という人もたくさんいます。
などを考慮する必要があります。
手術に関しては、 『変形や痛み』が限界まできてから手術するよりもある程度のところで手術したほうが、手術後の膝の動きの良さなどに違いが出てきますので
「手術をしなさい!」
「もう少し待つべきです」
とお医者さんの考え方によって時期にかなり違いがあります。
そこで、非常に難しい問題ですが、それでも最終的に決めるのはご自分です。
大きな手術ですから自分で納得した選択ができるまでお医者さんと話をすることをお勧めします。
おわりに
『変形性膝関節症』の患者さんからよく聞かれることを採りあげなるべくわかりやすく回答という形で解説させていただきました。
もっと、いろいろあると思いますので随時追加予定ですが、
「細かいことよりも、まずはこれを知りたい!」
というご希望にかなう内容であれば幸いです。
お身体に関するお悩み解消にお役に立てる情報が提供できていますと幸いです。
「自分の身体について直接相談したい」
「実際に自分にあったエクササイズを指導してほしい」
と思われた方は、こちらで直接診せていただくこともできます。
お問合せお待ちしております
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