膝のお皿がズレそうなときにはテーピングや運動療法などの治療を

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ちょっと走ったり跳んだり踏み込んだりしたときに、膝のお皿が不安定な方はグラッと外側に外れそうな違和感に襲われることがあります。

違和感だけならまだいいですが、痛みが伴ったりひどい場合は膝が腫れてしまったりしてしまうこともあります。

根本的によくするには手術になりますが、ある程度の年齢までいけば関節の柔軟性が下がってきてグラグラしなくなる方も多いので、できればうまくズレそうになるのを抑えながら経過をみていきたいものです。

そこで今回は、このような『膝関節不安定症(膝蓋骨亜脱臼)』のときの治療方法について紹介していきます。

膝蓋骨不安定症について詳しく知りたい方はこちらからお読みください

膝のお皿が外れそうな違和感やずれる感覚がする『膝蓋骨不安定症』とは!

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膝関節不安定症に対する治療

膝蓋骨亜脱臼による『膝関節不安定症』に対する治療では、いきなり『手術療法』をされることはなく原則は、手術をしない『保存療法』を行います。

手術は、

  • 脱臼をしたときに骨軟骨骨折を伴うもの
  • 『保存療法』を行っていても 脱臼を繰り返すもの(反復性膝蓋骨脱臼)
  • 関節水腫(血腫)を繰り返す

場合、適応となります。

膝蓋骨不安定症の保存療法

『膝蓋骨不安定症』でも、若いうちはその症状に悩まされがちです。
しかし、若年期を過ぎれば年齢を重ねるにしたがって症状が出にくくなっていきます。

それには、

  • 運動強度が下がるため、負担が少なくなる
    スポーツをしている場合は特に当てはまりますが、そうでなくても年齢を重ねるにしたがって身体を激しく動かす機会は減っていきます。
  • 関節が硬くなっていく
    関節が柔らかいことは『膝蓋骨不安定症』の大きな要因です。
    それが年齢を重ねるにしたがって関節が硬くなっていくことで解消されることが多いのです。

などがあります。その若い時期をいかにやり過ごすことができるかが『保存療法』のポイントで
いかに『膝のお皿(膝蓋骨)』が外側に行かないようにするか
を目的にいろいろ処置や治療をおこなっていきます。

不安定症1

『膝のお皿(膝蓋骨)』は、膝の外側に引っ張られる力が自然とかかってきますので『膝のお皿(膝蓋骨)』が

  • 外側に行かないように引っ張ってブレーキをかける筋肉を鍛える(筋力トレーニング)
  • 外側に壁を作って外側に行きにくくする(装具療法、テーピング)
  • 外側に行きやすくなる状況を作らないようにする(運動動作訓練)

などの対策を行うことが大切です。具体的な治療を順番にみていきましょう!

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筋力増強訓練

『膝のお皿(膝蓋骨)』が外側に行かないように引っ張ってブレーキをかける主な役割をしている筋肉は 『大腿四頭筋(中でも特に内側広筋)』 です。

この筋肉を鍛える方法はいろいろありますが、いきなり動きを伴うトレーニングをするのは勧められません。

そこで次のトレーニングを最初はしていただきます。

大腿四頭筋の等尺性収縮(Quadriceps setting、patella setting)

  1. 足をまっすぐ伸ばした状態で膝裏にクッションなどを挟みます
    patella-setting1
  2. 挟んだクッションをつぶすように、膝裏を床方向に5秒ほど押さえつけます。
    patella-setting2
  3. このとき、指先で太ももの内側(内側広筋)をタッチしておきます
    足先はやや内向くようにしておくこと(下腿 内旋)もポイントです
    patella-setting3

目標回数 10回×2~3セット

装具療法

サポーターや装具をつけて、膝のお皿(膝蓋骨)の安定性を作ろうというものです。
109-0484A

この疾患が 特に若い女性に起こりやすいため、ファッション性を重視して

「こんなにごついの着けたくない」

と必ずと言っていいほど、嫌がられます。

確かにすごく厚く、ファッション性にはかなり問題があります。 いかにも病人って感じになります。
それをいかにつけてもらえるようにするかが課題になります。

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テーピング

テーピングは、

「スポーツをするときに安心のためにしておきたい!」

という方におすすめで毎日するという目的に対しては不向きです。

今回、紹介するテーピングは 一般的に『キネシオテープ』 と呼ばれる肌色で伸縮性のある薄手のテープを用います。(ニトリート社製 キネシオロジーテープ50mm)

では、順番に貼り方をご案内します。

  1. テープは、
    不安定症テーピング1
    1、15cm(裏紙の目盛りで3目盛り)
    不安定症テーピング2
    2、20cm(裏紙の目盛りで4目盛り)
    不安定症テーピング3
    3、30cm(裏紙の目盛りで6目盛り)
    不安定症テーピング4
    の3本を写真のようにカットした状態に準備します。
  2. 1番短いテープからまず使用します。
    膝を軽く曲げ、足先を内側に向け膝を外側に押し出した『O脚』のようなポーズをとります
    不安定症テーピング8膝の外側の端から、膝のお皿(膝蓋骨)を内側に押さえるようにして貼ります。
    このとき、テープはややテンションをかけて(50%ほど引っ張って)貼り付けます
    不安定症テーピング9次に、真ん中の長さのテープであらかじめ『Yの字』に切り目を入れたテープを用います。
    切り込みが入っていない側を膝の外側から貼り付け、テープを無理に引っ張らないようにしながら膝のお皿を上下に囲うようにテープを貼り付けます。
    不安定症テーピング10
    不安定症テーピング11
    不安定症テーピング12
    不安定症テーピング13これで出来上がりです。
  3. 最後は、残った1番長いテープを使用します。
    膝が曲がる状態になるようにイスやベッドなどを台にして膝を曲げて立ちます。
    不安定症テーピング14膝の下の出っ張った骨のところ(脛骨粗面)から膝の内側を通って上にテープを貼り付けます。
    このときも、テープはほとんどテンションをかけないようにします。
    不安定症テーピング15
  4. これで完成です。
    不安定症テーピング16
テーピングは、常にするには
  • 費用がかさむ
  • テーピングの時間が毎回かかる
  • テープかぶれの心配がある
などの理由から頻繁にすることはおすすめしません。日常的につけるには、『装具』をお勧めします。

動作指導

膝を使う動作の中で、膝を曲げた状態で踏ん張る動作は 『膝のお皿(膝蓋骨)』 を外側に移動させるストレスを作ってしまいます。

その状態は写真のような 『ニーイントゥアウト(Knee-in Toe-out)』
ランジ3
という状態です。

そうならないために、

  • スクワット
  • ランジ

などの基本動作を練習してそのような悪い癖がでないようにしておくことをお勧めします。

  1. スクワット(Squat)
    この屈み動作は、何も指導されていないとまっすぐ下に屈みこむ意識になってしまいがちです
    スクワット1こうならないように、お尻を後ろに引いていく意識を持ちながらおこなうと膝に負担がかかりにくくなります
    スクワット2
  2. フロントランジ(Front lunge)
    前に足を一歩踏み出す動作です。
    これでも、膝が内側に入ってしまう動作になりがちです。
    ランジ2
    こうならないように、まっすぐ足が出ているか確認してみましょう!
    ランジ1

おわりに

『膝蓋骨不安定症』は、とっさの動きなどで急に膝が痛くなってからわかることの多い疾患です。
いきなり手術となることはありません。

原因がいろいろあるため、対処方法も個人差があります。
しかし、まずはできることから始めなくてはいけないことも確かです。

負担を減らす努力と、セルフケアをしっかりやっていけば付き合っていけないものではありません。

じっくりとケアに取り組んでいってください。

「膝のお皿がズレそうなときにはテーピングや運動療法などの治療を」を最後までお読みいただきありがとうございます。


    

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