歩くと足の外側が痛いときは『腓骨筋腱炎』かも!原因から対処まで解説

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 腓骨筋アイキャッチ特にケガをしたわけでもないのに足首や足の外側が痛い」

歩いたりしたときになぜか足が痛む場合は、足の筋肉の負担による炎症で起こる 『腓骨筋腱炎』 の可能性を考えてみられてもよいかもしれません。

腓骨筋腱炎は、

  • ズルズルと痛みが続きやすく(慢性化)
  • 歩いたり ・走ったり などの基本的な動作で『痛み』が出る

ことから起こると意外にやっかいな疾患です。

病院で腓骨筋腱炎と診断されても休ませるように言われるだけだったり、きちんと処置してもらえないことも多いため、「もしかして私のこの足の痛みは・・」と思われた方は読み進めて自分が腓骨筋腱炎に当てはまるか知っていただいて、もしそうなら自分がどう対処できることを実践していただければと思います。

 

足の腱鞘炎にあたる腓骨筋腱炎とは

『腓骨筋腱炎』とは、腓骨筋という筋肉に炎症が起こっているいわゆる腱鞘炎のことを指します。

まずはその筋肉がどういうものかイメージしていきましょう。

腓骨筋について

腓骨筋(peroneal muscle )は、

  • 短腓骨筋(たんひこつきん)
    (peroneus brevis muscle)
  • 長腓骨筋(ちょうひこつきん)
    (peroneus  longus muscle)

の2つがあります。腓骨筋

この2つは、筋肉のスタートはおおよそ同じで途中までの通っている場所も一緒ですが、最後のほうで、

  • 短腓骨筋
    →第5中足骨基底部
  • 長腓骨筋
    →内側楔状骨、第1中足骨基底部

と、分かれて付く最後に到達する場所が違います。

腓骨筋に関わる病態のいろいろ

腓骨筋に問題が起こっている状態なのは確かですが、その問題の起こり方で疾患名がかわることもあります。

  • 短腓骨筋腱炎
    短腓骨筋腱に炎症が起こっているため、筋肉の付き目あたりが痛くなる腓骨筋付着部2
    腓骨筋付着部1
  • 腓骨筋滑車症候群
    これは、長腓骨筋が急カーブを曲がるところがあります。
    そこを骨のでっぱりが滑車のような役目をしてそのカーブを作っていますが、ここが擦れて炎症を起こしたりすることによる痛みで、腓骨筋腱滑車部あたりに痛みが出ます腓骨筋滑車
    腓骨筋滑車2

みなさんの処置は同じなのでそこまで厳密にする必要はありませんが、頭の片隅に入れておいてください。

腓骨筋のもうひとつの問題として 『腓骨筋腱脱臼』 があって、かがんだりしたときに外くるぶしに腓骨筋の腱が乗りあがってくる(脱臼)ことがあります。

「しゃがんだときに筋がずれるような感覚と痛みが足の外側にある」

などの場合にはその可能性もあることを知っておいていただいても良いと思います。

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腓骨筋腱炎が起こる原因の基本は負担のかかりすぎ

この2つある腓骨筋腱炎が起こる原因としては、

  • スポーツなどの運動による使い過ぎ
    スポーツで走ることの多い人やジョギングをしている人などでも起こることがあります。
  • 靴障害
    足に合っていない靴を履いている
    特に若い女性などはファッション性を重視した靴(ヒールなど)を履くことで足の外側に負担がかかって起こることが多いです。

が主にあり、基本的に

  • スポーツや運動を一定期間休む(目安は2週間~1か月)
  • 足にあった靴を履く

という対処で解消していくことができます。

ただ、このどれもが何か治療をするだけで良くなるものではなく、今までのご自分の生活習慣(ライフスタイル)を変えることが必要になってきますので 自分の生活習慣をかえることができない
方はうまく治療が進まずにズルズルと長引いてしまうこともよくある少々やっかいな疾患です。

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腓骨筋腱炎の症状は炎症によるもの

腓骨筋腱炎では、

「歩くときに足の外側が痛い!」

「体重を足の外側にかけると痛みが出る」

などを訴えられるものがほとんどで、中にはその部分が

  • 赤くなったり(発赤)
  • 腫れたり(腫脹)

することがあります。

また、『腓骨筋腱滑車症候群』などでは、滑車部付近が大きく盛り上がって 『タコ(胼胝:べんち)』 が出来ている場合があります。

こうなると、わかりやすいのですが実際には見た目でわからないことの方が多いです。

そこで、1番わかりやすい症状としてみておきたいのが 『押さえた痛み(圧痛:あっつう)』 です。

疑われる筋肉の付き目(もしくは滑車部)のところをグッと押してみて痛かったらおおよそ当たりとしてもよいでしょう。

次に足を動かしたときに痛みがあるかをチェックします。

  • 足の外側を上の方に持ち上げる動き(外返し)外返し
  • 足先を下に向けておいて足先を外側に向ける動き(底屈+外転)底屈外転

などをしたときに痛みが出るか(運動痛 を確認することも大切です。

 

腓骨筋腱炎はレントゲンではわからない

『腓骨筋腱炎』の画像診断は、

  • レントゲン(X線)
  • CT(computed tomography)

など、 骨や関節の状態(形状)を把握するのに適しているものでは、何も変化が読み取れません。

その『炎症』を確実に診るためには 『MRI:magnetic resonance imaging』 が必要です。

ただし、『腓骨筋腱炎』では、臨床症状やレントゲンで問題がないという画像所見を得られた時点で診断されることが多く、『MRI』まで撮ることは一般的ではありません。

治療をすればよくなりますし、しっかり病態を把握しておかないと困る事情も特にないからです。

それでも撮影してもいいんでしょうが、医療費や撮影所間などの患者さん負担が大きくなるだけなのであまり現実的にはあまり選択されません。

当サイトの記事をお読みいただきありがとうございます。
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36 Responses to “歩くと足の外側が痛いときは『腓骨筋腱炎』かも!原因から対処まで解説”

  1. いけちゃん より:

    謎の痛みの正体が分かって良かったです

    • 管理人 より:

      当サイトをご覧いただきありがとうございます

      何が起きているかわからない状態が1番つらいと思いますが、そこからまずは抜け出していただけただけでも良かったです。

  2. あちゃ より:

    こんばんは。
    はじめまして。
    最近、雪も降ったりして駅まで20分往復歩いたりしてました。
    あと扁平足も原因かな?と思ってました。
    この痛みは二度目です。かれこれ10年ぶりになりました。
    仕事が立ち仕事なので辛いです。
    今回は病院に行かずに自然に治るのを待とうと思います。
    でも、病名がわかって安心しました。
    ありがとうございます。
    扁平足というのは治りますか?

    • 管理人 より:

      当サイトをご覧いただきありがとうございます

      扁平足につきましては、骨の変形などが伴う重症でないようなら、悪影響が出ているのところは筋トレや身体の体重バランスや歩行パターンの改善によって、その悪影響や症状を改善していくことは可能と考えます

  3. すん より:

    原因が分かって良かったです。一番は安静ですね!でも、2週間先にフルマラソンが待ってます。発症してから1週間なので走れるか心配です。練習したいけど、我慢ですね(泣)整骨院とか鍼灸とか行ったら早く治るんでしょうか?

    • 管理人 より:

      当サイトをご覧いただきありがとうございます

      私もジョギングが好きで走れなくなるのがつらい気持ちはすごくよくわかります。
      治療に行かれるのはプラスの働きますので検討してみられてもよいでしょう。

      症状の重さにより変わりますので1週間という期間は微妙ですね。軽ければギリギリ可能かと考えますし重ければ2,3週間は厳しいので復帰できるかはわかりませんが、少しでもいい状態でフルマラソン出場できることを願います。

  4. もも より:

    痛みの正体がわかってよかったです。あと、歩くのも困難になるくらいの痛みがあります。痛みが軽いときでも5分くらい歩き続けるのがしんどいです。これは治すのに一ヶ月はかかりますよね…?

    • 管理人 より:

      当サイトをご覧いただきありがとうございます

      そのくらいの期間をみておかれるのがよいでしょう。
      動き始めがつらく、そこからしばらくすると痛みがましになるのでつい歩いてしまいがちですがそれも負担になっています。
      できる限り歩く機会を減らし患部を安静にすることや、歩く場合でもこまめな休憩をとるようにしておくことなどを心がけることが早く治すためにはプラスに働きます。

  5. あや より:

    昨日山登り(往復1時間程度)をしたら右足が痛くなって困っていました。
    ガニ股、O脚なのでもともと足に負担がかかりやすいとはいえ、こんな程度で腓骨筋腱炎になるとは、、、
    我慢すれば何キロでも歩ける程度の痛みなのですが、あとどのくらいで痛みはなくなるでしょうか?
    ちなみに家から学校まで毎日歩かなくてはいけない状況です(徒歩20分)

    • 管理人 より:

      当サイトをご覧いただきありがとうございます

      痛みの程度が強くないことと、明らかに大きな負担をかけたエピソードがあることから考えてそんなに長くかからない可能性を考えます

      筋肉痛的な痛み程度であれば数日で治まることが期待できます

      まずは負担になることはできる範囲で無理せず避けて局所安静に努めて様子をみられることをおすすめします

      • あや より:

        素早いご回答ありがとうございます。
        なるべく遠出は避けて負担をかけないように意識したいと思います。

  6. にっしー より:

    昨日、久しぶりに10分程度軽くランニングをしたところ痛みがありました。次の日から少し歩くと痛みが強くて辛いです。何をすればいいですか?

    • 管理人 より:

      当サイトをご覧いただきありがとうございます

      久しぶりに走られて負担がかかった痛みであれば基本的には炎症が治る2.3日無理な運動を新たにしなれば痛みが引いていくのが一般的な経過です

      無理をせず普通に過ごすか、もし少しでも楽に過ごしたいのであれば湿布やテーピングをされると良いでしょう

  7. さとぴょん より:

    良く分かりました。有り難う御座います。私の場合、フルマラソンの翌週にゴルフとハーフマラソンを走っり発症しました。しばらく安静にします。

    • 管理人 より:

      当サイトをご覧いただきありがとうございます

      一過性に負担がかかっての痛みの可能性が高いのできちんと休めば早く痛みも引いてくれることが予想されますので、無理なさらないでお過ごしください

  8. カミハラ より:

    靴を変えて長時間立ちっぱなしになったら外側が痛み始めました(涙)
    5日目に突入するんですが、靴が原因で発症した場合どれくらいで治りますか?

    • 管理人 より:

      当サイトをご覧いただきありがとうございます

      その靴を履くのを控えられれば数日で治まっていくことが予想されます

      靴が原因だとすればそれを履くと負担がかかりますし、期間がなかなか予測しづらくなります。
      うまくなれることができて履き続けていけるかもしれませんがもしかするとその靴をあきらめることも必要かもしれません。

      • カミハラ より:

        このサイトを見て即靴変えました!
        数日で治ることを期待してあまり歩かないことを心がけてみます!

        • 管理人 より:

          それが1番確かな対応でしょう。少しでも早く楽になっていただければと思います

  9. ゆきー より:

    陸上部の娘が2月後半から腓骨筋腱炎の症状が出て今までほぼ2ヶ月走ってませんが痛みが引きません。整形外科に行っても腫れも熱感もなく骨もアキレス腱も異常なしと言われるだけ。大会が近くなり走れるのか焦ってます。炎症だとすれば急性期は過ぎてるのか、痛みを取るには安静にという時期は過ぎウォークなどリハビリ的に始めた方が良いのか、どうするのが一番良いのでしょうか。

    • 管理人 より:

      当サイトをご覧いただきありがとうございます

      腓骨筋腱炎でその期間休んでいれば一般的には炎症は急性期が過ぎ痛みも消失してくると思われていいでしょう。
      痛みをとるには、筋バランスや荷重の問題で負荷がかかって痛みが出るのかもしれませんしリハビリをしていくといいでしょう。
      ウォーキングは痛みが出なければいいですが、他の足首まわりからリハビリしていかれるほうがいいかもしれません。

      インソールや足底板(中敷き)などを試していかれるのもひとつの方法だと考えます。

  10. ほりお より:

    3日前?の15:00位から徐々に痛み始め、日曜の今では歩くだけでも痛いです。
    私自身、左膝前十字靭帯断裂の手術を2年前に受け、そこから10km走れるくらいまでは復活しました。しかし、先日、仕事の事故で再建した靭帯が少し緩み、走るのを1か月我慢していました。久しぶりに4kmほど走った次の日からの痛みです。シューズを新しくしたのと、無意識に膝をかばうように走っているのが原因なのか・・・。安静にしようにも仕事柄(保育士)安静にするのが正直難しいです。現在は患部にロキソニンテープを貼り、アイシングを家出はするようにしています。仕事中はテーピングとサポーターでどうにかしようとは思っていますが、一度受診した方がいいでしょうか?

    • 管理人 より:

      当サイトをご覧いただきありがとうございます

      今の痛みが腓骨筋腱炎だとした場合、
      受診すると、1、病態把握ができる2、薬(湿布・鎮痛剤)を出してもらえる3、注射をしてもらえる(かもしれない)
      がいくメリットになります。
      時間があり、病態が気になる場合には受診をお勧めします。

      もう少し今の処置などで様子をみられてもよいようにも考えますが痛みの強さなどと総合して判断されることをおすすめします。

      • ほりお より:

        通院した所、腓骨筋炎でした。
        術後の膝をカバーしていたことで体重が偏ってたみたいです。
        靴も変えました。ショップの店員に足の測定をしてもらうと左右での違いもよくわかりました。
        そして、足首から足にかけての形や筋肉の付き方も甲の外側についている珍しい足らしく、慎重に選びました。1か月半運動を休み、昨日久しぶりに走ると12km走れました。しかし、痛みは出るので、無理なく進めたいと思います。アドバイスありがとうございました。

        • 管理人 より:

          筋バランスをとっていくコンディショニングとあわせてしっかりケアしながら焦らず進めていかれるとよいと思います。
          お役に立てて何よりです。

  11. はる より:

    原因に心当たりがなかったのですが、わかりやすい説明で、自分も同じ症状と分かりました。
    非常に参考になりました、パットの購入なども検討し、しばらく安静にしております。

    • 管理人 より:

      当サイトをご覧いただきありがとうございます

      自分の症状への理解や対処の助けになっていただけてうれしく思います。

  12. ひろ より:

    テーピング、凄く参考にさせてもらっております。

    約3ヶ月に1回のペースで腓骨筋腱炎になってしまいます。
    運動をしている訳ではないので、立ち仕事に加え靴が原因なのかと思われます。

    そこで靴を選ぶのに気を付けるところとかありますか?
    また当方O脚気味なのですが、靴は新調せずO脚用のインソール(爪先~踵までのタイプ)を入れるのは大丈夫でしょうか?

    • 管理人 より:

      当サイトをご覧いただきありがとうございます

      腓骨筋腱炎は両足ですか?

      靴自体というよりは、靴と足があっていないことの問題かと考えます

      片足であればインソールを入れてみたり歩き癖などをチェックしてみることがよいでしょう

      両足ならばインソールもですがO脚についてみていく必要があると考えます

      • ひろ より:

        御返信有難う御座います。

        毎回右足のみ発症します。
        前回は4日ほど前に痛みもひき症状も治まったのですが、昨日O脚用のインソールを入れて半日ほど過ごしたところ、本日少し違和感が出てきてしまいました・・・
        靴も変えてみたのですが・・・
        歩き癖は盲点でした。
        少し気にしながら歩くようにしてみたいと思います。
        親には「オラオラ歩きしているみたい」と言われた事があります(爪先が外を向いてガニマタっぽい)
        それも原因なのでしょうか?

        毎回酷い痛みになるので凄く憂鬱になります。

        • 管理人 より:

          オラオラ歩きで外側に体重がかかるような歩き方になっておられる可能性は考えられます。

          インソールも種類があるので直接みてませんしなんとも言えません。ガニマタ歩きは改善してみられるのは対策のひとつになると考えます。

  13. はな より:

    とてもわかりやすいサイトで参考にさせてもらっています。

    数年前後脛骨筋腱炎ということで足底板を作成し、2年程使用していたところ、足の外側に痛みが出るようになり、半年前ぐらいから悪化し足に体重を乗せることができない日もあります。
    慢性化してしまった炎症は治る事は無理なのでしょうか。
    現在下半身の血流を促す漢方と鍼治療、温泉療養を行っています。

    • 管理人 より:

      当サイトをご覧いただきありがとうございます

      慢性化してしまっている痛みでも、骨や関節が変形などしていて元に戻らないというような状態でなければ改善することは十分に可能であると考えます。
      はなさんの場合は改善を模索していくことができると考えます。
      今野治療やセルフケアを継続しながら、エクササイズなど運動療法を採り入れられることや、足底板は作成されて2年経たれていることから新しく作り直すなどやってみられるのを検討されてみてはいかがでしょうか?

  14. ラッキー より:

    日頃運動をしない40代女性。
    突然20キロを四時間で歩くということをしてしまい、翌日から少しずつ痛み始め4日目には歩くのも辛くなってきました。
    初めて聞く腓骨キンケンエンというものだと思いますが、疲労骨折との見分け方などあれば教えてください。

    • 管理人 より:

      当サイトをご覧いただきありがとうございます

      まず疲労骨折は、ほんとうに継続的に負担をかけることで起こるものなので、日ごろ運動されていないのであればまずないと考えてもよいとは思います。

      疲労骨折の場合は、立ったり、その場で跳ねるだけでも痛みがあったり、押さえて痛い!と感じる場所がはっきりと1点あるということや、その部分がうっすら腫れているのを確認できることもあります。

      これらがないか念のためチェックしてみられるとよいでしょう。

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