膝が痛いけど原因は半月板損傷?原因や特有の症状を知って正しく治療

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半月板アイキャッチ膝が痛くて病院に行った方の中には、

「半月板が傷んでるって言われた~」

のように『半月板損傷』 と診断される方がけっこういらっしゃいます。

手術になることもありますがたいていは特別な治療はないまま

  • よく言えば経過観察
  • 悪く言えばほったらかし

という対応をされている方がたくさんいらっしゃいます。

「半月板って傷んでも手術しないでほっといても治るものなの?」

「半月板を傷めてしまったとき自分でできることってない?」

など、半月板損傷について気になることはいろいろあると思います。

そこで『半月板損傷』に関わる病態から自分でチェックする方法など知っていただいて不安を解消していただければと思います。

 

半月板が傷ついてもそのまま治ることが期待できる?

「半月板って名前は聞いたことあるけど、どこにあるか知らない」

という方が多いため、まずは『半月板』のある場所から確認していきます。

『半月板(meniscus)』は、膝の関節の間に挟まれています。下のイラストで言う真ん中の薄い青色で8の字を横にしたようなもののことです。

半月板1

2つ円が横並びになっていて

  • 内側(内側半月板:ないそくはんげつばん、MM:medial meniscus)
    →視力測るとき 「どっち穴空いているか教えてくださいね~」 っていわれるときに映し出されているような形(ランドルト環)、アルファベットの『C』のような形状 があります。
  • 外側(外側半月板:がいそくはんげつばん、LM:lateral meniscus)
    →ドーナツみたいに丸をくりぬいた形、アルファベットの『O』のような形状

この2つの半月板があって、大きさは外側より内側の方が大きいです。

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『半月板』は、膝の間に挟まって

  • 関節がぴったりはまるため(適合性)
    膝関節は、丸みがある『太ももの骨(大腿骨)』と比較的平らな『すねの骨(脛骨)』が合わさってますが、 ぴったりと合わさっていない隙間があるので隙間を埋めてピタッと合わさるようにする役目があります。
  • 衝撃吸収のクッション材(緩衝性)
    半月板は組織が柔らかく、背骨にある『椎間板』とかと似ていて、体重の衝撃をクッションのように吸収して関節を傷めないように保護してくれています。
  • 関節がグラグラしないようにする(安定性)
    関節の隙間をピタッと埋めていることで、膝関節が安定します。
    『半月板』はその場にじっとしているわけではなくて、膝の曲げ伸ばしなどの動きに合わせて動いて安定を保つようにしています。
  • 関節を動きやすくする(潤滑性)
    水を含んだスポンジのように『潤滑液』を含んだ状態の『半月板』に体重がかかると、そこから『潤滑液』がにじみでて関節のすべりをより滑らかにしてくれます。
  • 関節に栄養を届ける(栄養性)
    『半月板』にある『潤滑膜』づたいに栄養が膝の中心まで運ばれていく
  • 膝の状態を脳に知らせる(感覚性)
    『半月板』にあるセンサーによって膝の状態を感覚として脳に知らせています。

など、たくさんの役割を担ってくれています。

関節の間にあって関節の機能をサポートしている『半月板』のようなものは、他に 胸や顎や手首にある『関節円板』などもあります。

関節ってうまいこと作られているなっていつも感心させられます。

『半月板』は、『線維性軟骨』という組織でできていて『骨』よりは『軟骨』の仲間に入り、少し柔らかい弾力のある『コラーゲン』でできています。

場所によって多少変わりますがおおよそ『半月板』のまわり(外側)の

  • 1/3には、血流があり
  • 2/3には、神経が通っている

と言われています。

それ以上中に(内側に)入っていくとどんどん血流・神経が乏しくなっていきます。

血流があるところは傷んでも治りやすいですが、血流が少なくなればなるほど治りにくくなります。
(外側を傷めていれば自然治癒が期待でき、内側が切れていると自然治癒が見込めないことになります)

神経があるところを傷めれば、『痛み』という症状が出てきます。

 

半月板は何が原因で傷めてしまうのか?

半月板損傷を起こすきっかけに多いのは、スポーツなどで

  • 体重をかかっている状態で
    (半月板が関節の中で押しつぶされるような状態)
  • 切り返し動作のような膝をねじるような動きが起きたとき
    すり切られるような状態)

があると言われていますが、

  • もともと半月板の形に問題のある『円盤状半月板』
  • 年齢を重ねて弱った半月板が自然に切れてしまう『変性断裂』

などの場合は、その傷めるきっかけがはっきりしません。

傷める場所は、外側より内側の半月板のケースが多いです。

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半月板損傷の症状

半月板損傷が起こった場合に出やすい特徴的な症状の3つを押さえていきましょう。

  • 膝くずれ(giving way:ギビングウェイ)
    歩いている途中に突然膝が「ガクッ!」と力が抜けて(力が入らなくなり)、膝が曲がってそのまま地面に身体が崩れ落ちそうになることを言います。
  • 嵌頓:かんとん(locking:ロッキング)
    膝に何かがはさまったかのような感覚で膝を曲げることも伸ばすことも困難になる状態です。
    損傷した『半月板』が関節の中に入り込んでしまっているためと言われています。
  • ひっかかり感(catching:キャッチング)
    膝の曲げ伸ばしのときに、なにかが引っかかっているような、挟まっているような感覚がある

他には半月板損傷に限らないけど、よく出る症状として

  • 痛み(疼痛:とうつう)
    膝の関節のあたりに出る痛みで
    ・膝の内側なら『内側半月板』
    ・膝の外側なら『外側半月板』
    を疑います。
  • 押さえた痛み(圧痛:あっつう)
    膝の関節のところ(関節裂隙:かんせつれつげき)を押さえると痛みがあります。膝圧痛
  • 腫れる(腫脹:しゅちょう)
    傷めた後に腫れぼったくなってきたりします。
  • 太ももが細くなる・痩せる(筋委縮:きんいしゅく)
    痛みが一定期間以上続いていくと
    「反対の足に比べて足が細くなってきた?」
    と思うようになることもあります。 特に太ももの膝上の内側の『内側広筋』がわかりやすく出ます。筋委縮
  • 曲げ伸ばしが完全にできない(可動域制限:かどういきせいげん)
    「正座ができない」
    「しゃがみこめない」
    のような曲げることに制限があったり、 膝を伸ばして座った時に膝裏と床の隙間に差があるなど伸ばしきれないこともあります膝伸展制限1横から見ると、奥にある反対の足が膝裏の隙間から見えています。
  • あしをひきずる(跛行:はこう)
    自分で気づいている人もいますが、気づかないでまわりから
    「歩き方ちょっとおかしくない?足ひきずってるね」
    など指摘されてやっと気づく場合もあります。
ここまでは、半月板損傷がどんなものかということについて紹介してきましたので後半は、その『半月板損傷』を
  • どのように検査・診断し
  • どのような治療をしていくのか
についてご紹介していきます。

当サイトの記事をお読みいただきありがとうございます。
お身体に関するお悩み解消にお役に立てる情報が提供できていますと幸いです。

「自分の身体について直接相談したい」
「実際に自分にあったエクササイズを指導してほしい」
と思われた方は、こちらで直接診せていただくこともできます。

momentum 姿勢バランス研究所

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6 Responses to “膝が痛いけど原因は半月板損傷?原因や特有の症状を知って正しく治療”

  1. honeo より:

    半月板の形状の説明は逆じゃないですか?oとC

    • 管理人 より:

      当サイトをご覧いただきそしてご指摘ありがとうございます

      おっしゃる通り間違って逆に書いておりました。早速修正させていただいております。
      以後このようなミスがないように気をつけたいと思います。

  2. fcm より:

    Apley testはクリックが生じても陽性ですか?関節裂隙に手をあてなければならないのではないでしょうか?

    • 管理人 より:

      当サイトをご覧いただきありがとうございます

      クリックのみでは陽性とは考えなくてよいのではないでしょうか。
      マクマレーでは関節裂隙への触知をしますが、アプレイでは現実的にその操作をするには人手が要ります。そうなればひとりではできませんし、基本的には圧迫ストレス下での回旋による剪断ストレスをかけることで痛み症状の誘発が目的と考えれば絶対の必要性はないと考えます。

  3. 刺猬 より:

    MRIで半月板損傷と診断され、キビングウェイとキャッチングの自覚症状もありますが、現在運動出来るくらいの状態です。このような場合手術は必要でしょうか?

    • 管理人 より:

      当サイトをご覧いただきありがとうございます

      半月板損傷は確定のようですね。今の文面から察するにその診断をされた病院からは具体的な手術の話は出ていないのではないかと思われます。

      手術は基本的には半月板損傷が診断され、かつそれが原因による膝の痛みや膝崩れやひっかかりなどが許容できないレベルで起こり、日常生活(スポーツ選手ならスポーツ活動)に支障が出る場合に検討されます。

      半月板損傷であってもその程度などによれば自然修復が期待できる場合も十分にあります。
      今は、急いで手術をしないといけない状況のようにみてとれません。膝を労わりながら経過観察をすることが妥当なのではないでしょうか

      もし不安であれば担当医に今の疑問をぶつけ、しっかり話してよい解決策を導き出してくださればと思います。

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